日本大通り駅直結、懐かしのアノ番組がタダで見られる「放送ライブラリー」ってどんなところ?
ココがキニナル!
日本大通り駅に直結した場所にある「放送ライブラリー」がキニナル。視聴ブースでは、NHK、民放問わず、ドラマやバラエティ、アニメなど様々な懐かしい番組が無料で見られるそう。是非取材を!(輪太郎さん)
はまれぽ調査結果!
DVDレンタルよりお得な一面もあり、来てみたらさらに楽しいこともある。入場無料、視聴無料、体験無料なお得な施設。
ライター:紀あさ
思い出の番組をもう一度
「放送ライブラリー」のホームページを見ると「思い出の番組をもう一度」の文字の下に、「放送法の指定を受けたわが国唯一の放送番組専門のアーカイブ施設で、時代を伝えるNHK、民放局のテレビ・ラジオ番組、CMを一般に無料で公開しています」とある。
テレビやラジオの番組が視聴できて、しかも無料
なぜ無料で視聴できるだろう。どんな番組でも見られるのだろうか? 疑問を解決すべく、いざ、現地へ。
みなとみらい線「日本大通り駅」直結
日本大通り駅3番出口から直結の「横浜情報文化センター」の建物に入る。
エレベーターで8階に上り
「放送ライブラリー」に到着
全国の放送局の名前がずらり
受付で取材の旨を伝え、まずは同施設について話を伺うことに。取材に対応してくださったのは、公益財団法人放送番組センター業務課の齋藤さん。
同施設は1991(平成3)年に横浜市が誘致した。当初はパシフィコ横浜の隣にあったのだそう。2000(平成12)年、1929(昭和4)年竣工の旧横浜商工奨励館を保全・活用した「横浜情報文化センター」の完成を機に現在の場所に移転した。
設立のきっかけは1980年代、放送事業関係者のなかから「過去の放送番組のアーカイブがないのがもったいない」という声があった。
そこで「放送された番組は文化資産である。きちんと残していこう」ということになり、財団法人放送番組センターでの番組収集・保存・公開事業が始まる。
思いをこめてつくった映像作品が埋もれるのはもったいない(フリー画像より)
なるほど、確かにいまはTSUTAYAに行けばいろいろな作品が見られるけれど、DVD化されているのはヒットしたドラマや番組に限られている。しかし、テレビなどで放送された貴重な映像が埋もれてしまうのはもったいない。
では、一体どんな番組があるのだろう。実際に見てみよう。
まずは視聴ブースの受付へ
料金は無料で、人数を告げるだけで利用できる。ブースは1人用・2人用・3人用と利用人数に合わせて選択できる。
座席番号の札を受け取る
番号の座席に向かう。2人席なども含めブースの数は60。100人が同時利用可能
利用者はおもに平日は定年退職された方や社会科見学に訪れる子どもたちが中心。週末はファミリー層など幅広い層の利用者が口コミやチラシを見て年間10万人も訪れるのだそう。
齋藤さん(写真奥)に使用方法を聞きながら見たい番組を選び始める
トータルの番組数は現在3万本を超えるほどだというライブラリー。テレビ・ラジオ番組、テレビCMやかつて映画館でニュースを題材に放映されていた短編映画「ニュース映画」まで幅広くアーカイブされている。
作品はすべてファイル(デジタル)化されているため、DVDを棚から探す、ということはなくモニターで見たい番組をタイトルや出演者を入力し、検索できる。
たとえば「懐かしい作品」ということでタイトル『北の国から』を探すと・・・
『北の国から』シリーズなど、7番組が公開されていた
全話見られるわけではないが、これだけのタイトルを無料で見られるのはすごい。
出演者からも検索可能。つぎに出演者の項目に「時の人」ということで「福山雅治」と入力すると・・・
「福山雅治」のデビューまもない1991(平成3)年のドラマも所蔵
また、ここには全国の局で放送された番組が保存されているので、ローカル局の番組も視聴可能。放送局の地域別で番組検索ができる。
稀少な番組があることや、検索機能の便利さから「エジプト旅行に行くのに下調べに」「80年代のファッションを知りたくて」などさまざまな目的で利用されるそうだ。
『北の国から』つながりで「北海道」を選んでみると
初めて見る番組がいっぱい
メモをとりつつも映像作品につい見入ってしまう
リクライニングこそついていないが、椅子の座り心地は快適
1回の利用は2時間までだが、選択した番組が2時間以上ある場合は続けて視聴が可能。見たい番組が2つ以上あり、続けて見たい場合でも、混雑時以外は再度受付で申し込めば継続して見ることができる。
公開されているのは、放送後、事務局が基準にそって選定したもの。すべての番組があるわけではないが、年に数百本も増えているという。
シリーズ全7話が見られる『金曜時代劇 蝉しぐれ』
では、選定された番組はどういった経緯でここに保存されるのだろうか。
放送ライブラリーの、放送番組収集基準はこちら
テレビ番組・ラジオ番組は高視聴率や反響のよかったもの、表現技法で新しいジャンルを開拓したもの。テレビCMについては国内外で賞を受賞した作品などが選定されている。
番組選定後、番組出演者などすべての関係者に番組公開についての許諾をとる。いわゆる「権利処理」だ。
残念ながら見逃した先週の番組などはここでは見られない
この放送ライブラリーの目的は「番組を文化遺産として残し、放送文化を促進すること」。なので、放送された全ての番組が見られるわけではない。
しかし、ドラマ・ドキュメンタリー・教育・教養・バラエティ・音楽・アニメなど多岐にわたるジャンルの作品があるので、一度来れば興味をそそるものが必ず見つかるはずだ。
ちなみに、運営に必要な経費は、NHKや民放社、そして横浜市が拠出した基金の運用利益などでまかなっているとのこと。
見たい番組が見られない場合、そのいくつかの理由
続いて、番組視聴だけではなく放送文化をよりよく理解してもらうための展示ブースがある、という。引き続き齋藤さんに案内してもらった。