白楽にある自然食カフェはどんな店?
ココがキニナル!
白楽にMOSH+というお店があります。体に良いスコーンを出しているカフェのようですが、スコーン自体に馴染みがなく、でもエコや食の安全等からこうした店の情報は詳しく知りたいです(ゆきむらさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
被災地支援の一環で宮城県の福祉団体と協業して自然食スコーンを作ったり、アルゼンチンのオーガニック食品を売っている店だった。
ライター:ワカバヤシヒロアキ
MOSH+(モッシュプラス)とは?
改めて食の安全が問われるようになった昨今。
今回、体に良いスコーンを出しているお店が白楽にあるという投稿があった。
白楽から北に行けば「MOSH+」という店があった
通常、スコーンとは小麦粉や大麦粉にベーキングパウダーなどを加え、牛乳やバターと混ぜて焼き上げるスコットランドのお菓子。ビスケットとパンの中間のような食べ物である。ここでは、どんな料理になっているのだろうか、早速店に行ってみることに。
こじんまりとした店内
店内にあるのは小さなカウンターテーブルのみ。4人も座ればいっぱいになってしまうほどの広さだ。
一般的な喫茶店とは、少し形態の異なるこのお店。店の責任者から話を伺うことにした。
コクーンプロジェクト
話を伺ったのは、同店を経営する稲葉みちよさん。横浜生まれ、横浜育ちの稲葉さんはデザイナーとして活躍している方で、元町にショールーム「ブティックAURA」を構え、㈱NTTデータや、INFORIUM横浜ベイシュラトンホテルをはじめ、多数の制服デザインなどを手掛けている。
左:稲葉みちよさん、右:すがみやさん(ディレクター)
中:トイプードルのぼっち君(営業部長)
そんな稲葉さんは、『コクーンプロジェクト』という「衣・食・遊」を豊かにするプロジェクトを立ち上げて活動している。コクーンとはかつて横浜の主産業であったシルクの原料となる「繭」のこと。横浜の発展は養蚕業にあったにも拘らず、今では衰退している現状に疑問を持ったのがきっかけなのだそうだ。
稲葉さん自身がアレルギー体質ということもあり、化学繊維を使わない絹衣服のプロデュース等を行っている。それが当プロジェクトの「衣」にあたる部分だ。
そして、アレルギーと言えば食に関しても避けられないキーワード。ということで、スコーンを始め「食」を提供しているのが、今回お邪魔した「MOSH+」というわけだ。ちなみに、衣食を通じて異業種の交流パーティー等を主催しており、その部分が「遊」に該当するのだという。
おからを使ったスコーン
「MOSH+」がオープンしたのは約2年前で、店で販売しているスコーンは「うのはなスコーン」一種類のみ。うのはなとは「おから」のことで、実はこのスコーン、小麦粉や卵、牛乳は一切使わず、豆乳とおから、米粉から作られている健康食品なのだ。
うのはなスコーン(210円)
おからは豆腐を製造する過程で、大豆から豆乳を絞った後に残ったもの。食物繊維をたっぷり含みとても栄養価が高いが、品質が長持ちせず劣化が早いため、そのほとんどが廃棄されているのが実状。
捨てるのではく、なんとか美味しく再利用できないかと考え続けた結果、スコーンとして売り出すことに辿り着いたのだそうだ。
そんな、うのはなスコーンは味噌との相性も良い。店では「ゆずみそ」、「ふきのとうみそ」、「肉みそ」という3種類の味噌を販売しており、スコーン2つにマテ茶と味噌のトッピングがついて630円というセットも用意されている。
店内には味噌(各350円)も並んでいる
スコーンにジャムを付けるような感覚で味噌を付けると、味噌とおから、それぞれが持つ甘味が上手に絡み合って美味しかった。
スコーンは味噌と合う
さて、ここで登場した味噌だが、実は、これこそが「MOSH+」が現在行っているプロジェクトを示すキーワードになるのだ。
なんとスコーンは宮城で作っていた!
東日本大震災以前は、店のキッチンでスコーンを作っていた「MOSH+」だったが、震災をきっかけに宮城県の「はらから福祉会」という団体と手を組むことになった。
稲葉さんが同会を知ったのは、自身が立ち上げるファッションブランド「MICHIYO INABA」を通じて、お客さんから紹介してもらったのがきっかけ。「はらから福祉会」は、障害を持つ人が働ける環境を整えるために作られたもので、地場食品など一つ一つ手をかけて作る食の仕事を、中小規模の工場と連携して提供している。先述の3種類の味噌も、はらから福祉会が製造しているものだったのだ。
はらから福祉会ホームページ
その活動に深く感心した稲葉さんと、コクーンプロジェクトに賛同した「はらから福祉会」が協業することになり、MOSH+から「うのはなスコーン」のレシピを渡して、宮城県のはらから福祉会で作ってもらうことになったのだそうだ。
白楽の雰囲気に惹かれて
「白楽って昭和の雰囲気があって、面白い町でしょう。世代に関係無く人が絡み合っているようで。そんな町に店を出したかったんです」と語る稲葉さん。
店名には意味があって、マテ茶の「M」、オリーブオイルの「O」、ソルト&シュガーの「S」。ハニー(はちみつ)の「H」を合わせて「MOSH+」としている。最後の「+」は、その他すべてと繋がるという意味を込めた。
オーガニックのマテ茶(1050円)も並んでいた
開店当初からこだわっているオーガニック食品。オーガニックの宝庫だというアルゼンチンから仕入れたマテ茶や、オリーブオイル、はちみつ等も販売している。
様々な食品が売られているが、そこに一貫しているのは自然食品ということ。店に訪れるのは近所の女性が多いそうだが、男性だとお年寄りの方が好んでスコーンを買って帰るのだそうだ。
さいごに
始めに店の外観を見たときは、ちょっとしたコーヒーの飲める個人経営のカフェなのかと思っていた。したし、詳しく話を聞けば、様々な人の思いが積もって自然食が並んでいるのだということには少々驚きだ。
おからが産業廃棄物として捨てられていることも知らなかったのだが、こうした自然食を通じて、エコと震災復興に寄与している部分があるというのは素晴らしいことだと思う。
もし興味を持った方がいれば、気軽に訪れてみてもらいたい。
―終わり―
MOSH+
神奈川区白幡町2-18
045-633-8778
11:00-19:00(水曜定休)
http://www.mosh-plus.com/
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桑名 弥次兵衛さん
2013年05月24日 01時12分
東横線・白楽駅、東白楽駅は通っていた大学の最寄り駅でした。当時、自分は大学の近くに独り暮らしをしていたので通学で白楽駅を利用する事は無かったのですが、友達が利用していました。白楽駅は渋谷、横浜方面に出る時に利用はしましたが、まさか駅の北側にこんなお店があるなんて卒業してから初めて知りました。ここ何年かは健康志向になっていますから、今大学に通っている学生で独り暮らしの人は健康の為にもぜひ利用してもらいたいですね。