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多摩川沿いの「さかなの家」が突然閉鎖された理由は?

ココがキニナル!

川崎市の多摩川沿いにある「さかなの家」が突然閉鎖されています。多摩川へ外来種不法放流を阻止する役目を担っていたのに。なぜ?(八景のカズさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

一時休止は水槽の安全対策が不十分と漁協が市に提言したため。現在は水槽周りに柵を設置することが決定。再開時期は多摩区役所HPにて発表予定。

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ライター:はまれぽ編集部

指摘の理由は? 一時休止中の「さかなの家」って今どうなってるの?

 
次に、今回指摘に至った経緯や「さかなの家」の現在について、「おさかなポストの会」創設者の山崎充哲(やまさき・みつあき)さんに伺った。

 

 管理事務所へ向かう階段を息切れしながら上る
 

 管理事務所内の水槽にて、ガーパイクの仲間と山崎さん
 

現在「さかなの家」で使用している水槽は約82cm。公園施設の転落防止柵の基準である80cmはクリアしているが・・・。

「確かに基準をクリアしていますし、今まで30年間事故はありませんでしたが、さかなの家は2015(平成27)年実績で、年間約5万人訪れています。今後も大勢の方が利用する公共施設なら、水槽への転落事故の可能性はできる限り減らさなくてはいけない。また開錠後であれば自由に出入りできる公共施設のため、管理人が常駐しているわけでもありません。そういった点から、もっと高度な安全対策をしたほうが良いのではと言う指摘の声が昨年夏から漁協内部で上がり、3月に話がまとまったため、市へと提言しました」

 

 今回指摘のあった水槽
 

写真で見ると82cmは想像より低い。文部科学省が発表している「学校保健統計調査-平成26年度(確定値)の結果」によると、小学1年生の平均身長は男女共に100㎝を超えている。確かに、小さな子どもが水槽内を覗き込もうとすると転落の危険性がある。

そのような危険性を少しでも減らし、より多くの方に自由に安心して使用してもらえるよう考慮した結果、市と協議を行い、安全対策工事を行うために一時休止へと至ったのだ。

 

 水槽には立派な金魚が泳いでいる

 
「今回さかなの家の一時休止を受け、たくさんの連絡をいただいています。課外授業や修学旅行での見学依頼もお待ちいただいている状態です。ただ、さかなの家が一時休止していても、移動水族館や出前授業などは変わらず行っていますよ」

「さかなの家」の管理は川崎市から漁協へと委託されているが、「おさかなポスト」や「移動水族館」をはじめとする活動は、漁協が自主事業として行っているもの。そのため、今回の一時休止とは関係なく通常通りの活動を続けている。

 

 ポストへ持ち込む方へのメッセージ

 
しかし、「おさかなポスト」は「さかなの家」の一角に設置してある。
「さかなの家」は通常ならば午前10時から午後5時まで解放されているため、その間であれば誰でも自由に出入りでき、ポストへ預けることが可能だ。では、「さかなの家」が一時休止し、出入り不可となると、「おさかなポスト」も使用できなくなってしまう?

 

 管理事務所にもたくさんのサカナがいます

 
「今までのように誰にも会わずにポストへ入れる、ということはできませんが、管理事務所では電話連絡の後に引き取り・受け渡しが変わらず行えます。水槽のキャパも十分あるので、たくさん持ち込まれたとしても大丈夫です」と山崎さんは話す。


 

一時休止中の「さかなの家」へ


 
今回は特別に、一時休止中の「さかなの家」を見せていただいた。

 

 稲田公園駐車場のすぐ奥
 

 入口には一時お休みのポスター


 ポストをチェックする山崎さん

 
施設内のサカナにエサをやるため、毎日「さかなの家」に行く山崎さん。
施錠してあるにもかかわらず、フェンスを乗り越えてポストにサカナを入れていく人がいるそうだ。

  

 この日もポストの中にはサカナが

 
「こうやってフェンスを乗り越えて勝手に入れていく人もいますね。管理事務所に電話をくれる人が20人いたとしても、実際に来るのは5人ぐらい。一時休止から1週間ちょっとしか経たないのに、さかなの家の入口前に水槽ごと放置されていたこともありました。電話さえ面倒臭くて多摩川へ放流したり、公園内の排水溝へ流している可能性もあります」

 

 まさかこんなところに・・・

 
「一時休止中に多摩川へ外来魚の放流があるのではといった懸念もありますし、できるだけ早く再開したいと考えています。しかし、公園は公共施設、共有の財産なので、できるだけ多くの人が使えるものでなければなりません。安全対策工事は子どもたちがもっと自由に施設を使い、学べる環境にしていくために必要なことなので、一時休止を受け入れました」

安全対策工事を終えて再開する際は、各小学校に呼びかけ、見学対応を随時行うそう。
また、エサやり体験やアユの試食会も予定している。
山崎さんのメールマガジンで今後の予定も配信するとのことなので、気になる方はぜひチェックを。


 
取材を終えて


 
「最終的にはおさかなポストがいらない状態にしたい」と話す山崎さん。
捨てる人さえいなければ、おさかなポストはいらない。
しかし、動物の愛護及び管理に関する法律では、ほ乳類・は虫類は守られているが、飼育されている熱帯魚などは法で守られておらず、行政も対応していない。
そのような状態を改善していくためにも、子どもから大人まで、生き物に対する正しい知識とモラルが必要であると感じた取材だった。

 
―終わり ―
 

多摩区役所道路公園センター管理課

おさかなポストの会
稲田公園 川崎河川漁業協同組合魚の家
神奈川県川崎市多摩区菅稲田堤2-9-1
メールマガジンの登録はこちらのアドレスへ。
RiverRanger777@gmail.com

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  • 生き物を愛でる人より、見せびらかして財力を自慢する輩が多すぎる

  • レポートありがとうございます。久しぶりに聞いた「タマゾン川」。この「さかなの家」のおかげで鮎の遡上や鮭の稚魚が海へ帰り、再び帰ってくる光景が当たり前になってきた矢先に、何故こんなことに?!!と疑惑いっぱいでした。安全のための理由は分かるが、何かあったときの不安を煽り、半強制的に閉鎖へ追い込んだ行政のあり方に不満がある。外来魚の問題は漁協だけが対応する体制にも問題あると思う。特定外来種は捕獲したら元の場所に戻すことは禁止され、行き場の無い魚たちは殺処分される運命にあるなか、こういう「さかなの家」は唯一生き長らえる場所として大切にすべき場所だと思います。マスコミにも取り上げられ、市民の関心度は非常に高い。もっと行政が関与して公園の一角にでも小さい水族館を建て、綺麗になった多摩川の他に生態系や魚の命にもっと分かって貰えるようにしていかないと、また過ちの繰り返しになってしまう。

  • 犬や猫は引き取り手が無いと殺処分するのに、外来魚は保護する。この差は何なのだろうか?

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