日ノ出町駅近く、大岡川沿いの「川の駅」は一体何に使われているのか?
ココがキニナル!
何年か前に大岡川に出来た「川の駅 大岡川桜桟橋」。殆ど使われていないよう。単なる税の無駄遣い?大岡川でハゼ釣り大会も開かれているようですが川の駅の使用許可は下りない様子。(駅馬車さんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
「川の駅 大岡川桜桟橋」は、ほぼ毎月地域の団体が主催する「川と人とが触れ合えるイベント」に使用される。釣りができない理由は安全確保のため
ライター:山崎 島
	最近取材などで大岡川沿いを歩くことが多く、時間があるときは「なんか泳いでないかなあ」と川を眺める。こっそり心のオアシスにしている大岡川にぽつんと佇む「川の駅 大岡川桜桟橋」。私も、どう使われているのかキニナっていました。
	 
	
	2011(平成23)年9月にボート体験の取材をさせていただいたここ
	
	桜桟橋の活動を管理しているのは「大岡川川の駅運営委員会」の方々。取材をお願いすると、「10月に “水上交通社会実験”をやるので、その時に取材されたらどうですか?」との返答が。なんでも、ボートにのって川下りができるらしい。何それ楽しそう!!
	
	
	
	水辺の新たな交通手段
	
	京浜急行線日ノ出町駅から徒歩約5分。大岡川沿いを黄金町方面に向かって歩く。この日はとても天気がよく秋めいて良い日だった。穏やかな日差しに取材モードが奪われ、ぽーっと歩いていると・・・
	 
	
	何やら人だかりが
	 
	
	川に向かって水かけてる!! なんで!?
	 
	
	力強い放水!!
	
	旭橋から大岡川に向かって放水している人たちを発見!! この日は初黄・日ノ出町環境浄化推進協議会と伊勢佐木町商店街、南区の横浜橋通商店街の3団体による「地域連携防災炊出し」の日。
	
	桜桟橋では、日ノ出町町内会・初黄町内会・赤英(せきえい)町内会の3つが中心となり防災炊出しと、地域消防団による消火訓練が行われた。
	 
	
	炊き出しの準備をされる方々
	 
	
	毎年春に大岡川で行われる桜まつりでも使われる大きなお釜
	
	防災に備えて地域の連携を図る目的で行われたこの日の活動。近隣にお住まいの方々が集まる。
	 
	
	普段は立ち入り禁止
	 
	
	桜桟橋にも入れる
	 
	
	皆さん和やかにお話している
	
	いいなあこういう感じ・・・とぽやぽやしていたが、遠くに編集部・山岸の姿を見つけ、我に返った。あぶな!! 急いで本日お話をお伺いする「大岡川川の駅運営委員会副委員長」の菅原さんを探した。
	 
	
	松田さん(左)と菅原さん(右)
	
	イベント中にもかかわらず、お時間をくださった。ありがとうございます。早速、「川の駅大岡川桜桟橋」ができた経緯について伺った。
	
	はまれぽでも何度か取り上げた、2005(平成17)年に行われた黄金町一帯の違法風俗店の取り締まり運動「バイバイ作戦」後、新たな街の再活性化に向けて、大岡川周辺も整備されることに。
	 
	
	2005(平成17)年に「バイバイ作戦」が行われた黄金町
	
	太田橋から旭橋間のプロムナード工事により、大岡川沿いは歩きやすくなったが、以前は川という自然に接することができる場所がなかった。
	
	そこで「川の近くまで行くことができ、ボートの乗り降りがしやすい桟橋を作ってほしい」と地域の方々の要望を県知事に提出。「よし、やりましょう」と即行で可決され、今から8年前、2006(平成18)年に桜桟橋が誕生した。
	工事・管理をしているのは横浜川崎治水事務所。ここでの活動は全て治水事務所へ申請し、2007(平成19)年に桜桟橋が誕生した。工事費用は約1億円。県が負担した。
	
