立ち飲みスペースが藤棚商店街に多い理由とは?
ココがキニナル!
藤棚商店街付近の酒屋さんには立飲みスペースを設置しているところが沢山有りますが、なぜ藤棚商店街に多いのでしょうか?それとも他にも同様なところは沢山ありますか?(秋沙さんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
重工業が盛んだった頃、造船所勤務の利用客が多く、どの酒屋も集客の為に設置したから。他には南区中村町が有名だが、今は数が減ってきている。
ライター:川邉 絢一郎
立ち飲みというと、立ち飲み居酒屋をイメージする方も多いのではないだろうか。
今回のキニナル投稿にあった「立ち飲みスペース」とは酒屋の一部を区切り、簡易なテーブルやイスを設けて飲食する場所のことを指す。
安く飲める印象のある立ち飲み屋だが・・・
「立ち飲みスペース」には二つのタイプがあり、客に飲食できる場所を提供するだけのタイプのものと、客がカウンターで商品を注文して料金を支払い、その場で飲食できるタイプのものがある。
利用可能な時間はまちまちで、店舗の開店と同時に開放している店もあれば、夕方の数時間のみ開けている店もあるという。
藤棚地区の立ち飲みスペースとは
藤棚商店街とは、相鉄線西横浜駅付近の藤棚浦舟通りに沿って店を連ねる商店街だ。まず実地調査すべく現地を歩いてみると、商店街の中ほどに一件の酒店を見つけた。
杉山酒店外観。一見普通の酒屋のようだが・・・
見た感じではどこにでもある酒屋のようだが、「立ち飲みスペース」なんてあるのだろうか。
店内に入って話を聞いてみることにした。
杉山酒店のご主人夫妻
お話を聞かせていただいたのは、杉山酒店を営むご夫妻。
単刀直入に「立ち飲みスペース」があるか聞いてみると、店舗内にあるとのことなので、さっそく拝見させていただくことに。店の入口横に観音開きの扉が用意され、スペース内には腰上の高さほどの簡易なテーブルが壁に沿って取りつけられていた。
杉山酒店「立ち飲みスペース」内部
店舗と分けている理由を訊ねたところ、「立ち飲みスペース」を利用しないお客さんへの配慮なのだそう。
スペース奥は店のレジにつながり、そこから商品を購入できるようになっている。
「立ち飲みスペース」を設けるようになった経緯を伺ってみると、重工業が盛んだった時代、横浜船渠(せんきょ)で働く労働者が仕事帰りに一杯ひっかけていくことが多かったので、集客のために「立ち飲みスペース」を設置したようだ。
なお、横浜船渠とはかつてはみなとみらいにあった造船所で、1983(昭和58)年に本牧地区へ移転している。
ご主人いわく、「昔はレジが焼きつくんじゃないかと思うほど、忙しかった」とのことだが、現在の客数は一日20人くらいに減ってしまったそうだ。