池下橋と久良岐橋は2つで1つのデザインになっている?
ココがキニナル!
千歳橋交差点と中村橋交差点の間にある池下橋は、隣にかかっている久良岐橋とデザインが2つで1つの橋の様になっているのですが、なぜこのようなデザインになったのか気になります(poipoiさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
池下橋と久良岐橋は、意図的に2つで1つに見えるデザインにしているわけではないが、親柱や照明のデザインのほか、勾配が同じなどの共通点があった。
ライター:橘 アリー
橋がコの字型になっている?
橋の隅の細い通路は、フェンスで囲まれている。
この通路は何なのだろうか?
久良岐橋側から、通路を通ってみることに。すると、池下橋の隅に出た。
久良岐橋から見た通路の様子
通路はフェンスで囲まれている
池下橋側の通路の様子
通路で2つの橋がつながっていると考えると、池下橋と久良岐橋はコの字型の1つの橋のように見えてくる。
池下橋の上から見た、コの字型に見える2つの橋の様子
赤い部分で1つのデザインになっている?(Googleマップより)
では、池下橋と久良岐橋は、2つで1つの橋の様になるよう、意図的にデザインされているのだろうか?
そこで、横浜市の橋の担当部署である、道路局建設部橋梁課に聞いてみることに。
2つの橋の意外な共通点
以前にも取材でお世話になった、道路局建設部橋梁課の松本誠さんにお話を伺った。
単刀直入に、池下橋と久良岐橋は、2つで1つの橋の様になるようにデザインされているのか伺うと、「いいえ、池下橋と久良岐橋は、それぞれ違う時期に工事が行われていますし、特に、デザイン上で2つの橋を1つの橋に見えるようにしたということはありません」とのこと。
以前にもお話を伺った松本さん
池下橋と久良岐橋の工事に関する資料を見せていただいた。
それによると、久良岐橋の竣工が1988(昭和63)年で、池下橋の竣工は1991(平成3)年。首都高速道路の建設に当たって中村川の河川改良をする必要が生じ、そのために、共に架け替えを行ったようである。
デザイン的にも、2つの橋を1つの橋に見えるようにしたという記載は見当たらず、立派な親柱や緑色の手すりなどのデザインは「偶然の類似」と言わざるを得ないようだ。
ただ、2つの橋の形状にはある共通点が。
それは2つの橋の勾配。資料によると、縦断勾配はともに5.0%で同じ。横断勾配も、ともに車道部が1.5%、歩道部が2.0%である。また、いずれも「単純鋼床版鈑桁橋(ばんげたきょう)」と呼ばれる構造で、床と桁(けた)が主に鉄板でできている単体の橋、という点も共通していた。
次に、橋と橋の間にある細い通路がなぜあるのか聞いてみた。
すると、同じ道路局の中の担当部所に確認してくださった。
それによると、通路は、地域住民の方々から「あの場所を通れるようにして欲しい」という要望があって作られたそうである。
通路があることによって、池下橋側と久良岐橋側との往来が便利になっているのだ。もし通路が無ければ、千歳橋交差点のほうまで大きく道路を迂回することになる。
取材を終えて
今回の、「橋のデザインが2つで1つの橋になっている」というのは、石造りの親柱や緑色の手すり、照明器具などの全体的なデザインの偶然の類似のほか、橋そのものの勾配がまったく同じであること、住民の要望によって生まれた通路によって1つの橋のように見えること、などによるものと言えそうだ。
偶然の産物とは言え、2つの橋が1つの橋のように見えると言うのは面白いものだと思う。
ほかにもあるかも知れない、そんな偶然の産物を探してみるのも楽しいのではないだろうか。
掘割側方面から見た、池下橋と久良岐橋の様子
―終わり―
たけむらさん
2017年05月13日 20時36分
今の阪東橋ランプの敷地も昭和30年代までは新吉田川で、この地点で川が十字に交わっていたんですね。「細いフェンスの通路」に相当する部分も、当時は橋が架かっていたのかな
ushinさん
2013年02月06日 22時41分
すでに記事になっているか調べてないけれど、浦舟水道橋みたいな歴史を経た価値のある橋がある。そういうのをレポートしたほうが有意義だと思うんだけどね・・・
ushinさん
2013年02月06日 22時27分
勾配が同じ・・・こんなに近接していればまず違うほうがおかしいと思うんだが・・・ 川幅など架橋規模が同じであれば、架橋構造だって“面白半分で違えることなどありえない” なんていうか、技術とか行政とか何もわからないで「あれちょっと変じゃね?」とか気ままに放言している(つまり個人ブログレベル)っていうだけ?