	「以前この街は、外から見ると非日常だった。普通の日常を作りたいと思ったんです」
	
	にぎわう人たちを見ながらお話してくださったのは、大岡川川の駅運営委員会委員長の谷口さん。
	 
	
	「人は水に親しむことで安らぎを得る」とご自身の実体験から思われたそう
	
	谷口さんは「初黄町」の前町内会長でいらっしゃった。違法風俗店撤去後、街に染み付いたネガティブな印象を、川の活動を通して変えようと現在まで奮闘してこられた。1992(平成4)年から開催されている大岡川の桜まつりでは、川と桜をきっかけに「川の向こう側の町内会」とも深め、他町内会で協力し合えることを目的に活動していらっしゃる。
	
	ちなみに川の駅実行委員会メンバーは、全部で地域に住む人たちが20名ほど。Eボートやプレジャーボートなどで一般の方に広く川に接して貰うために活動していて、川で遊ぶことが好きな仲間で結成されている。
	 
	
	横浜運河パレードでも川の駅が使われた
	
	現在は子供たちに向けた「大岡川生き物観察」や「Eボートスクール」など、川に親しむためのイベントを積極的に開催している桜桟橋。
	
	ちなみに、ユーザーからの投稿にあった「毎年恒例のハゼ釣り大会では桜桟橋の利用許可は降りていない」とのことだったが、橋の上や大岡川桜桟橋は安全確保のため禁止となっているそう。理由は川を通る船に糸が引っかかるなどして、事故が起きる危険性があるため。
	 
	
	はまれぽでも以前調査した
	
	川の駅運営委員会主催のハゼ釣り大会は、生物観察と河川清掃を目的に横浜川崎治水事務所へ申請しており、大会後は川周辺や水面に浮いたゴミを拾う清掃活動も行っているとのこと。委員会の方の川を大切にしたいという、強い気持ちが分かる活動だ。
	 
	
	川と人とを結ぶ駅
	
	投稿に「税金の無駄遣いでは?」とあったが、どう考えているのだろうか。
	
	運営委員会に伺うと、「桟橋の費用は県の負担ですが、活動はほとんどボランティアでやっています。税金の無駄使いなどの疑問をお持ちの方は、一年を通して、ほぼ毎月誰でも気軽に体験できるイベントを開催していますので、是非一度参加してみてください。たくさんの方にご意見をいただいて、これからの活動の糧にしたいですし、もっと多くの方がルールを守った上で自由で気軽に桜桟橋を利用していただきたいので。」とおっしゃっていた。
	 
	
	今では地域の人たちが集まる場所になっている
	
	そして、ザキヤマがキニナル大岡川の生物のお話。
	
	10年以上前、大岡川はヘドロまみれでメタンガスが上がってくるような汚い川だった。治水事務所が中心に、上流からのヘドロの浚渫(しゅんせつ・河川の底をさらってきれいにすること)を行ったり、川の駅運営委員会がワカメの苗を蒔いたりするなどして、少しずつ水質を改善していった。ワカメはヘドロの養分を吸い、酸素を出してくれるという、「とっても凄い奴」だということをこの日初めて知った。やるじゃないかわかめ。
	
	現在はハゼやウナギなど、かつてここに住んでいた生物を放流している。魚が住める環境になったのね。たまにエイもいるとのこと! 見たい!!
	 
	
	よおく見ると魚がたくさん
	
	お話を伺っていると、どうやら炊き出しの時間に。初黄日商店街の方々が朝から準備してらっしゃったメニューは??
	 
	
	具が盛りだくさんの豚汁と
	 
	
	釜で炊いたご飯のおにぎりと漬物
	 
	
	久々に豚汁いただきました 
	
	充実!! 家庭的な味わい。地域の方が丁寧に作ってくださったのが良く分かった。気持ちの良い外で美味しくいただきました。
	 
	 
	それでは本日のメインイベントである船に乗ってみました!!≫
	 




