大黒ふ頭、謎のバス停「バース」。停留所で降りると何がある?
ココがキニナル!
横浜市営バスの路線図を見ると、大黒ふ頭に「C3バース」「T6バース」のような謎のバス停がたくさんあります。バースって何ですか。これらの停留所で降りると何があるのでしょうか。(ときさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
バースとは船が荷物の積み下ろしを行ったり停泊したりする場所です。そこには海と陸の輸送の接点があり、東日本の物流を支えています。
ライター:ほしば あずみ
横浜市営バス109系統および17系統にあるという謎のバス停「バース」。
市バスの路線図で大黒ふ頭を見ると確かに「バース」という停留所が並んでいる。
横浜市営バス路線図より
バースって何ですか?
この質問に単純に答えるならば、バースとは、船が着岸して貨物の積みおろしをしたり停泊したりする場所の事で、岸壁とも言う。
だがそんな辞書的な答えでは調査したことにもならないので、大黒ふ頭の「バース」の停留所で降りると何があるのか、実際にバスに乗って行ってみたい。
大黒ふ頭全景(提供:財団法人横浜埠頭公社)
大黒ふ頭へのアクセスは109系統は横浜駅、17系統は鶴見駅がそれぞれ起点となる。
便数はかなり少なく、一時間に1本程度だったり、時間帯によっては数時間空く場合もあるので注意が必要だ。
また車で行く場合も、ふ頭は一般車両の進入が禁止されている区域もあるのであらかじめ確認しておいた方が良い。
通行はコンテナトレーラー等の専用車両のみという場所がある
見学可能なバースがある!
大黒ふ頭というと閉鎖したスカイウォーク、2時間ドラマや特撮ヒーローのロケ地くらいのイメージしかなかった。が、調べてみると、港湾労働者の福利厚生施設として野球場や多目的広場、テニスコートなどもあり、空きがあれば一般の人も利用できるという。
ちなみに、以前はまれぽでもとりあげた「波止場食堂」もある。
その他に港湾関係者以外でも利用できる施設として「大黒ふ頭海づり公園」がある。
http://daikoku.yokohama-fishingpiers.jp/
波止場食堂つばさ店 一般の人も利用可能
ところがバースのある停留所付近は、倉庫やコンテナヤードが並び一般に開放されている様子はない。
以前『「扇島」って、一般人は入れないんですか?』でもとりあげたとおり、港湾という特殊な場所は、一般人の立ち入りを制限している区域が多い。
停留所で降りてもバースには近づけない可能性がある。
だが「バースって何ですか」の答えはぜひ大黒ふ頭で確かめたい。
さらに調べたところ、財団法人横浜港埠頭公社がC4バースでコンテナターミナル見学施設を運営している事がわかった。
■財団法人横浜港埠頭公社によるコンテナターミナルの見学
http://www.ypdc.or.jp/guidance/
見学は事前の申し込みが必要だが、誰でも参加する事ができる。
「バースって何なのか」を確かめるために個人や少人数の団体向けに開催している見学会に参加してみることにした。
バスに乗って大黒ふ頭へ
大黒ふ頭へは鶴見駅起点の17系統の市バスで向かう。
平日であれば横浜駅起点の109系統より便数も多く、見学の開催時間も17系統のバスを考慮しているようだ。
大黒大橋から見た大黒ふ頭。輸出用の自動車がぎっしり並んでいた
バスの車内にはいかにも港湾関係者といった作業着姿の乗客もいたが、スーツ姿のビジネスマンも多かった。
L2バース付近。大きな貨物船が停泊していた
茂みの陰になっている建物は大黒税関
横浜港流通センターの巨大駐車場の隣が
C4バース停留所
見学施設は日本郵船株式会社専用のコンテナターミナル内に併設されている。
目的地のC4バースで降車したのは記者の他に3人。
施設内にはマイクロバスで来た団体客も既におり、この日の見学者は30人近かった。
施設内の入退場は非常に厳しく、あらかじめ提出しておいた名簿と持参した名簿の照会や警備員のチェックがあり、入館証も身につけておかねばならない。
施設内での写真撮影は可能ではあるが公開は不可となっている。