横浜では「夕焼け小焼け」が流れない?
ココがキニナル!
うちの地元では夕方5時になったら夕焼け小焼けのチャイムが鳴るのですが、横浜市では聞いたことがありません。なぜ横浜市は鳴らないのでしょうか?また、今後の予定はありますか?(マンパワーさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
川崎や横須賀市等で流れる「夕焼け小焼け」は防災無線の試験放送。地形等の問題から横浜では未整備だったが、今後は沿岸部で整備される。
ライター:ワカバヤシヒロアキ
横浜市には「夕焼け小焼け」が流れない
夕方になると、どこからともなく聞こえてくるメロディ。「夕焼け小焼け」が町に流れると、それは夕暮れの合図である。…というのは、どうやら横浜では馴染みのないことのようだ。
大阪や長野など、これまで5回の引越し経験を持つ私。
思い返せば、夕方にチャイムやメロディが流れた町、全く聞くことのなかった町など、様々である。
「夕焼け小焼け」が鳴らない町、横浜
では、「夕焼け小焼け」の鳴る地域、鳴らない地域の差はいったい何なのだろうか。
早速調べてみることに。
「夕焼け小焼け」の正体とは?
まずは投稿を頼りに、インターネットで情報を探っていると、こんなページにたどり着いた。
横須賀市ホームページより
横須賀市ホームページに、「夕焼け小焼け」に関する情報が記載されていた。試験放送(ミュージックチャイム)というもので、横須賀市では4月1日から9月30日までの間、午後5時に「夕焼け小焼け」が流れるそうだ。
試験放送…? いったい、何の試験放送なのだ?
よくよく詳細を確認すれば、その放送は屋外スピーカーを利用した行政防災無線というものを使って流れているという事が分かった。行政防災無線とは、地震等の災害情報や気象警報などを市民へ伝達する放送。夕方耳にする「夕焼け小焼け」などは、その行政防災無線が正常に働いているかどうかの試験放送だったのだ。
自治体によって多少異なるが、総務部や危機管理室、消防署などが指令卓となり、定時に試験放送として決まったメロディやチャイムを発信している。
災害は、いつ起こるかわからないため、毎日防災無線の点検を兼ねているというわけだ。
横浜市の近隣市における行政防災無線の定時点検
横浜市の近隣市である、川崎市、横須賀市、大和市、藤沢市、鎌倉市などにおいて行政防災無線と、その定時試験放送が確認できた。
鎌倉市の行政防災無線スピーカー
これだけ周辺の市で行なわれていることが、横浜市には存在しない。
いったいどういうことなのだろうか
。そこで横浜市消防局危機管理室危機管理課に話を伺ってみることに。
なぜ横浜市には行政防災無線が無い?!
消防局危機管理室危機管理課、高橋氏いわく「横浜市には現在、行政防災無線はありません」とのこと。確認すると、過去にあったわけでもないという。
消防局危機管理室は市庁舎にある
実際、行政防災無線には、地域や場所によって聞き取りづらいという大きな問題点がある。メロディやチャイムであれば問題なくとも、音声による放送となると場所によって聞き取りづらくなるのは避けられない部分でもある。
特に横浜市は、住宅や商業地の密集度が高い場所や、山に囲まれた場所、高低差が激しい場所などがある。非常時に放送が聞こえないようでは困るという懸念から、戸塚区の一部で試行的に実施しているほかは、横浜市では行政防災無線を設置してこなかったという。
ちなみに、横浜市では非常時の情報を発信する「防災情報eメールhttp://www.bousai-mail.jp/yokohama/)」というサービスを実施している。
津波対策へ
しかし、昨年の東日本大震災で状況は一変。津波によって多くの犠牲者を生んだ一方で、防災無線によって避難できたという事例が多く挙がってきた。海を抱える横浜市でも、いよいよ行政防災無線が本格的に設置されることとなった。
元禄型関東地震をシミュレーションして作成された「津波からの避難に関するガイドライン」。津波避難施設などを指定し、防災管理が整備され始めている。詳細については、以前紹介した「横浜の津波対策の現状は?」を参照してもらいたい。
それらの一環として、「津波警報伝達システム」と呼ばれる無線スピーカーの設置が始まっている。
臨港パークの無線スピーカー(現状、システムは作動しない)
平成24年度の予算により、横浜市内にて「山下公園」や「赤レンガ倉庫」をはじめ、沿岸部中心に100箇所もの設置が計画されている無線スピーカー。整備されれば、スピーカーの伝達範囲は半径約300m、リアルタイムな津波に関する非常警報が発令されることとなる。
さいごに
川崎や横須賀で夕方に流れているメロディが非常用の無線であったことや、横浜にはいままで一部の地域を除いて防災無線がなかった事実に驚いた。しかし、これが単なる雑学で終ってはならない。
横浜市内の防災無線について、試験放送の詳細や定時に鳴るメロディ等の運用については未定であるため、スピーカーから「夕焼け小焼け」が流れるかどうはまだわからないが、災害時の避難場所を把握したり、防災無線のスピーカーがどこにあるのか確認するなど、常に自己防災意識を持つことで、自分たちの安全を管理しなければならないと思った取材だった。
―終わり―
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y.c.さん
2024年11月03日 22時37分
瀬谷区では30〜40年前には夏は午後6時、冬は午後5時にドヴォルザークの「家路」が流れていました。夜9時には「ねんねんころりよ」が、朝7時頃にも何かの曲が流れていました。確か区役所からだったのではないかと思います。
お茶太郎さん
2019年07月11日 02時20分
30~40年前の青葉区(当時は緑区)では、スコットランドの釣鐘草が流れていました。行政でないということは、どっかの企業だったんですかね。
papa88さん
2018年05月27日 18時28分
千葉県では防災放送(屋外拡声器)の濫用が問題になっています。夕方の放送のほかに、お昼のチャイム、早朝のチャイムの流れる所も。学童の見守り放送や振り込め詐欺注意も多くの市町村で流れる。あろうことかPTAの連絡や、自治体の行事の案内が流れることも。村長等の私信に使われるという事態にもなっている。酷い地方では夜の火の用心放送や夜中の消防団員招集もしている。朝昼のチャイムが、農家から議員への依頼により流されていることも公然のこと。千葉県の多くの市町村では、毎日3~5回の定時放送が流れている。文化程度が低いといわざるをえない。横浜市の住民が、騒音による迷惑、苦痛を味わわないよう、どうか屋外放送は、適正な運用、最小限の使用を心がけてもらいたい。