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多摩川沿いの「さかなの家」が突然閉鎖された理由は?

ココがキニナル!

川崎市の多摩川沿いにある「さかなの家」が突然閉鎖されています。多摩川へ外来種不法放流を阻止する役目を担っていたのに。なぜ?(八景のカズさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

一時休止は水槽の安全対策が不十分と漁協が市に提言したため。現在は水槽周りに柵を設置することが決定。再開時期は多摩区役所HPにて発表予定。

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ライター:はまれぽ編集部

飼いきれなくなったペットの放流から外来魚が増え、「タマゾン川」とまで言われていた多摩川。そんな多摩川の生態系を守るため、「さかなの家」の一角に「おさかなポスト」を設置し、外来魚の一時受け入れを始めたが、2016年(平成28年)4月1日に一時休止となった。

 

 2013(平成25)年当時、外来魚やカメの受け入れを行う「おさかなポスト」
   

 「おさかなポスト」により多摩川は外来魚が減少していた

 
なぜ休止となったのか? 再開予定は? 休止中のおさかなポストはどうなっている
のか・・・? さまざまな疑問を解決するため、取材を行った。


 

突然の休止。一体なぜ?


 

 JR稲田堤駅から徒歩15分。緑の中にある多摩区役所道路公園センター


今回お話を伺ったのは、多摩川区役所道路公園管理センター管理課の菅原久雄(すがわら・ひさお)課長と芦舘敦(あしだて・あつし)庶務係長。

 

 菅原課長(右)と芦舘庶務係長

 
菅原課長によると、一時休止に至ったきっかけは、川崎市が「さかなの家」の管理を委託している川崎河川漁業協同組合(以下、漁協)からの提言だったとのこと。

「管理委託について、毎年3月に新年度の契約を行っていますが、3月半ばに『使用水槽の安全性に不安があるため、新たな安全対策をしてほしい』と漁協から話があり、3月31日までに対策内容の確認ができなかったため、一時休止としました」と菅原課長。

 

 水槽の壁が低いため、転落事故の可能性が?

 
3月半ばに漁協から急な指摘を受け、3月中には求められた安全対策についての具体案がまとまらなかった。対策がされていないまま今まで通り「さかなの家」を開放するわけにはいかず、4月1日から突然な一時休止へと至ったようだ。

菅原課長は「4月8日に川崎市と漁協との協議がまとまり、より高度な安全対策を行うために、水槽の周りを囲むように現在の水槽より高い柵を設置し、転落事故を防止する運びとなりました。この安全対策工事の時期は未定ですが、再開が決まり次第、ホームページでご案内いたします。また安全対策工事が完了後は今まで通り漁協から毎月管理報告を受けるとともに、道路公園センターでも公園パトロール内でチェックを行います」と続ける。

 

 「さかなの家」がある稲田公園

 

今回の一時休止は今ある設備や環境に大きな変化があるリニューアルではなく、あくまで“安全対策工事”のためであるとのこと。
工事期間や内容についても協議中とのことで再開時期や費用も未定ではあるが、住民から市への問い合わせもあり、待ち望んでいる方も多いことから、できるだけ早くの再開を目指しているそうだ。

また、「市民から水槽の安全性に対する疑問や不安などの問い合わせは今までなく、現場の管理についても漁協に委託しています。そのため、今まで水槽の安全性については問題ないと考えていました。突然の指摘に驚いています」とお二人から伺った。それでは、なぜ今回、漁協内で指摘が上がったのだろうか。


 

近隣にお住いの皆さんは


 
問い合わせまで行かずとも、近隣の皆さんは不安に思ったことがあったのでは? 実際に現場の声を拾ってみた。

ほぼ毎日稲田公園に集まって歓談しているという70代の男女グループは「毎日毎日ここ(稲田公園)にきて、たまにサカナを見ているけど、不安に思ったことはなかった」とのこと。
週に2回、散歩がてらサカナを見にいく60代のご夫婦も「不安は覚えたことがない」という。

 

 稲田公園近所にお住まいのWさん


「家では動物を飼えないから、近くにこういう施設があるのはありがたい。でも大人が付いていないと行っちゃ駄目と子どもには言い聞かせています。閉鎖しちゃうのかと思っていたけど、工事で今より安全になるなら安心ですね」と小学1年生になったばかりのお子さんを持つTさん。

保育園にお孫さんを迎えに行った帰りによく「さかなの家」に寄るWさんは「まだ孫が小さくて抱っこしているから大丈夫だけど、小学校に上がってヤンチャな年ごろになったら危ないかも・・・と思っていた」と話す。
小さな子どもを持つお母さんやご家族は、安全対策に少し不安を覚えていたようだ。