意外な穴場を発見! 開港時から横浜でも発展した文化「寄席」が楽しめるのはどこ?
ココがキニナル!
横浜鎌倉に落語が聞ける寄席はありませんか。(jckさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
横浜で寄席を聞ける場所は以前取材した場所以外に、手軽に行けそうなのは「横浜にぎわい座」、伊勢佐木町の無料で楽しめる木曜寄席があった。
ライター:すがた もえ子
「にぎわい座」の劇場内裏側!
なんと今回は、なかなか目にすることのできない寄席の裏側を見せていただけることになった。
出演者が使う楽屋を見せていただいた
大きな鏡のある畳敷きの部屋
シャワーも完備されていた
過去に舞台に立った演者さんのお名前は全て帳面に残されていた
13年間ずっと書き溜められているため、相当な冊数になるという。にぎわい座の歴史の一部だ。
こちらは倉庫
全ての段に噺家さんのお名前が書かれた「めくり」が入っている
舞台に上がる方の名前が書かれた紙「めくり」は毎回新しく用意するわけではなく、保存しており何度も使いまわすのだという。
館長の桂歌丸師匠のお名前も!
「めくりは白い紙になるべく隙間が無く太く黒々とした文字を書いてもらうんです」と堀さん。
これには「客席がお客さんの頭(黒)で埋め尽くされるように」という意味がこめられているのだそうだ。
寄席独特のこの文字は「寄席文字」といい、専門の書き手さんが作成している。
こちらは舞台そで
ここで鳴り物を鳴らしたり、噺家さんが待機したりしている。
もちろん舞台裏なので音響装置などさまざまな機械も置かれているが、その一角に畳を敷いて鳴り物の場所が作られているのが寄席らしいところだ。赤いのれんの向こう側は舞台になる。
セットの裏側。このようになっている
月の半分を貸しホールとして貸し出しているので当然なのだが、寄席で使用されている壁や襖も全て撤去できるセットの一部なのだ。
こちらが演目が演じられる舞台
やはりセットだとは思えない舞台。芸能ホールの座席は1階席280席、2階席111席、計391席(桟敷席〈さじきせき〉・ベンチ席を含む)。
各座席にはドリンクなどを置けるテーブルが備え付けられている
ただし一部使用できない席もあり、2階席はドリンクホルダーだけになるとのことだ。
靴を脱いでくつろげる桟敷席もある
舞台を背に会場内を見渡すとこんなかんじ
2階席の壁部分にある時計は舞台に上がる咄家さんたちが時間を確認するためのものなので、あの位置につけられているそうだ。
1階客席のご案内。舞台を上に見て、左下には「親子室」がある
親子室から見た舞台のながめ
室内の壁は全て防音壁が使われているため、赤ちゃんの泣き声やお子さんの声なども外に漏れることが無いので、小さなお子さんがいるご家庭でも安心して寄席を楽しむことができる。
3人掛けの横長ソファーが2つ置かれている
だいたい2家族くらいがゆったりと過ごせるほどの空間となっていて、申し込みも不要。
席が空いていれば無料で使用することができるのが嬉しい。ただし貸切というわけではないので、必要な方がいれば共有して利用してほしい。
取材時は開いていなかったが、売店もある
お弁当やサンドイッチを始め、アルコールも販売されている
都内の寄席ではアルコール禁止の場所もあるが、にぎわい座では売店で購入し、ほろ酔い気分で寄席を楽しむことができるのが嬉しい。
こちらの売店の人気商品は、名前の由来が歌舞伎の『助六所縁江戸桜』から来ており、歌舞伎の幕間(まくあい)に食べる定番の「助六寿司(にぎわい座では助六弁当)」やサンドイッチ、お菓子などの公演を見ながら食べられる物が人気だという。
寄席と言えばやはり助六弁当をいただきながら、ゆっくりと一日をすごしたいところだ。
売店前の壁には昔の伊勢佐木町をモチーフにした作品の展示も並ぶ
こちらは1905(明治38)~1909(明治42)年ごろをモチーフにした「劇場街 横浜伊勢佐木町(松ヶ枝町)」で、ほぐし絣(かすり)で作成された織物。絣、ほぐし絣を中心とした織り、テキスタイルアートを制作するアーティスト・鈴木純子さんの作品だ。
にぎわい座にはポイントカードもある
ポイントが10個たまると、1ヶ月以内ににぎわい座主催公演のチケット1枚と引き換えることができる。ぴあやローソンなどで発券したチケットも対象となるというのが嬉しい。