八百屋さんの絶品280円カレー? 川崎の「おばちゃん八百屋」に突撃!
ココがキニナル!
田園都市線高津駅から府中方向に歩いていると、突然現れる「おばちゃん八百屋」。激安で食事もできるようなのですが、入る勇気がありません。見てきてください(トラズキノコさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
親しみやすい店名と意外な歴史がある「おばちゃん八百屋」。500円のカツカレーは味もボリュームも大満足。気軽に入れ、おばちゃんとの話にも花が咲く
ライター:紀あさ
「おばちゃん八百屋」でお食事を!
一度八百屋さんを出て、食堂に移動すると、キッチンでおばちゃんと、おばちゃんのお兄さんが迎えてくれた。
おばちゃん(68歳)とお兄さん(76歳)
1枚撮らせていただくと、おばちゃんから「待った!」がかかる。「背がちっちゃいから私が前の方がいいんじゃない?」
すてきな笑顔でもう一枚
壁のメニューを見ると、とにかくお安い。
カレーライス280円、玉子丼300円、カレーうどん300円
「安いものを使えば安くできるんだよね」というおばちゃん。この食堂を始めたきっかけは、八百屋さんで野菜が残ったとき「売るほど日持ちしないけれど今はまだ食べられるという物を捨ててしまうのがもったいなかったから」だそう。
最初はカレーライスだけだったが、お客さんからの「カレーにチーズ乗せたらいいよ」など、さまざまなアドバイスを取り入れるうち、今のメニュー構成に。
味のあるイラスト付きのメニューも
それでは早速、おばちゃんのカレーライスを注文!
5~6人も入ったら満席になりそうな小さな食堂の、すぐ奥がキッチン。作る様子も見学させていただいた。
「このトマトはね、熊本の完熟トマト。大盛りで一皿200円」
作りながら話をしてくれるおばちゃん。「地震でトラックの人も大変だったと思うよ。それを無駄にできない。もったいないよ」
カレールーと一緒に煮込む野菜はニンジンだけで、ジャガイモは別にゆでてある
隠し味があるかを尋ねると、「ちょっと砂糖」に続いて「ちょっとコーヒー」という答えが。これも「お客さんがコーヒー入れるとおいしいよって教えてくれたから」だそう。
おばちゃんのカレーのファンは多いようでキッチンの壁には大量注文のメモも。
「取りに来てくれるお客さんで、ありがたいですよ」
このように、近所の方からも愛されている。
揚げたてのカツをざっくり切って
ルーをたっぷりとかける
できたてほやほや、このボリュームで500円のカツカレー
ルーの下にはしっかりと、カツとジャガイモの存在感
カツ断面と、揚げたてを感じさせる衣
いただきまーす!!
まず、ルーがおいしい。コクがあって、でもクセは強くなく、安っぽさもない。そして見ているだけで楽しくなりそうなしっかりしたボリューム。カツはカリカリ!
大満足です。
ウサギリンゴまで完食
向かいの席のお客さんは、ごはん少な目の豚丼(350円)をオーダーしていた。お好みで量を調整してくれる。
木村朝吉(きむら・あさきち)さん(71歳)
筆者が木村さんにお名前を伺うと、おばちゃんが「木村さんっていうんだ」と会話を繋ぐ。毎日来ていて、歩いて5分ほどの距離のご近所さん。最初は杖をついて来ていたが「5分間、毎日歩く」のがよかったらしく、今では杖なしで来られるようになったそう。
食堂ではお酒も提供しており、閉店は午後7時と早めだが、軽く1杯飲んでいく人もいるという。
机上のノートには、ここで食事をした人たちがたくさん感想を綴っていた。
遠くは青森から来た人も
ところで、おばちゃんのお名前について。先ほど「今は」佐藤昭子さんとお伝えしたが、その「今は」の理由がすごかった。