保土ケ谷の駐車場の上でかなり偉そうにしている3人の銅像の正体は?
ココがキニナル!
横浜市保土ケ谷区峰岡町にある屋根つき駐車場の上に立っている偉そうな3人の銅像が気になります。いわれが知りたいです。(三ッ沢さんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
謎の像は3体だが3人ではなかった。中村繁蔵(しげぞう)という名の地主の像で、年代別に3パターン作られた全て「中村繁蔵」の像!
ライター:クドー・シュンサク
偉そうな銅像の正体
とても物腰のやわらかい男性は「この辺の地主さんの銅像ですね。元々この銅像がある駐車場の付近に住んでいた方で、私はその家を20年くらい前に買って住んでいるんです」とのこと。
そして男性は続けて、3つある銅像についてこう言った。
「銅像の方の名前は“中村さん”といってね、3つも作ったらしいんです」
え? 中村さんが・・・3つ? 全部・・・同じ人?
全部・・・中村さん?
まさかの展開だが、3体すべて中村繁蔵(しげぞう)さんの銅像だという。男性は「詳しいことは、この辺りに親族の方が住んでいるのでそこで話を聞かれるといいのでは」と教えてくれた。それにしても、「3つとも中村さん」の衝撃。
気を取り直して親族の方のお宅へ伺い、中村繁蔵さんにについて尋ねることに。
中村繁蔵さんの実弟が父だという中村新太郎さん
「中村繁蔵は戦後この土地一体が農家を始めるという時に、植木屋として成功し、土地を持っていたから、その土地を売って財を成したってわけだな」と男性は話してくれた。
なぜ銅像を建てたかという経緯については「よくわからないけど、記念じゃないかな。銅像になんか書いてあったと思うし、中まで案内するから見てごらんよ」との運びになった。
お言葉に甘え
おじゃますることに
すべて中村さんだという銅像3体。間近に見せてもらった。
すべて中村繁蔵さん
経緯はこちら
「中村繁蔵の歩み」によると、彼は26歳で独立、財を成す。93歳の長寿の記念で銅像を建てられたとのこと。
繰り返すが・・・
銅像は
ぜんぶ
中村さん
銅像になっている中村さんの年齢は「だいたい40代から70代くらい」らしい。
銅像制作にかかった費用や、なぜ3体もつくったのか、また中村繁蔵さんが何歳まで存命だったのか、という詳細はわからないとのことだが、建立当時、内閣総理大臣であった田中角栄氏が自らの胸像を作ったこともあり、銅像を作ることが富裕層の流行りのような風潮があったという。
ちなみに、ゴルフの神様と呼ばれたプロゴルファーの中村寅吉(とらきち)氏は中村繁蔵さんの親族にあたる、という話も聞かせてもらった。
銅像3体を前にし、男性との会話もはずむ。
「君も~銅像作ったらどうだい?(笑)」「来週くらいに作りましょうか」
とても働き者で、ずーっと仕事ばかりしていたという中村繁蔵さん。銅像が建てられる前にも地元の権威として名を馳せ、その話がテレビ局まで飛び火し、日本テレビから「番組の企画で銅像を作りませんか?」という話をもちかけられたことがあるという。
生前中村繁蔵さんが住んでいた銅像横の家屋
「今では草木も生えっぱなしで、この辺りの人々も誰の像なのかわからないと思うし、いつまでこういうカタチで残るのか、この機会にちょっと考えてみようかな」と男性は最後に話してくれた。
取材を終えて
謎の偉そうな銅像というキニナルではあったが、不思議さからくる妙な緊張感のある風情と、近隣との対比が生み出す違和感と哀愁はただならない銅像であった。
繰り返すが、銅像が全部同じ中村さんという事実は衝撃だった。
―終わり―
JS1FMVさん
2020年11月14日 22時56分
うちに昔来てた植木屋さん。
ヤングさん
2018年10月20日 19時23分
今では影も形もありません。どうなったのかその後が気になります。
ポスポスさん
2016年05月07日 22時31分
甥っ子だという男性は伯父にあたる人が何歳で亡くなったかも知らないなんて・・。しかも庭の荒れ放題・・・・・。哀しいですね