西横浜の藤棚商店街近くにあるくじら専門店にライター松宮が突撃!
ココがキニナル!
「濱のくじら屋」というクジラ専門店が藤棚商店街に11月1日に開店した。野毛のクジラ横丁は有名ですが、普通の商店街にできたのはおもしろい。出店の経緯とかレポを(秋沙さんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
「濱のくじら屋」は元鮮魚店勤務の男性が「クジラの美味しさを広めたい」と資金を貯め、物件が見つかった西横浜にオープン。気軽に入れる店だった!
ライター:松宮 史佳
クジラを心から愛するオーナーが登場!
オーナーの齋藤光央さんとスタッフの山田志穂さんにお話を伺う。
店主の齋藤光央さん(右)とスタッフの山田志穂さん
齋藤さんは横浜出身。もともと相鉄ジョイナス地下1階にあった「はこだて」という魚屋さんで15年ほど働いていた。勤務期間中に仕入れルートができたため、店でクジラを扱うようになったとのこと。
しかし、初めは試食をしてもまったく売れなかった。「赤字でもいい」と採算度外視で試食を続けるうちに3年ほどで売れるようになってきたという。
食べたことがなくても「一度食べるとやみつきになる人も多い」というクジラ肉
だが、店は契約上の事情から2006(平成18)年に閉店。当日は多くの人々が来店し、数百キロのくじらが午前中の数時間で売り切れたそうだ。
閉店を伝える朝日新聞2006(平成18)年2月11日号
横浜市内でクジラ専門店は数軒のみ。なので、いつかまた「クジラを扱う店をやりたかった」とのこと。クジラを売り始めた直後、“(購入する)お客さんはほぼゼロ”。しかし、根気強く試食などを続け、“クジラを食べる人”が広まった。「あの時、クジラを食べてくれたお客さんが忘れられない」と齋藤さん。
店内は“クジラ・クジラ・クジラ!!!” 一貫した姿勢がすばらしい
壁がオレンジなのは「クジラの体内か?」と思いきや、前店舗がカレー屋さんだったから!
「はこだて」はくじらの販売のみ行っていたが、今度は「より多くの人にクジラを広めたい!」と齋藤さんは“販売もできる飲食店”のオープンを決意。居酒屋さんや老人ホームの厨房で働いて経験を積み、資金を貯めて5年ほどで2012(平成24)年11月に「濱のくじら屋」をオープンした。
昼間はこんな感じ
「飲食店をオープンしたい」と志ながらも、業界が異なる老人ホームの厨房で勤務していたとは意外! しかし、(ホームでは)人により必要な栄養素が異なり、食事も違う。そのため、食事のバランスや栄養素について学んだ経験が今に生きているそうだ。
ちなみに西横浜の藤棚商店街にオープンしたのは、条件の合う物件が見つかったから。また、相鉄ジョイナスで勤務していたこともあり「西横浜だったら(横浜からも)近いかな」と思ったのだとか。実際に『はこだて』からのお客さんが来てくれるとのこと。
「濱のくじら屋」の客層は男性が8割ほど。平日は近隣の方が多いが、週末は千葉や茅ヶ崎からも来店するそうだ。
店には定食やアラカルトもあるが、持ち帰り用の惣菜や調理用のクジラ肉も豊富
その理由を尋ねると、一般家庭で「クジラを食べながら団らんしてほしい。それが夢なんです」と齋藤さんが答えてくれる。
クジラ肉のローストビーフも美味しそう!
齋藤さんによると、クジラ肉は「豚肉や牛肉と同様に使える」とのこと。
つまり、焼きそばにも使えるのだ!(写真はまかないメニュー)
メニューのこだわり
クジラ肉はなじみの業者から仕入れているという。定食は600円、持ち帰りメニューの弁当は400円、惣菜はなんと150円からと超リーズナブル!
弁当は400円から購入できるのもうれしい!
人気のメニューは年齢層により異なる。年配の男性は「竜田揚げ定食」を注文する人が多い。竜田揚げは醤油につけ込み、片栗粉でさっくり上げる。さっぱりした昔ながらの味わいが特徴だ。
定食に付いている「くじら汁」は日替わり。“具だくさん”のワケはやはり食事のバランスを考えてとのこと。ご飯もおいしかったが、ふっくら炊きあがるガス釜を使用していると知り、納得!
若者に人気のアラカルトはユッケ。クジラ肉に“テンメンジャン・焼肉のたれ・ゴマ”などで味付けしており、甘辛くコクがある。くじら肉初心者には一番入りやすいかもしれない。
低カロリー・高たんぱく「クジラ肉」の魅力
農林水産省広報誌「aff」(2011年1月号)によると、日本人は縄文時代からクジラを食べていた。江戸時代には一般市民にも広く普及し、各地で食べられるようになった。
クジラは疲労回復を促進する「バレニン」という物質を大量に持っている
そのため、“絶食状態”で子育てし、休むことなく数千キロ泳ぎ続けることができるのだ! つまり、食べると疲労回復に効くとされている。
クジラってすごい・・・『2005魚の化学辞典』阿部宏喜著
また、クジラ肉はビタミンAが豊富で低脂肪・高たんぱく。脂肪分のほとんどは良質の多価不飽和脂肪酸のため、成人病の予防にもよいとされている。
クジラ肉とほかの食肉との栄養分比較(100gあたりの含蓄量)
文部科学省科学技術・学術審議会資源調査分科会「日本食品標準成分表2010」より
「濱のくじら屋」では、ほぼ毎月1回(火曜日)に「鯨食べ放題飲み放題(2時間)」で3000円という「鯨(ゲイ)Bar」を開催しているそうだ。誰でも参加できるそうなので、気軽に問い合わせを!
クジラ肉を肴に飲みまくりたい
取材を終えて
西横浜にある普通の商店街に佇む「濱のくじら屋」。行く前は「なぜここにあるんだろう!?」と不思議に思っていた。だが、行ってみると、店主の“くじらへの愛”があふれている店だった。
おいしくてリーズナブル、しかもヘルシー! これから「クジラ肉にはまりそう!」今度はほかのメニューを食べてみたい!
―終わり―
濱のくじら屋
住所/横浜市西区久保町21-21 サンハウス101
電話番号/045-315-5799
営業時間/12:00~14:00、17:00~21:00(土日祝日は12:00~21:00)
定休日/水曜日
Facebook/https://www.facebook.com/hamanokujiraya
秋沙さん
2016年11月11日 22時55分
2016年12月24日(土)に閉店するとの告知が出ました。残念です。
bubukaさん
2016年04月07日 20時53分
竜田揚げ定食とユッケを食べに行きました。こりゃ美味いですわ。いろんなメニュー食べたいから通います。
おそばさん
2014年03月20日 08時22分
クジラ肉のローストビーフって?ローストホエールなのでは?(笑)