近隣都市の火災に横浜市消防局は協力するの？

5月13日（火）午後4時45分ごろ、町田市成瀬にある金属加工会社「シバタテクラム」（本社：横浜市都筑区、資本金1000万円、従業員45人）の工場から出火、2人が意識不明の重体、6人が重軽傷を負うという痛ましい事故が起こった。

出火原因はいまだ不明だが、報道などによると、工作機械の電源を入れた際に発生した火花が工場のマグネシウムに引火した可能性もあると考えられている。
　

シバタテクラムHPより

東京消防庁などによると、火は40時間近く燃え続け、15日（木）午前6時30分に鎮火した。
　

消火活動の様子（5月13日午後8時54分）

近隣の方の話によると、火災発生から1週間以上経った21日（水）も辺りには焦げ臭さが残り、警察や消防が実況見分のため頻繁に出入りしているという。

隣接する都市でこれだけ大規模な火災が起きた場合、投稿にあった通り横浜市の消防は出動するのか。それとも、まったくの無関係なのか。救急車の場合は市外搬送するケースがあることはお伝えしたが、消防車の場合はどうだろう。

横浜市消防局にお話を伺った。
　

前回同様、横浜市消防局へ
　

消防局総務部企画課情報担当の山﨑大輔さんらによると、横浜市の近隣で今回のような災害が発生した場合、「横浜市消防局の消防車が市外出動することはあります」とのこと。

というのも、横浜市は1976（昭和51）年に東京消防庁と「消防相互応援協定」を結んでいる。
今回のケースでは、この協定に基づいて東京消防庁から協力要請があり、横浜市消防局青葉消防署の「奈良消防隊」1隊が東京消防庁の指揮下に入って消火活動を行った。
　

「奈良消防隊」がある奈良消防出張所（横浜市消防局HPより）

この協定では、横浜市は町田市と隣接する部分について、町名単位で応援区域を定めている。協定は横浜市消防局は今回の町田市成瀬、同市鶴間など47町名の区域で災害が発生し、協力要請があった場合、近隣の部隊が出動することを定めている。

逆に、東京消防庁からは、横浜市青葉区あかね台など8区域、緑区長津田町など8区域を合せて計16区域で災害があった場合に応援出動する仕組みになっている。
　

消防相互応援協定の出動区域〈クリックして拡大〉

横浜市はこれ以外にも県下18市7町1組合と消防相互応援協定を結んでいる。

また、東京都、川崎市、千葉市、市川市とともに「東京湾消防相互応援協定」、「消防相互援助協約」（在日米海軍司令部日本地域統合消防隊・在日米陸軍キャンプ座間消防本部）などを結び、近隣都市で災害があった場合には市外で活動できる体制を整えている。
　

横浜市が結んでいる消防に関する協定（横浜市消防局HPより）
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