造園工事をめぐって入札情報を漏らした疑いで現役川崎市職員を逮捕! 市民も衝撃!
ココがキニナル!
現役の川崎市職員が入札情報を漏らした疑いで逮捕。その詳細は?(はまれぽ編集部のキニナル)
はまれぽ調査結果!
官製談合防止法違反などの疑いで38歳男性職員を逮捕。認否は明らかでなく、市は情報収集に努めている。市民は驚きの声
ライター:はまれぽ編集部
現役市職員を逮捕
一般競争入札の事前情報を漏らしたとして、川崎市の現役職員が逮捕された。市によると、現役職員の入札情報漏えいによる逮捕は「30年以上記憶にも記録にもない」といい、驚きの表情を隠せない。
また、市民も驚きと憤りの声を上げている。
現役職員が逮捕された川崎市
川崎市によると、逮捕されたのは川崎市建設緑政局総務部技術監理課の田代竜三(たしろ・りゅうぞう)容疑者(38歳)。
同局総務部庶務課の板橋茂夫(いたばし・しげお)課長によると、田代容疑者は同市緑政部公園緑地課に勤務していた2013(平成25)年7月ごろ、川崎市内の造園工事をめぐって業者に入札情報を流した疑い。
神奈川県警捜査2課と宮前警察署が「入札談合等関与行為の排除及び防止並びに職員による入札等の公正を害すべき行為の処罰に関する法律(=官製談合防止法)」違反と公契約関係競売入札妨害の疑いで2015(平成27)年2月8日(日)に逮捕した。また、同市宮前区の造園業者「川崎工苑建設」の取締役の男も逮捕した。同社は「詳細は答えられない」と話している。
2人を逮捕した神奈川県警
板橋課長によると、田代容疑者は2004(平成16)年に造園職として川崎市に入庁。2008(平成20)年度まで北部公園事務所、2010(平成22)年度まで中部公園事務所で勤務。同年4月から2014(平成26)年度末まで公園緑地課、その後、現在の技術監理課で勤務していた。
公園緑地課に異動後の田代容疑者の主な業務は、川崎市内にある大規模公園の工事について設計・積算、発注など。また、ほかの職員が作成した設計書や積算についてもチェックする立場にあり、工事予定価格を事前に知ることができる可能性があったという。
田代容疑者が逮捕直前まで勤務していた川崎市建設緑政局
逮捕容疑となった入札情報の漏えいについて、田代容疑者が公園緑地課に勤務していた2013(平成25)年度中に同課が発注した工事は11件で、このうち川崎工苑建設が関係している工事は同年8月26日から2014(平成26)年3月14日まで行われた「生田緑地西口園路整備工事」。
生田緑地に絡む工事で情報漏えいか?
同工事の最低制限価格(=落札額の下限)が1億2313万2515円だったのに対し、同額で落札された。
設計書や積算が記載された文書をフロアから持ち出すことは禁止され、外部の来客も課への立ち入りも制限している。しかし、設計書そのものはパソコンで作成しているため、データをメール送信などしている場合には持ち出しを止めることはできないという。
板橋課長によると「(田代容疑者は)公園を造ることに対して熱い男。なぜこのようなことをしたのか」と頭を抱える。生活についても「派手な暮らしぶりではなかった。ギャンブルにハマっているといった話も聞いていない」と話したうえで「早く本人なり、代理人と接見して話を聞きたい」とした。
9日午後2時時点で、田代容疑者から辞表などは届いていない。
市一丸での再発防止を誓った
事件を受け、川崎市の福田紀彦(ふくだ・のりひこ)市長は「事実関係を確認次第、厳正に対処するとともに、二度とこうした不祥事がないよう、再発防止に取り組む。深くお詫び申し上げる」とのコメントを発表した。
現役職員の逮捕に川崎市民も驚きを隠せない。JR川崎駅周辺で仕事の移動中だった40代男性は「本当にこれだけなのか。徹底的に調査してほしい」と憤りを隠さない。また近所を散歩していた70代女性は「知らなかった。本当だとすれば川崎市民として恥ずかしい」と肩を落とした。
取材を終えて
なんらかの利益供与があったのか、どういった動機でこのような事件に至ったのか。認否が明らかになっておらず、市も本人や代理人と接見できない以上、現段階では詳細をうかがい知ることはできない。
今後、動きがあれば追って報告していく。
―終わり―
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