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昭和レトロな雰囲気の「フジサワ名店ビル」の歴史と現在に迫る!

昭和レトロな雰囲気の「フジサワ名店ビル」の歴史と現在に迫る!

ココがキニナル!

藤沢駅近くの名店ビルの中庭に謎のボックスがあります/藤沢のレトロな駅隣接ビル、名店ビルが気になる。中に入ると昭和ぽいし広場には街頭テレビがあるし、本当に名店沿いかも(カープさん/そろそろ旅さん)

はまれぽ調査結果!

1965年創業の商業ビルで現在は34店が出店。「魚つる」「みのるうなぎや」「有隣堂」は創業以来営業している。中庭の謎のボックスはテレビだった!

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ライター:大和田 敏子

ユニークな構造の「藤沢391街区」


 
さらに、さきほど触れた391街区の話も含めて、名店ビル建設後の経緯を伺った。

フジサワ名店ビルが建設された翌年、1966(昭和41)年にダイヤモンドビルが、その5年後の1971(昭和46)年にはCDビルが建った。その後、隣接するビル間の回遊性・買い回り性の向上を意識して、各ビルの床を接続させ一体化したような形になったそうだ。
 


現在の391街区。「CDビル」は「ザ・プライム」に変っている

 
最初の方で触れた中庭だが、実は3つのビルに囲まれた広場で「ハゼの木広場」という名称がついている。
 


中央にあるのがシンボルツリー「ハゼの木」だ

 
人々の集いの場になるようにと作られた広場だが、当初は、自転車が放置される場になってしまっていた。そこで、1975(昭和50)年以降、3ビル共同で駐輪場を設置・運営し、広場の整備を進めた。さらに、集まる方々に楽しんでほしい、広場としての魅力アップを図ろうと、今から25年ほど前にテレビを設置したそうだ。
 


ビルが一体化している状態は今も変わらない。左側はダイヤモンドビル

 
取材の途中では、名店ビルを歩いているつもりが、いつの間にか隣のダイヤモンドビルにいたことも度々。ビルを周遊して買い物ができる構造になっているのが特徴的だ。

また、391街区の地下にはJR藤沢駅の地下通路からアクセスできるようになっている。かつて、駅と駅前のビルの地下街、さらに地下街同士を地下歩道でつなぎ、駅前の歩行者動線を生み出すという構想から生まれたという。
 


1962年の防災建築街区の計画図
(「藤沢駅前南部第一防災建築街区造成の都市計画史的意義に関する考察」より)

 
391街区だけでなく、駅を囲むように広く地下道を造る構想だったようだが、当時、JRの駅に隣接していた江ノ電の駅が移動したこともあり、実現には到らなかった。
 
 
 

3年前、50周年記念イベントを開催。現在も継続する企画も


 
2015(平成27)年には、創業50年を記念して、北原照久(きたはら・てるひさ)コレクション「昭和レトロ大博覧会」や円谷プロのウルトラマン展、昭和ジオラマ展など、さまざまなイベントが行われた。
 


こちらは、2015年夏のセール・イベントのチラシ(一部)

 
昭和レトロな雰囲気を表すために、チラシには昔の江ノ島海水浴場の写真を用いたという。
 


ハゼの木広場では北原照久さんらのライブも開催された

 


昭和ジオラマ展には、屋上観覧車の模型も展示された

 
ジオラマのアーティスト荒木智(あらき・さとし)さんに依頼して、昔の写真をもとに作ってもらったものだという。大切に保管されていた実物を見せていただいた。
 


こんな素敵な観覧車があったんだと思うと感慨深い!

 
観覧車は昭和50年ごろまであったとのことだが、資料が残っておらず、いつ撤去したのか正確には分からないそうだ。
 


木製のベンチのように見える下のコンクリート部分が観覧車の土台として残る

 
50周年記念企画では、藤沢では30年ぶりとなるビアガーデンがこの屋上で復活。その後、継続して毎年夏に行われており、2018(平成30)年も開催予定だ。
 


ビアガーデンの看板。「29」は「肉」!!

 
地元の焼き肉店「ヨンドン」が運営する、バーベキュースタイルのビアガーデンだという。屋上からは、きれいに富士山が見えるそうだ。この夏、夕暮れに富士山を眺めながら、ビールを飲んでみたいなと思った。