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駅や役所入口で鳴っている誘導鈴は市内で何種類あるの?

ココがキニナル!

地下鉄や公共施設で「♪ピーンポーン」と耳にする誘導鈴ですが、横浜市内では何種類が用いられているのでしょうか(雲葉さん,かもめのみらいさん,Ichiさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

音の種類は法律で決められていないので、市でも何種類か把握していない。

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ライター:田中 大輔

普段はあまり気にとめないが、駅や役所の入り口で鳴っている「ピンポーン」という音。

読者のかもめのみらいさんやIchiさんからの疑問でもあるこの音の正体。雲葉さんのキニナルにもある通り「誘導鈴(ゆうどうれい
“盲導鈴”という呼び方もあるが、後述の「福祉のまちづくり条例」に沿って、本記事内では“誘導鈴”に統一する)」と呼ばれる設備。目の不自由な人に出口や階段の場所を知らせる役割を担っている。

では、横浜市内では、どんな誘導鈴が設置されているのか。
まずは、市の健康福祉局へ取材をするべく市庁舎に向かった。

今回の取材に対応してくれたのは、健康福祉局 健康福祉部の3人と、障害福祉部の1人
 


左から山本さん、和田さん、深川さん、田中さん


障害福祉部の和田さんはご自身が中途失明者ということもあって、市の職員としてだけでなく、当事者の立場からも貴重なお話を聞かせてくれた。



誘導鈴ってどんなもの?



横浜市では「福祉のまちづくり条例」という自主条例(法の委任を受けず、自治体が独自に定める条例)があり、その中で誘導鈴などの音声案内システムを付けることを定めている。

公共施設や一定規模以上の民間施設は“指定施設”と呼ばれ、建てる前に事前協議の場が設けられるので、そこで指導をしているそうだ。主に設置される場所としては、建物の出入り口や階段、エスカレーター、駅では改札口やトイレにも付けられている。

誘導鈴自体は、正確な記録はないものの、和田さんが市内の盲学校や神奈川ライトセンターなどの関係施設に問い合わせてくれた話を総合すると、昭和40年代くらいから採用されていたのではないかとのこと。
白杖や誘導ブロックもおおよそ同じころから導入されている。
 


市庁舎に付けられた誘導鈴。横浜スタジアム側の入り口にのみ設置されている


市庁舎の入り口でも鳴っていた「ピンポーン」という音が一般的な印象があるが、音にはどんなバリエーションがあるのだろうか。
例えば、みなとみらい線の各駅では、開業当時から階段とエスカレーターのそばでカモメの音を誘導音として使用している。

和田さんによれば「出入り口ではピンポーンが多く、駅の階段などでは“ピヨピヨ”という鳥の鳴き声を流して差別化している」そうだ。
これについて、深川さんは「“音声案内をする”という規定だけで、こういう音にしなさい、という内容はないんです」とのことで、健康福祉局でも種類については把握していないんだそうだ。



音のバリエーションは自由!?



音の種類については、実際に誘導鈴のシステムを製造しているメーカーにも問い合わせてみた。

JR関内駅や横浜中央図書館など、市内にも多くの納入実績がある池野通建株式会社の原田さんに聞くと、「法律での規定はないので、交通エコロジー・モビリティ財団の作ったガイドラインを参考にしています」と教えてくれた。

というわけで、続いて交通エコロジー・モビリティ財団の竹島さんにも話をうかがった。

そのガイドラインは、『バリアフリー整備ガイドライン(旅客施設編)』というもので、バリアフリー法という法律に基づく義務基準である、公共交通移動等円滑化基準の望ましい方向性を示しているんだそうだ。

国土交通省から受託して公共交通機関についてまとめたもので、誘導鈴を含む音声・音響案内について設置すべき場所などが解説されている。
 


ガイドラインはこちらのサイトから確認できる

http://www.ecomo.or.jp/barrierfree/guideline/guideline_top.html


ガイドラインでは、改札口などでは「ピンポーン」、ホーム上の階段の始まる所では鳥の鳴き声を標準例として示しているが、この2か所については「法律上の規定はないんです」とのこと。

だからこそ「なるべく統一されるようにガイドラインが作成されているわけです。より安全に安心に移動することができるように、調査研究も進められています」ということだった。

こちらの財団では、当初ウェブサイト上に“お手本”となるような標準的な音を掲載し、メーカー間で大きなズレが出ないように努めたそうだ。