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賑やかさと静けさを両方持つ街。はま旅Vol.79 「立場編」

ココがキニナル!

横浜市内全駅全下車の「はま旅」第79回は、賑やかさと静けさを両方持つ街「立場駅」周辺をぶらり。

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ライター:沢村 友美

人々の往来を見守り続ける交差点



「立場」とはそもそも、江戸時代頃の主要な街道沿いにあり、宿場と宿場の間で旅人が休憩を行った場所のこと。
旅の前に下調べしたところ、泉区の「立場」も同じ歴史を持つことが分かった。
 


昔の旅人が歩みを止め休憩した「立場」


明治時代、泉区や瀬谷区は養蚕がさかんで、長後街道周辺には製糸工場が多くあった。そのため横浜へ絹糸を運び、工場へ石炭を持って来る荷車が街道を多く行き交っていた。
そこで、ちょうど交差点に住んでいた青木近右衛門さんが「立場」を開場。馬止めのために数本の杭を立て(「立場」の語源)、店を構え、往来する人々に休憩の場を提供したのが始まり。
 


現在も車や人の往来が多い交差点


交差点付近には、明治時代の交差点(現在よりやや北)から移設された庚申塔(こうしんとう)が祀られている。
 


道しるべの役割も持っていたよう


風化により文字は判別しにくいが、側面には「南 婦ぢ澤 北 八王子道」「東 戸塚柏尾道 西 大山厚木道」などと彫られている。


「立場」の生みの親をたずねて

下調べの段階で、先述の「立場」商店は現代も続いていることが分かり、行ってみた。
もちろん店がそのまま残っている訳ではないのだが、代々子孫が経営を引き継ぎ、現在は交差点の一角にあるヨークマート内で「リカーショップ タテバ」を営んでいる。
 


現店主の青木籌之(かずゆき)さん


「立場」にあるから店名が「タテバ」なのではなく、大昔にこの店が「立場」を営んでいたから地名として通用するようになり、駅名にまでなったのだから、よく考えてみるとスゴイ。
「明治時代のことまでは分かりませんが、先代の頃、この辺りにはうちの店以外は何もありませんでした」と青木さん。
以前はよろず屋で、食品のほか、漢方薬や雑貨、さらにはスタンドまであり石油も販売していたとか。
 


現在は酒とタバコを主に扱っている
 

店内の一角にはしっかり温度管理されたワインセラーが


現在44店舗からなる立場中央商店会の会長も務める青木さん。2012年はちょうど商店会結成30周年の節目で、イベントを考案中とのこと。
「10月中は区内の商店会と協力しスタンプラリーを実施します。200円のご利用につきスタンプ1個を押印しますので、参加店のうちいずれか3店舗をご利用の上、別々のスタンプを3つ集めて応募してください。抽選でお買い物券を進呈します」
 


スタンプラリー参加店はポスターが目印


11月3日(土)に開催される「泉区民ふれあいまつり」でも抽選会を行うそうなので、近隣の方は参加してみては?