西横浜駅で見かける「キムチ売りのおばさん」に直撃!
ココがキニナル!
西横浜駅付近にいるキムチ売りのおばさんはどこから来てる?/駅でキムチを売っている人が居ます。どんな人? 安全性もキニナル(秋沙さん、リョー☆さん)
はまれぽ調査結果!
10年ほど前から自家製キムチを製造販売する徳山キムチは、おばさんの人柄も愛されていた! 衛生検査もクリアしている。
ライター:藤井 涼子
人気の味の秘密とは?
ナント「良かったら味見して」と言って、白菜キムチを一パック開けてくれた太っ腹な徳山さん。
さっそくひと口いただいた。
見た目はかなり赤い
辛さはピリリとくるが、それほど強くない。確かに酸味はまったくなく、旨みを強く感じた。この旨みの強さが特徴だろう。最近は甘さがあるキムチも多いが、このキムチに甘みはない。
真っ赤な唐辛子は韓国産の上質なもの使っているそう。日本産の唐辛子だと味が変わってしまうらしい。
また一番のこだわりは、「煮干し出汁」を使っていること。それも日本産の煮干しではなく、韓国産の煮干しを使用している。韓国産の方がキムチには合うので美味しくできるそうだ。
これが韓国産の煮干し。日本のに比べてかなり小さい
その日に売る分だけ、発泡スチロール2個分ほどのキムチを毎日漬けているそう。
「日本の人は浅漬けを好むからね。韓国の人は長く漬けて、酸っぱくなったくらいの方が好きだけど」と話す徳山さんは韓国人だ。
キムチ屋さんを始めたきっかけは?
徳山さんは20年以上前に日系韓国人二世の旦那さんと結婚し、日本にやってきた。
当時はお弁当屋さんや清掃の仕事などを経験したそう。その後に子どもが3人生まれ、「子どもたちが寂しがらないように」と昼間は働きに行かず、夕方だけ故郷の味であるキムチを販売するという仕事を始めたそうだ。
現在50歳。
駅を利用する通りすがりの人達とも笑顔で挨拶を交わしていた
お店を持っているわけではなく、徳山さんが漬けたキムチを西横浜駅で販売しているだけだ。この駅を選んだのは「家から近いから」という理由。約10年前から毎日変わらず売っているそうだ。
「10年前から買いに来ている。小さな子どもを連れて売りにきている日もあったね。」と73歳の常連の男性客が教えてくれた。このお客さんは本当にここのキムチが好きで、買って行って友人に配っているそう。
「家族がここのキムチを好きだから」
と購入している人も多かった
お店を持つ予定はないのか聞いてみたところ、「ここで売るだけだから安くできる。いいものを安く食べてもらいたいという気持ちで作っているから、お店をやるつもりはない」とのことだった。
体力的にも大変だからもう辞めたいと思っても、一日休むだけでお客さんから「昨日はどうしたの?これから先もずっとここで売ってね」と言われてしまうと笑顔で話してくれた。
チヂミ(500円)は、たまにしかないメニューだそうだ
衛生管理や営業許可はどうなっている?
食品のパック詰め商品を路上販売する場合、二つの申請が必要となる。
一つ目はパック詰め食品を作っている場所で「営業許可」を取得すること、
二つ目は販売する場所を届け出て、「食品衛生法の報告済書」を取得すること。
徳山さんがキムチを販売しているテーブルには、クリアファイルに入れた「食品衛生法の報告済書」が貼ってあった。名称は「徳山キムチ」。住所は今販売中の場所だ。取得年月日は2010(平成22)年2月1日となっている。
テーブルの脚にガムテープでペタリ
販売当初は申請が必要なことなど知らなかったため届け出をせずに販売していたが、その後に保健所の指導が入り、販売場所の届け出をしたとのことだった。
西区の福祉保健センター生活衛生課食品衛生係に問い合わせたところ、食品衛生法ではキムチは「浅漬け」の分類に入り、浅漬けの場合は一つ目の営業許可は必要ないそうだ。
「製造場所の許可申請は必要ない、ということになっていますが、営業許可を取得することを推奨しています。製造場所で営業許可を取っていない場合には、ほとんどの場合、必要に応じて立ち入り検査を行います」とのこと。
検査内容は、製造場所の衛生状態のチェック。水回りや包丁、まな板、冷蔵設備などが対象になり、実際に徳山さんのところにも保健所の立ち入り検査が入ったそうだ。このほかに、できあがった製品の細菌検査を行う場合もある。
また「路上販売では冷蔵品の取り扱いにも注意が必要」とのことだったが、徳山さんの場合、商品はテーブルの上に商品を少しだけのせて、残りは保冷された発泡スチロールに保管するということで管理していた。
ただ、一般的に自宅で作ったものを販売しようとしても、営業許可を取得することはなかなか難しい。食品衛生法によると、「自宅の料理を作るための調理場とは別に、販売用の商品を作るための調理場がもう一つ必要」と決まっているからだ。
取材を終えて
取材中も絶え間なくお客さんが徳山さんのキムチを求めてやってきた。中には「よそで(キムチを)買おうと思ったことなんてない」というご婦人も。息子3人の成長を支え、家族を思う徳山さんの「愛情」という隠し味がたっぷり詰まったキムチだからこそ、多くの常連さんを引きつけるのではないだろうか?
筆者も購入し、おいしくいただいた
―終わり―
徳山キムチ
所在地/横浜市西区浜松町14-21
営業時間/15:30ごろ~18:30ごろまで(売り切れ次第終了)
定休日/日曜、祝日、雨の日
結維さん
2013年10月24日 13時56分
辛みその美味しいキムチ屋さんは、キムチも美味しいと思うんです。 ココは行ってみたくなりました。 戸塚と藤沢、保土ヶ谷駅で売ってたおばさんはどこに行っちゃったのかな(T_T)
みうけんさん
2013年10月11日 00時10分
キムチは酸っぱくなったのが美味しいんだけどなぁ。タッパーに入れて一年間冷蔵庫で寝かせたキムチでチゲ作ると、ごはんが何杯あっても足りませんよっ!!
tomuさん
2013年10月08日 22時52分
数年前からずっと、ここのキムチにお世話になっているものです。この記事を通して、私も許可の件や衛生面が気になったので、以前、ご本人の方に直接、道路使用許可をとっているか聞いてみたところ、許可を得ているとのことでした。また、衛生面のほうもクリアしているそうです。実際、食べ続けていますが健全です。私的には、こちらのキムチが一番美味しいので、つまらない理由でなくなったら悲しいです。