かつて漁師町だった、古きよき姿を残す「浜マーケット」の盛衰とは?
ココがキニナル!
昔、浜マーケットあたりで漁師さんが朝河岸、夕河岸に、はぜじゃこという卵を持った小魚をまとめた天ぷらを売ってました。根岸、磯子付近の漁師町の盛衰とハゼじゃこが捕れるところがある?(ノンちゃんのパパさん)
はまれぽ調査結果!
埋め立てが決定した1957(昭和32)年ころまで朝河岸・夕河岸で漁師の奥さんが小魚の天ぷらなど販売していた。はぜじゃこの正体は分らなかった。
ライター:すがた もえ子
JR根岸駅と磯子駅のちょうど真ん中くらいの場所に、今回の目的地の「浜マーケット」がある。どちらの駅からも徒歩で15分程度だ。
キニナル投稿にあったはぜじゃこの天ぷら、どんなものだろうか。
ジャコの天ぷらみたいなものかなぁ、と想像してみると、とたんにお腹が減って来る。
こちらが浜マーケット入り口(16号線側)
現在の浜マーケット
浜マーケットは以前「1000ぶら」でもお世話になった商店街だ。
2007(平成19)年4月27日未明に起きた放火による火災で全35店舗のうち17店舗が被災した浜マーケットだが、現在は20店舗が営業し、グルメ大会で入賞する店舗もあり、毎月8、18、27、28日と土曜日には特売日として折り込みチラシも出し、にぎわいをみせている。
今回はその浜マーケットを中心として、根岸、磯子付近の漁師町の盛衰について歴史をお伺いしてみたいと思う。
今回お邪魔したのは1948(昭和23)年創業「うなぎ小島家」
こちらが浜マーケット理事長でもある店主の小島正喜(こじま・まさき)さんだ
お忙しいところ、ありがとうございます。
こちらの小島家さんは、横浜の商店街で販売され親しまれている丼ものを投票によって順位を決定する「ガチ丼」で銅賞を受賞。若鳥の唐揚げが「磯子の逸品」に選ばれるなど、躍進を見せている。
ガチ丼銅賞入賞の盾が飾ってあった
「若鳥の唐揚げ」が認定されている
浜マーケットには小島家さんのほかにも「横浜ガチコロ」で金賞を受賞したお肉屋さん「グルメショップ カネヒラ」さんの「三角コロッケ」など、美味しいものがそろっているのだ。
「グルメショップ カネヒラ」店頭
「前にも来てくれたよね」とはまれぽを覚えてくれていた!
昔の浜マーケットの様子とは?
さっそく小島さんが見せてくれたのが、1955(昭和30)年くらいだという浜マーケットの写真だ。
昔の浜マーケット(画像提供・浜マーケット)
浜マーケットは1945(昭和20)年ころから区の中心的な商店街として発展してきた場所だ。
現在磯子消防署のあるあたりには、昔は磯子区役所があり、磯子の中心としてかなりにぎわったそうだ。
1955(昭和30)年ごろ(画像提供・浜マーケット)
スーパーの無かった昭和40~50年くらいまでは迷子にスリにお巡りさんが毎日でてくるほど、人出が多かったという。
大変なにぎわいを見せる浜マーケット(1956〈昭和31〉年5月 画像提供・浜マーケット)
アーケード内は人・人・人(1956〈昭和31〉年5月 画像提供・浜マーケット)
「あのころのお母さんたちは買い物カゴにお財布を放り込んで、そのままおしゃべりに夢中になって、スリがそれ(財布)を狙って来るし、お巡りさんはスリを捕まえにくる。毎日大騒ぎだったよ」という小島さん。
あまりの混雑具合のため近隣にある磯子小学校と岡村中学校に「混雑するから通学ルートに(浜マーケットを)通らないでくれ」という申し入れをしたほどだという。
1966(昭和41)年10月の磯子小学校。木造校舎だ(画像提供・浜マーケット)
そうは言われても、商店街には駄菓子屋さんにオモチャ屋さんなど興味を引かれるお店が並んでいるので、結局のぞきに来てしまう子どもが多かったようだ。