駅や役所入口で鳴っている誘導鈴は市内で何種類あるの?
ココがキニナル!
地下鉄や公共施設で「♪ピーンポーン」と耳にする誘導鈴ですが、横浜市内では何種類が用いられているのでしょうか(雲葉さん,かもめのみらいさん,Ichiさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
音の種類は法律で決められていないので、市でも何種類か把握していない。
ライター:田中 大輔
音声案内設備の実情は
お手本があるとはいえ、ガイドラインには法的拘束力なく、明確な規定はない。となると、メーカーによって多少の差が出てしまっても不思議ではない。
例えば、音響式信号機は利用者の混乱を避けるため、所管の警察庁が2003年に指針を出し、統一する方向に向かっている。
音を頼りにしている視覚障がい者にとっては、小さな差が混乱を招くこともあるのではないだろうか。
信号機の下にはスピーカー。こちらは統一の方向に
しかし、障害福祉部の和田さんは言う。
「全国、あるいは横浜なら横浜で統一したほうがいいと思いますが」その反面、「矛盾した言い方ですが、基準は必要だけど、あまりとらわれ過ぎてもいけないんです」。
例えば、同じ関内駅でも横浜スタジアムで野球の試合がある日は普段より人が多く、環境がガラリと変わってしまう。
基準に縛られてしまうと、音量の上げ下げや近隣住民への配慮など、状況に応じての対応が難しくなる可能性もあるというわけだ。
関内駅の天井にも。ただ、野球の開催日は交通量が増えて聞こえづらい
新しい建物では設置されていることの多い誘導鈴だが、ただ単に音が出るものを増やせばいいというものでもない。和田さんによれば、誘導鈴を含む音声・音響案内は必ずしも完璧ではないという
音響式信号機が鳴っていて、その隣で地下鉄の入口の誘導鈴が鳴る。さらには、お店から聞こえてくる音なども混じって、都市部では「なにがなんだか分からない」こともあるそうだ。
「ないよりはいいんですが、あり過ぎても混乱してしまう」というのが率直な気持ちということだが、では、どうすればより良くなるのだろうか。
和田さんは「正直、全員が使いやすいというのは無理だと思う。ひとりでも多くの人がなんとか使えるレベルでもいいかな」と考えているそうだ。
取材を終えて
こういった設備であれば使うべき音が決まっていると思っていたので、法的に定められていないのは驚きだったし、普段は考えの及ばない話を知ることのできた取材だった。
市庁舎前の触知地図は点字と音声での案内。地図の場所を示す誘導鈴も鳴る
誘導鈴も含め、バリアフリーが叫ばれる昨今だが、駅の券売機やスマートフォンなどタッチパネル式のものが増え、視覚障がい者にとっては優しくない一面も生まれている。
街が発展すればするほど路上に看板などの障がい物が増え、困ることもあるそうだ。
和田さんによれば「街中で声をかけてくださる方もいて有り難いが、困っていないときに声をかけられるとかえって混乱してしまうこともある」とのこと。
そこで和田さんは現在、こんな事業に取り組んでいる。
端のカットを変えて、目の不自由な人にも旗の種類が分かる工夫が
視覚障がい者から意思表示をするための「黄色い旗」。これを目の不自由な人に配布しているんだそうだ。これがあれば、手を貸す側も分かりやすい。街でこの旗を持っている人を見かけたら、ぜひ声をかけてほしい。
今回の記事が、みなさんが街の中を見回して考えるきっかけになれば幸いである。
―終わり―
雲葉 @since1992さん
2012年02月23日 20時17分
レポートありがとうございます。確かに静かな場所なら響きますけど、賑やかだと誘導鈴があること自体に気づかないこともあります。なかなか難しいですね。