横浜市外で大規模火災があった場合、横浜市の消防は協力するの?
ココがキニナル!
先日町田にて大きな火事がありましたが、すぐ隣が横浜。そんな場合、基本的には横浜の消防は出動しないの?地域行政も大切ですが、地域間協力も大切だと思います(hiro1500cさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
今回は横浜市が町田市と消防相互応援協定を結んでおり、協定に基づき出動した。横浜市は、そのほか多数協定を結んでおり、地域間協力を行っている
ライター:はまれぽ編集部
応援出動時に横浜市内の消防力は落ちないの?
ここまでの話で、横浜市の消防車が市外もしくは県外に出動する可能性は分かった。だが、実際に県外に出動した場合、横浜市内の防災についてはどうなるのだろうか。
横浜市では、2012(平成24)年度に作成した「横浜市消防力の整備指針」に基づいて市内各所に消防署や消防車両を配備している。
この指針は国が示す「消防力の整備指針」に基づいており、横浜市は消防署や職員の数、消防車両について、国が定めた人口1人当たりに対する必要な消防力(=人口カバー率)は100%(非常用消防自動車のみ75%)となっており、113台ある消防車で市内の災害には対応できる状態となっている。
このため、2013(平成25)年中は市内全域で発生した約6300件の建物火災について、ほぼ100%の確率で発生から7分以内に、第1隊が現場に到着して消火活動を始めている。
第1隊到着率(横浜市消防局HPより)
だが実際、横浜市消防局の消防車が応援に出ていた場合は市内の消防力は低下しないのだろうか。
今回のケースを例にすると、出動したのは「奈良消防隊」1隊のみで、東京消防庁の体制が整った後は横浜に戻ったという。
横浜市消防局をはじめとする消防組織は、国の定める指針に基づいて活動しており、横浜市内から応援出動中に火災が発生した場合には、ほかの近隣都市から横浜市に対する応援出動があるので、結果として横浜市内の消防力が低下することはない。
応援出動中も市内の防災に支障はない
各応援協定は「火災発生後は初期消火の体制をいかに早く整えるかが重要」という観点に基づいている。
町田市に横浜市消防局の消防車が出動したのも「大規模火災で東京消防庁の消防車が不足した」ということでは決してなく、「いかに早く現場に多くの消防車を集められるか」という考えによるもので、行政区分ではなく、その地域に住む人の生命や財産を守るという考えによるものということだった。
取材を終えて
まずは、被害に遭われた方にお見舞いを申し上げたい。一部報道によると、「シバタテクラム」は町田市の認可を受けずに工場を操業し、過去にも火災を起こしていたという。
この点も踏まえ、徹底した再発防止対策と、今回の火災についての一刻も早い原因究明が重要だろう。
横浜市の消防車のカバー率が100%とはいえ、いつ何時、今回のような火災や東日本大震災のような大規模災害が起きるかは分からない。行政には自治体という小さな枠組みにとらわれることなく、われわれ市民、ひいては国民全体の生命や財産を守るため、より一層の連携を図ってもらいたいと願う。
―終わり―
Q-cahnさん
2014年05月22日 23時03分
複雑な市町村境界を持つ横浜市ですが、結構不合理な応援態勢だと知りました。県域消防でも、国は広域化を求めていますが、殆どがいまだ市町村単位。もっと合理的な出動態勢が作れないものかと思います。また臨海地区の工業地域の消防配備体制が手薄なのは意外。
はまっこさん
2014年05月22日 21時01分
1ページ目の「横浜市が結んでいる消防に関する協定(横浜市消防局HPより)」クイックしても画像出てきませんよ~
若江屋さん
2014年05月22日 16時33分
ニュース画像にも、横浜消防の隊員さんが写っているものもありましたよ。