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八百屋さんの絶品280円カレー? 川崎の「おばちゃん八百屋」に突撃!

ココがキニナル!

田園都市線高津駅から府中方向に歩いていると、突然現れる「おばちゃん八百屋」。激安で食事もできるようなのですが、入る勇気がありません。見てきてください(トラズキノコさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

親しみやすい店名と意外な歴史がある「おばちゃん八百屋」。500円のカツカレーは味もボリュームも大満足。気軽に入れ、おばちゃんとの話にも花が咲く

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ライター:紀あさ

「おばちゃん八百屋」ができるまでの野口家の歴史



「おばちゃん八百屋」のおばちゃんとお兄さんの父は、東京・大森で代々ノリを生産していた家系の6代目・野口権蔵(のぐち・ごんぞう)さん。母方の実家は溝口の八百屋さんだった。「おばちゃん八百屋」は、その母の実家を継いだかと思いきや、そうではない。

両親の出会いは、若き日の父が溝口の下駄屋さんに修行に出ていた折、母がお店に下駄を買いにきて恋に落ちた。双方に別の許嫁(いいなずけ)がいたが、父が大森に戻る時、母は自分の荷物を風呂敷に包んで父を追いかけた。勘当こそされなかったものの、両家の家族がいい顔をしなかった二人の恋愛結婚は大森で始まった。
 


「だって昔の父の写真見るといい男だもん」
 

さて、兄の名は野口晃(あきら)さん。おばちゃんは彼を「晃あんちゃん」と呼ぶ。おばちゃんは次女で第7子。

結婚するまでは野口照子(てるこ)だったが、どうやら時を経て役所の書類のインクで書かれていた「照」の下の点が消えてしまっていたそうで、婚姻届を出しに役所に行ったら、名前が「昭子」になっていると言われた。

以来、佐藤「昭子」になったが、今でも晃あんちゃんは、おばちゃんのことを照子と呼ぶ。
 


「昔は照子だったんだけどね・・・」
 

以前テレビに出た時の写真には「おばちゃん佐藤昭子」というテロップ
 

戦後父が復員し、溝口の母の実家のすぐ近所に住んだが、家を飛び出しての結婚だったため、八百屋さんである母の実家を頼ることはできなかった。

父はしばらくダンボールゴミを集めるなどしてお金を貯め、現在「おばちゃん八百屋」のあるここで立場(たてば、現在のアルミ缶回収業のようなもの)を開く。金属やガラス瓶などの回収が主だったが、買ってほしいと持ち込まれたものは法に触れなければすべて買い取り、困っている人がいればみんな雇ってあげるような父だったそう。
 


「サルとかも買ってあげてたよね」
 

八百屋の天井に残る建場のクレーン跡。車など大きい物は吊って解体した
 

食堂のニックネームである「おじぞうにゃん」の由来となった入口のお地蔵様は、そのころに買い取ったもので、さすがに「お地蔵様を売るわけにいかない」と手放せずにいた結果、現在のお店の前に鎮座するに至った。
 


食堂の前のお地蔵様
 

父が亡くなると、母と晃あんちゃんだけでは立場の経営は回せなかった。しかし、それまでに買い受けた物が2階に貯めてあったので、母と晃あんちゃんは骨董店を始めた。今でいうリサイクルショップのようなものでお店の名前は「リサイクル246」。

このころおばちゃんは神奈川県高座郡寒川町で家族を持ち、タクシーの運転手をしていたが、今から十数年前に母が他界。晃あんちゃんは子どものころの病気で脳に障害が残っていたこともあり、おばちゃんは晃あんちゃんを手伝うため、寒川町の自宅から川崎に通うようになる。
 


お店の2階に貯めていた骨董品で父亡き後の母と兄は生計をたてた
 

何とか食べるだけの生活はできていたが、骨董品もやがて底をつく。そんなある日、夫の姉から「八百屋でもやりなさいよ」と言われた。

おばちゃんは突然言われても無理だと思ったが、義姉は都内の「八百春(やおはる)」という八百屋さんの長男と結婚しており、大田市場に一緒にきて仕入れてみるように誘われた。試しに仕入れた野菜を骨董店の外においたら意外と売れた。

「そういえば昔、おばぁちゃんが八百屋やっていたなぁ」と八百屋さんを続けてみることにした。
 


「だから本当はうちも『八百春』なのよ。誰もそう呼ばないけど」
 

「昭子おばちゃんの『おばちゃん八百屋』」は、本当は「照子おばちゃんの『八百春』」だったという驚きのお話だ。

「おばちゃん八百屋」には、多くの人が力を貸してくれた。
 


この棚は八百屋さんを始めるときにお客さんが作ってくれたもの
 

2011(平成23)年3月に改築して食堂を作った時もお客さんが工事をしてくれた。
 


「ただじゃなかったけどね」
 

みんなの善意でこれまでやってこれたという「おばちゃん八百屋」。

「『おばちゃん八百屋』って本当は、『私の八百屋』じゃなくて、『買い物に来るおばさまがたがヒーロー』っていう意味だと思っているのよ」と語る。

これからどうしたいですかと聞くと・・・
 


「ずっとやりたいね」
 




取材を終えて



野菜と、食事と、おばちゃんとのお話・・・これだけでもまた来たくなるには十分だ。実はさらに、土曜の晩には「飲みニュケーション」なるものが開催される。
 


4時間半、飲み放題+食事+カラオケ歌い放題で2000円!
 

これもとてもキニナル。飲みたい人のために、近隣の溝の口駅と高津駅には送迎もしてくれるという。どんな人たちが集うのか。いつか来てみたい。


―終わり―

おばちゃん八百屋
住所/神奈川県川崎市高津区久地1-9-21 1F
電話/044-822-2823
営業時間/7:00~19:00 日曜休
 

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  • もう数年行っていないのですが、おばちゃん元気なようで何より。280円カレー、全然期待しないで食べてそのうまさに驚き、八百屋で仕入れてきた新鮮過ぎる野菜を使っていると聞いて納得し、で以降は病みつきですよw他のメニューもコスパ抜群で何を食べてもうまい、お勧めの上にお勧めのお店です。地図表記は「おばちゃん八百屋」ってのがまたいいですよねぇ。

  • おばちゃん「昭子さん」は結婚前は「照子さん」だったんですね。???(笑) 役所の不手際で「昭子さん」となり、(笑) 。晃あんちゃんは敢えて「照子さん」と呼ぶ。楽しくて笑っちゃいますねー。俺は好きだなぁーー。このユルい感!

  • 勇気を振り絞らないと入れないほどの店なの?

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