神奈川県立歴史博物館がリニューアル! 若手学芸員が活躍した特別展の魅力とは?
ココがキニナル!
改修工事を行っていた神奈川県立歴史博物館が、本日4月28日からリニューアルオープン。内覧会や特別展の様子は?(はまれぽ編集部のキニナル)
はまれぽ調査結果!
新たな収蔵品の寄贈を受けた神奈川県博。特別展は若手学芸員が中心となり新鮮な解説を行うコレクション展になっている
ライター:はまれぽ編集部
2016(平成28)年から、空調設備などの改修を行うために休館していた中区馬車道の神奈川県立歴史博物館。
「エースの塔」として、神奈川・横浜のランドマークにもなっている
前身の「神奈川県立博物館」時代から数えて51年の歴史を持つこの施設が、ついに本日2018(平成30)年4月28日より、改修を終えてリニューアルオープン!
合わせて、51周年記念の『つなぐ、神奈川県博』として同館の集大成とも言える展示を行うという。
はまれぽでは開館前日に行われた内覧会の様子から、新しくなった博物館と特別展の魅力をお伝えする。
歴史を守り、伝えるための施設がリニューアル
県立歴史博物館の役割は、小学生から高齢者まで、すべての人に対して歴史に関する教育の場を提供すること。それに加えて、二つとない貴重な資料を収集・保管・研究・展示するという重要な使命を持っている。
そのためには、室温や湿度を管理して資料の劣化を防ぐ空調設備は生命線。今回の改修では空調を最新のものに更新することで、室温22度、湿度55±5パーセントに維持することが可能になったという。
「人生百年時代」の博物館の役割を話す黒岩祐治(くろいわ・ゆうじ)県知事
また、リニューアルに際して、「富士ゼロックス神奈川」が、高い技術力を生かして同館の所蔵する貴重な資料の複製を作成し、寄贈した。
黒岩知事が見入る「神奈川県鳥瞰図」は90年前の資料の精巧な複製
この「神奈川県鳥瞰図(ちょうかんず)」は、神奈川県観光連合会が発行した観光宣伝用パンフレットに掲載された図の原画。現物も同館に保管・展示されているが、劣化の恐れがあることから長期間の展示や、近くで眺めることなどは難しい。
横浜や鎌倉の詳細な街並みや、首都圏とのつながりが描かれている
横浜港から海外へ向けての航路が神奈川らしい
富士ゼロックスは「神奈川県鳥瞰図」のほかにも、ペリー来航の様子を描いた「金河奇勝(かながわきしょう)」の複製も寄贈。劣化を気にする必要がなく、触ることもできるこれらの資料は、今後は県内の小中学校での学習や、博物館の講座などで活用される予定だという。
若手学芸員が作る特別展!
リニューアルを記念して行われる特別展は、「つなぐ」「つながる」をテーマに、県立歴史博物館の収蔵品を紹介している。これまで同館がつないできたもの、そして未来につないでいく資料を若手学芸員5人が中心となって選出したという。
通常の展示とはちょっと視点が違う収蔵品や、なかなか注目されにくい資料にも光が当たっている。
さまざまな「つながり」が見えてくる
例えば、特別展の入り口でいきなり現れるのが、この「蟹」。
すごく繊細な造形。見た目のインパクトに目を奪われるが・・・
持ち上げた時の重みや手触り、扱うことへの責任感などがつづられている
実際に作品を扱う学芸員ならではの等身大の解説が新鮮だ。作品を預かり、研究によってその価値をつないでいく職員としての視点を知ることができるのが、今回の展覧会の特徴であり魅力のようだ。
こちらは縄文時代の「顔面把手(がんめんとって)」
収蔵品への愛を感じる一言が添えられている
もちろん、作品ごとの解説にとどまらず、歴史博物館としての意義や役割についても考えることができる特別展になっている。
仏像は分かるけれど・・・
なぜスキー板が!?
神奈川県の歴史をテーマに今も収蔵品を受け入れているからこそ、果たすことができる役割があるということだろう。
次の世代への「つながり」も大切な役目だ
先史時代から現在までを扱う歴史博物館だからこその資料の幅や、そのユニークさにも驚かされる。
かながわゆめ国体開催時の貴重なマスコット「かなべえ」
お気に入りの展示がきっと見つかるはず
今回写真で紹介している資料は、特別展の中では本当にほんの一部。神奈川県立歴史博物館は再開を記念して、本日4月28日から4月30日まで入館が無料。
もちろん特別展だけでなく、常設展も自由に見ることができるため、この機会にぜひ貴重な展示品の数々を直接目にしてもらいたい。
リニューアルの魅力を体験するなら今!
ー終わりー
「つなぐ、神奈川県博」
会場/神奈川県立歴史博物館
会期/2018年4月28日~7月1日
休館日/月曜日(4月30日は開館)
観覧料/一般600円、20歳未満・学生400円
65歳以上200円・高校生100円
(団体料金あり、4月28日~30日は無料)
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