反町駅近くに生えている立派なビワの木。これって街路樹? 誰のもの?
ココがキニナル!
反町駅の近くにある街路樹がビワの木です。このビワの木は誰が育てているのでしょうか? 街路樹なので横浜市の管理なのでしょうか? ビワの実を採って平気?(welchipsさん、オレンジ犬バケツさん)
はまれぽ調査結果!
鳥が運んできたと思われる種から自然に生えたビワの木。地域の方からも愛されているので、枝を折ったりせず大切に扱ってほしい
ライター:はまれぽ編集部
ビワといえば、柔らかなオレンジ色の果肉が美味しい果物。旬になれば、スーパーなどで見かける機会も増える。その木は大きな民家や学校などで昔はよく見掛けたものである。
一方で、ビワをはじめとした果実のなる広葉樹は、昔から「庭に植えてはいけない」と言われてきた。葉が生い茂り日当たりを悪くすることや、実の処理が大変なことなどから、なかなか管理が大変な木でもあったという。
そんなビワの木が街路樹として生えているという。場所は東横線反町駅だというのでさっそく向かってみることにした。駅から歩くこと5分ほど、すぐにその木が見える。
あの葉は間違いなくビワ!
生えているのは個人の敷地ではなく、歩道上のスペース。市道に生えている以上、やはりこれは街路樹なのだろうか?
なかなかの枝ぶり。立派な実を付けそうだ
横浜市道路局によれば、市内には100種類以上の街路樹が植えられている。イチョウ1万5000本、ユリノキ9000本などが筆頭だが、ほとんどが実のならない樹木。イチョウも、最近は銀杏(ぎんなん)のつかない雄木が中心となっている。
季節によって花が咲いたり紅葉したりする木が人気のようだ(横浜市道路局HPより)
いずれにしろ、ビワの木の街路樹は聞いたことがない! このエリアの街路樹を管理する神奈川区土木事務所に、この木について伺うことにした。
これって街路樹なんですか?
土木事務所の担当者によれば、「確かにこの場所にはビワが生えているのは確認していますが、これは街路樹として植えられたものではありません」という。
確かに敷地としては街路樹用に設けられた市道上のスペースだが、中には「勝手に生えてくる木」もある。今回のビワのように大きく育ったものについては、道路上にはみ出すなどの問題があれば対処するが、とりあえずはそっとしておくという方針のようだ。
こちらは普通の街路樹。下草はやはり自然に生えたもの
このビワの木についても、土木事務所として管理を行っているわけではなく、「地域の方が世話をしているのかもしれません」とのこと。
となると、やはり誰がお世話をしているのかキニナル。いくつかの近隣のお店にお話を伺うと、ある店主が「この木は私たちが世話しています。鳥か何かが種を運んできたのか、自然に生えてきたんです。だからあんなに(街路樹スペースの)端っこに生えているんですよ」と話してくれた。
やはり、近隣のお店などで世話をしているそうだ。
スペースの端っこから生えていてなんだかたくましい
例年、ビワの木が実をつけるのは6月のはじめくらいだそうだが、今年は天候不順の影響もあってか「一週間ほど早く、実も小粒だった」。実を食べた方によれば、「結構甘いですよ。近所の方も楽しみにしているようです」と、地域からも愛されているビワらしい。
そんな実の行方については、「欲しければ持って行ってもらって構わないと思っているんですが、夜中にやってきて枝を折り、辺りに散らかして帰っていくような人もいる。結局掃除するのは我々なので、それは困ります」という。やはり、近隣の方に一声かけるのがマナーといえそうだ。
こんな実がなるわけです(写真はフリー画像)
木の所有者は誰になる?
さて、「自然に生えてきた」木の所有権は、いったい誰にあるのだろう。
ちなみに、横浜市では「基本的なルール」として公共の場所に生えたタケノコなどの持ち帰りは許可されていない。街路樹でいうと地面に落ちた銀杏やどんぐりに限り認められている場合はあるが、基本的には木の枝を折ったりすることは禁止されている行為だ。
落ちたどんぐり、銀杏は持ち帰りOK!(横浜市道路局HPより)
「果実がなる木」は街路樹として植えられていないため、ここでは回答されていないようだ。
土木事務所によれば、「街路樹のスペースに生えている以上、ほかの街路樹と同じルールが適用されます。なので、落ちたものに限り持ち帰ることができます」という。行政にお問い合わせがあれば、一般論として『枝からの持ち帰りはやめてください』と答えるしかないようだ。
行政が管理しているわけではなく、街路樹でもないビワの木。単純に考えれば、仮に実が放置されれば道路に落ちたり鳥が集まってきて、掃除が大変になりそうだな、とも思う。
目の前の道路を普段清掃しているのは、当然地域の方たち。野暮はよしておこう。
現在、問題が生じている様子はない
自然環境が生み出し、それを地域が育んだ結果、こんな光景が生まれたのだ。
取材を終えて
地域の皆さんで管理している以上、あまり深追いする必要はなさそう。
一方で言語道断なのは、やはり木を傷つける行為。枝を折るようなことは、だれが所有する木であろうと許されることではない。
地域の方から愛されているビワの木、これからも元気に育っていってほしい。
ー終わりー
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