資源循環局にイラストの上手なおじさんがいるって本当?
ココがキニナル!
横浜市の資源循環局にものすごくイラストの上手なおじさんがいます。元はプロだったそうです。面白そうなので調べて下さい。(ymyさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
イラストおじさんの正体は、吉野高夫さん52歳。37歳までアニメーターとして活躍し、『天空の城ラピュタ』『火垂るの墓』等の作品も手掛けていた。
ライター:クドー・シュンサク
横浜市の資源循環局にいるという、イラストの上手なおじさん。事前に、資源循環局の係りの方へ取材の趣旨を伝えると、「青葉区の事務所にイラストを描く者は居ますが、その者かどうか・・・。その者であればいいのですが・・・」といったご返答。
多少曖昧なところもあるまま、元プロだというその真相や市職員となった経緯等を伺うため、青葉区にある横浜市資源循環局青葉事務所に向かうことにした。
田園都市線の市ヶ尾駅近くにある横浜市資源循環局青葉事務所
イラストおじさんとご対面
事務所内に入り、取材の旨を伝えると会議室のような場所へ案内され、イラストおじさんの登場を待った。間もなくイラストおじさんこと、横浜市資源循環局職員の吉野高夫さんが現れた。
この方がイラストおじさんこと吉野高夫さん
とても物腰のやわらかい挨拶をくれた吉野さん。早速、元プロだという話やパーソナルを含め諸々、訊くことにした。
話によると吉野さん、21歳から37歳まで、フリーのアニメーターとして、日々アニメメーション作品を作画していたという。
原画や動画を担当した代表作には、スタジオジブリの『天空の城ラピュタ』や『火垂るの墓』をはじめ、『楽しいムーミン一家』や『機動戦士ガンダムZZ』等の作品がある。
現在52歳の吉野さん、アニメーターを辞めて15年経つ今は、資源循環局の職員として主にごみ収集に関わる業務に従事。あわせて、市が行うエコ活動のイベントで絵を描いているという。
吉野さんがエコバックに描いたキャラクター
エコ活動のイベント用に、エコバックに絵を描いたりして、市民の方々により良いエコ活動の参加を広めていければいいと語ってくれた吉野さん。市内各所で不定期に行われるイベントでは、マイボトルを持参した小学生以下のお子さんには、無料でエコバックに似顔絵を描いてあげる催しをしているという。
ここで、繊細な部分になるかもしれないが、気になるフリーのアニメーターから横浜市職員へと転進した経緯について訊いてみた。
AKB48の前田敦子となでしこジャパンメンバーの似顔絵
アニメーターから転身した経緯
21歳からフリーのアニメーターとして活躍していた吉野さん。数々の有名作品を手掛け、順風満帆に思えたアニメーター人生であったが、職業柄不規則を極める生活と激務により、次第に吉野さんの体力と精神はすり減らされていったという。
それでも好きな絵を描く職業なので、しばらくは何とか続けていくことはできたのだが、30歳半ばを過ぎたある時期に、仕事相手の会社からギャラの未払いが続き、結局その会社が倒産。
それに重なる時期に、バイクで交通事故を起こし、利き腕の右手に大怪我を負ってしまう。気持ちも切れ、右手も使えない状態になり家族と相談した結果、アニメーターを引退することにしたという。
おなじみヨコハマ3R夢をイメージして描いたイラスト
それから、家族の後押しもあり、応募年齢ギリギリであった横浜市資源循環局の職員に応募し、現在に至るという。
元々はキャラクターを描くのが好きだったが、仕事になると飛行機や武器といった“物”を描くことが多く、キャラクターがなかなか描けなくてモヤモヤしていた話や、宮崎駿氏との仕事場でのエピソード話などを含め、しばし談笑。
話に華が咲きだしたところでひとつ、吉野さんに私の似顔絵を描いてほしいというお願いをしてみたら、物腰やわらかく吉野さんは快諾してくれ、似顔絵を描く準備を始めた。
吉野さんが描いた林文子横浜市長