さようなら、ツガルさん。6月8日に行われた「お別れ会」の様子をお届け
 ココがキニナル!
ココがキニナル!
世界最高齢と言われているラクダのツガルさんがお亡くなりになられた場合には、動物園側ではなにか特別な追悼式典などを行うでしょうか?(横浜の棒人間さんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
ツガルさんが過ごした展示場で、500人の来場者から花が手向けられ、参列者が口ぐちに「ありがとう」と話すお別れ会になった
ライター:田中 大輔
	6月8日(日)、野毛山動物園。お天気は雨。
	この雨は彼女を偲ぶ涙雨か、それとも彼女が天国でたらしたヨダレか。
	
	先日の記事や報道でも伝えられている通り、野毛山動物園で飼育されていた世界最高齢のフタコブラクダ、ツガルさんが5月23日(金)に亡くなった。
	人間でいえば120歳くらいという長い一生を終えた彼女を見送るため、ツガルさんが過ごした展示場で「ツガルさんお別れ会」が開かれた。
	
	
	
	500人の献花
	
	小雨がぱらつくあいにくの天気にも関わらず、開始予定の10時半前にはすでに多くのファン展示場前に。
	 
	
	
	写真右側にも、多くの人が列を作っていた
	 
	25年前後と言われるフタコブラクダの平均寿命を大きく上回る38歳(推定)でこの世を去ったツガルさん。
	その人気は絶大で、親子三代にわたるファンや遠方から訪ねて来る人も少なくなかった。
	園内の動物としても、メディア出演件数はダントツ。長寿のラクダとして市民のみならず、多くの人に愛された特別なラクダだった。
	
	お別れ会には、野毛山動物園の指定管理者である公益財団法人「横浜市緑の協会」の吉田哲夫理事長をはじめ、大熊洋二環境創造局長や園のある西区の大久保智子区長などのお歴々も参列し、ツガルさんが1頭のラクダを超越した存在であることを改めて感じさせた。
	
	そんなツガルさんの遺影は、6年に渡り担当飼育員としてツガルさんと触れ合ってきた前任の櫻堂(さくらどう)さんが選んだ一枚。
	 
	
	
	櫻堂さん曰く「ツガルさんの決め顔」という遺影
	 
	額を彩る造花の中には、ツガルさんの大好物だったリンゴとその花も。櫻堂さんたちが業者に掛け合い、用意してもらったものなんだそうだ。
	
	彼女の遺影を前に、まず関係者が献花したのに続き、来場者たちも順番に花を手向けていく。
	 
	
	
	吉田理事長を先頭に、ツガルさんに花が手向けられた
	 
	この日、お別れ会に参加し献花した来場者は全部で500人。涙をこぼしながらツガルさんの死を悼む人の姿も多くみられた。
	 
	
	
	献花を終え、遺影に手を合わせる女の子
	 
	お花のほかにも、ツガルさんの好きな果物を供える人の姿も目立ち、献花台はあっという間にいっぱいになってしまった。
	 
	
	
	 
	
	園が用意したカーネーションとお客さんが供えたプレゼント
	 
	また、お別れ会に参加できなかったファンのために展示場はしばらくの間、解放されるそうだ。6月いっぱいくらいは誰でもツガルさんの暮らした場所で彼女に花を手向けることができるという。
	
	
	
	ファンたちの声
	
	鶴見区からお別れ会に訪れた七谷さんは、「ニュースでツガルさんが亡くなったと知った」と目をうるませた。
	「ここしばらく会いに来られてなかったので、今日はなにがなんでも来ようと思った」そうだ。
	 
	
	
	三代に渡ってツガルさんのファンという七谷さんとお孫さん
	 
	お孫さんを含め、家族でツガルさんのファンだったそうで、「あったかい存在だった。頑張ってる姿に元気をもらいました」と話してくれた。
	
	野毛山動物園に来た当時からのファンという別の女性は、「野毛山に来る前の青森時代の話を新聞で読んだのがきっかけ」とツガルさんとの出会いを振り返った。
	「ツガルさんって呼んだら、寄って来て体を触らせてくれたの。それがなによりの思い出」と横浜に来たおよそ30年前を懐かしんだ。
	 
	
	
	この日訪れた500人に500通りの思い出があるのだろう
	 
	中にはツガルさんの死を知らず、たまたま来園したこの日に初めて訃報に触れたという人もいて、驚きの表情を浮かべながら花を供えていた。
	
	どの来園者も一様に「さみしい」と口にするが、最後には「ありがとう」とこちらも一様に話していたのが印象的だった。
	
	
	
	 






