外国人グループの犯行？

横浜中華街で、中国人を狙った詐欺が横行しているという。

2015（平成27）年7月下旬、中華街の飲食店で働くために日本へ来たばかりという中国人女性が3人組の女性グループによって日本円で約50万円と中国元、アメリカドルなど計約60万円相当をだまし取られた。
　

中国人を狙った詐欺が発生した横浜中華街
　

被害女性はショックが大きいことと、日本語が話せないということから、事情を知る関係者に聞いた手口を紹介する。

事情を知る男性によると、被害女性が勤務する店から出てきたところに40代ぐらいの女性が「水ぼうそうがひどい。病院を知らないか」などと広東語なまりで声をかけてきたという。

話をしている最中に、別の東南アジア人風とみられる40代ぐらいの女性が同じ広東語のようななまりで「それなら私がいい先生を知っている」などと割り込んできた。
　

事情を知る男性から聞いた手口の流れ
　

3人で連れ立って東南アジア人風の女性が案内する病院に向かう途中に世間話となった。さりげなく被害女性の家庭事情などを聴き出してきて、女性は「娘が一人いる」と話した。

途中で「いい先生」から「知らない人を連れてこられても困る」と連絡があったということで、3人は中華街近くのファストフード店で「いい先生」の、同じく40台前後の女性と合流。そこで「いい先生」が突然、女性に「このままだと、あなたの娘に不幸が訪れる。身の回りのものを『浄化』しないといけない」と話しかけた。
　

「特に身に付ける貴金属などを『浄化』すべき」と話したそう
　

「いい先生」には家庭環境の話をしていないのに、娘の話をされた被害女性は信じ込んだ。そこに「いい先生」が「時計や指輪などの貴金属、特に金（きん）などがあればいい。なければ現金でも構わない」と話し、女性は「いい先生」に手持ちの日本円と中国元、アメリカドルなどを手渡した。

「すぐに『浄化』してくる」といった「いい先生」は東南アジア人風の女性と席をはずしたが、最初に「水ぼうそうがひどい」と声をかけてきた女性は残った。
　

女性たちが話をしていたというファストフード店の近く
　

ほどなくして「いい先生」は東南アジア人風の女性と戻ってきたが、その際に「預かったお金は、この袋の中に『浄化』してペットボトルの水と一緒に入れてある。ただし、2週間以内に袋を開けると『浄化』の効果がなくなってしまうので、決して開けてはいけない」と念を押してから「水ぼうそうがひどい」と声をかけてきた女性を引き連れて帰っていったという。
　

2週間は袋を開けないよう強く言われたという