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川崎はなんで「川崎」って名前なの?(chinoさんのキニナル)

はまれぽ調査結果

川崎市の「川崎」は地形からついた地名。「川」は多摩川、「崎」はデルタ。つまり、多摩川が作った河口のデルタ地帯があったから「川崎」!

ライター:吉澤 由美子 (2012年09月16日)

地方に行って「お住まいはどこですか?」と聞かれて「川崎です」と答えると「東京の?」とか「横浜の?」と聞かれることがけっこうある。政令指定都市なのに!

常々「川崎市の知名度低すぎ」と思っていたけれど、この質問をいただいて考えてみたら自分も「川崎」の地名の由来など、川崎の基本的なデータはボンヤリとしか知らないことに気付いた。

そこで、川崎の地名の由来について、川崎市高津区溝口にある「日本地名研究所」でお話を伺い、その後、東海道の川崎宿があった場所に行って川崎市の成り立ちを調べてみた。
 


日本地名研究所の鈴木茂子さん




川崎という地名の由来
 
全国に「カワサキ」という地名は80ヶ所(大字以上)存在するが、その大多数は「川前/川に面した場所」という意味であり、「前=サキ」という古い表記がやがて「川崎」となっていったもの。

「川崎市の『川崎』は、そうした『川に面した場所』とは由来が異なるんですよ」と鈴木さん。

川崎市の「川崎」は地形からついた地名で、「川」は多摩川を、「崎」はデルタ(三角州)を指しているのだそう。
 


多摩川の六郷橋付近。河口に近いため流れも水量もゆったりしている


大きな川の河口で上流から流されてきた土砂が溜まってできたデルタは、海からの砂も溜まって海に張り出した形になることが多く、こうした地形は「崎」と呼ばれる。

そこに「多摩川」の意味で「川」がついたのが川崎市の「川崎」、つまり多摩川が作った河口のデルタ地帯という意味だとのこと。
 


 
鎌倉・室町時代までは、「河崎」と表記されていた

では、川崎という地名が歴史に登場するのはいつごろだろう?

川崎は、最初「河崎」という表記で歴史に現れたらしい。「川/河」の文字は違うが、「多摩川河口のデルタ地帯」という意味は同じだ。

鈴木さんによると、平安時代後期、秩父基家が、現在の川崎区のあたりを開拓したのが川崎のはじまり。基家は、地名をとって「河崎冠者基家(かわさきのかじゃもといえ)」と称した。

平安時代後期の「秩父系図」に「河崎冠者基家武州荏原郡知行」と記されており、ここから当時、河崎庄(かわさきのしょう)が存在し、基家がその開発領主であることがわかる。「河崎」という表記は、鎌倉・室町時代まで使われていたとのこと。なお、「川崎」という表記は、江戸時代から一般的に使われるようになったらしい。

 


川崎区にある稲毛神社には、川崎の歴史をずっと見守ってきた樹齢千年以上の大銀杏がある
 

稲毛神社の境内には、川崎宿の小土呂(こどろ)にあった橋の遺構も展示されている


鎌倉時代初期の1263年、領主である佐々木泰綱が中心となり、5000人余りの浄財をあつめて梵鐘(ぼんしょう)の鋳造が行われ、河崎庄にあった勝福寺に鐘が納められた。その鐘銘(しょうめい)に「武州河崎荘内勝福寺鐘銘」の刻みが見られたとのこと。残念ながらこの鐘は現在、残されていない。

この頃、多摩川の流れは現在とかなり異なっており、河崎庄のあったあたりは多摩川の北岸にあったため、「武州荏原郡」となっている。武州は、武蔵国(むさしのくに)の別称で、荏原郡は現在の大田区や品川区など東京都城南地区のあたり。

その後、多摩川の流れが変わり、河崎庄が多摩川の南岸になって武蔵国橘樹(たちばな)郡に属すようになる。

現在の川崎市のほとんどの市域はもともと「武蔵国橘樹郡」(北部の柿生地域は「武蔵国都筑郡」)。

橘樹郡は、南部の川崎領と北部の稲毛領という2つの地域にわかれていたが、1611年にその2つの領にまたがる二ヶ領用水が完成して新田開発が進み、上質の米を産出するようになっていく。
 


多摩川から取水している二ヶ領用水 ※3月下旬に撮影


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