客船しか泊まれないはずの大さん橋に、突如貨物船が停泊! その理由とは?
ココがキニナル!
先日、大さん橋に明らかに貨物船? のような船が泊まってました。大さん橋は客船ターミナルなはず! なぜ貨物船が泊まっていたのでしょうか?(ハマ太郎さんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
投稿にあった貨物船「さがみ」は新造船で、2013年11月お披露目式として大さん橋を利用。平和利用でターミナルが空いていれば、客船以外も停泊可能
ライター:河野 哲弥
まずは、横浜市港湾局に事実確認
投稿によると、中区山下町にある客船ターミナル「大さん橋ふ頭」に、貨物船と思われる青い船体が停泊していたようだ。
投稿にあった写真
そこで横浜市港湾局へ確認してみたところ、2013(平成25)年の11月末、確かにコンテナ船が接岸していたとのこと。
港湾局が入る、産業貿易センタービル外観
何か特別な事情でもあったのだろうか。
さっそく取材を申し込むと共に、目撃された船の正体や、改めて大さん橋の利用状況などを探ってみることにしよう。
停泊していたのは、「さがみ」というコンテナ船
話を伺ったのは、横浜市港湾局みなと賑わい振興部の、湯井直文(ゆいただふみ)さん。
何でも、2013(平成25)年11月25日(火)に突然、神戸市に本社を置く井本商運という企業から、「貨物船のお披露目会ができないか」という相談があったそうだ。
大さん橋に停泊中の「さがみ」(画像提供・井本商運株式会社)
同社によれば、もともと荷物を積みおろす予定があった南本牧のコンテナターミナルで28日(金)、新造船「さがみ」の祝賀レセプションを開催する手はずであったらしい。
ところが、参加希望者は意外に多く、約60人を超える見込みに。
このため、大型トレーラーなどが行き交う本牧を避け、催し物を安全に実施できる代替のふ頭を探していたという訳。
相談を受けた同課では、危険物を搭載していないことなどを確認した上で、平和利用や港の振興につながるならと、この申し出を受けたそうだ。
もちろん、客船ターミナルであるため、停泊予定のないことが大前提。確認してみたところ、ちょうど28日(金)から29日(土)の午前中にかけては、空いていることがわかった。
大さん橋に停泊中の「ぱしふぃっく びいなす」、このような状況ではNG
井本商運では、まさに渡りに船とばかり、28日14時に「さがみ」を接岸。関係者に向けて、お披露目会や見学会などを開催した後、翌29日7時に離岸した。
その後、南本牧のコンテナターミナルで荷物を積んだ同船は、予定通り、北海道の苫小牧港に向けて出港した。
タラップをおろす「さがみ」の様子(画像提供・井本商運株式会社)
では、「さがみ」のほかに大さん橋の客船以外の利用方法として、どのような事例があるのだろう。
大さん橋の歴史も含めて、引き続き湯井さんに、説明していただいた。