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横浜を代表する夫婦デュオグループ「ダ・カーポ」に直撃インタビュー!

ココがキニナル!

地元デュオといえば昔から「ダカーポ」さんが有名でした。横浜の地元の歌を作り、歌ってきたと思います。どんな曲を歌われ、地元への思いを是非インタビューしてください。(浜っ子五代目さんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

ダ・カーポは『結婚するって本当ですか』で一世を風靡した夫婦デュエット。『よこはま詩集』や『この街の風に吹かれて』などご当地ソングも歌う。

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ライター:松崎 辰彦

音楽こそ夫婦円満の秘訣



──御夫婦であり、またステージ上のパートナーだと、いろいろ難しいことがあるかと思います。コンサート前に夫婦ゲンカをしたら、どうなるんでしょう?

広子:それはインタビューで必ず聞かれます(笑)。でもコンサート前になると、それどころではなくなるんです。いよいよ緞帳(どんちょう)の前に立つと、ケンカしたことなんて忘れてしまいます。
 


コンサートでの二人(画像提供:ダ・カーポ音楽事務所)


まさとし:ステージ直前、幕の裏に立つと、お客様のザワザワする声が聴こえるじゃないですか。するとお互いピキーンと“戦闘モード”になるんです。

広子:さっきケンカしていたとか、この際に仕返ししてやろうとか(笑)、そんなことは全然思わず、協力し合うしかないんです。それで終わると「あれ? さっきなんでケンカしていたんだっけ?」と(笑)。こうしてみると、音楽こそ二人の夫婦円満の秘訣かもしれませんね。
 


夫婦円満の秘訣とは!?
(画像提供:ダ・カーポ音楽事務所)


まさとし:夫婦円満といえば、ボクは言いたいことを溜めないようにしています。「さっきのあの言葉、気に入らない!」とか。溜めるとあとで大変なことになりますから。



女性には“覚悟”が必要である



──広子さんは、家庭と仕事の双方の責任を持たれ、ご苦労もあろうかと思います。

広子:女の人は、覚悟が必要なんです。働く女性は家庭の責任と仕事の責任の両方があり、すごく大変なんだけど、それはやるべきことなんだから、一切文句いわないって心の中で決める必要がありますね。

──女性にとって、なかなか厳しいアドバイスですね。

広子:お嫁さんになったら、母親になったら、覚悟するしかありません。子どもができたら3時間ごとにおっぱいをあげなきゃいけないでしょう? やっぱり自分のお腹から子どもが生まれると、すごい責任を感じますよね。自分が生涯、無償で守る対象となるんです。「私しか守ってやれない」という気になりますよ、不思議とね。父親はそこまで考えないと思うけど。

まさとし:ハハハ。
 


“女性には覚悟が必要”と広子さん


広子:子育てのときなんか、おっぱいをあげたりとかオムツを洗ったりとか、いろいろやらなきゃいけないことがあって大変だけど、それをいくら文句をいってもラチが開かないんです。

──世の女性たちの中には、仕事と家庭の両立に悩み、自分自身の中で、あるいは自分と周囲との間で葛藤や軋轢(あつれき)を生んでいる人も多いかと思います。

広子:働く女性に仕事と家庭の両面で責任が担わされるのは、仕方がないことですよ。私、最近思うんですけど、みんな覚悟がなくて、自分の不満をぶつけ合うからうまくいかなくなるんではないでしょうか。それを我慢、というのもイヤなんだけれど、やるべきことだと思ってせっせとやっていると、世のお父さんだって「自分がテレビを見ている間に、妻は食器を洗っている。悪いな」という気になると思いますよ。それを「なんで私だけ!」とやると「オレだって仕事で疲れてるんだよ!」とケンカが始まるの。
 


二人が協力してステージを作り上げる
(画像提供:ダ・カーポ音楽事務所)


──男性として、耳が痛いです。

広子:彼(まさとし)だってもとは全然、家事を手伝わなかった。でも、私が股関節症の手術をして動けなくなると、自分でやらなくちゃいけなくなり、結局それをきっかけに、毎朝朝食を作ってくれるようになって、今朝も作ってくれました。
 


広子さんの股関節症の闘病記『歩けるって幸せ!』(講談社)
(画像提供:ダ・カーポ音楽事務所)


まさとし:17年間、毎朝ですよ。
 


笑顔を絶やさないまさとしさん


広子:彼は優しい人ですから。それから本当にいいたいことがあったら、夫でも他の人でも、心を割って話すことも大切ですよね。困ったときには助けてくれる。それを何か計算したり、下心があったりするとそれを見透かされてむしろ反発を買うだけだと、私は思います。

──女性にも男性にも、貴重なお話ですね。大変、勉強になります。



ダ・カーポは横浜の自慢です



──横浜で思い出の場所はどこですか。

広子:いろいろあります。保土ケ谷区西谷に、仲間たちの集まるアパートがありました。西谷の線路沿いに「アルション」という洋菓子店があり、そこのお菓子が本当においしいんです。まだデビュー前、お金がなくてケーキも自由に買えませんでした。そのころのことを歌ったのが『15秒の風景』という歌です。
 


はまれぽでも西谷を取り上げている


横浜のオリジナル曲やイメージソングも、たくさん作っています。
『山の手の坂道』『ベイスターズを観にいこうよ』『よこはま詩集』などといった、まさにご当地ソングみたいなものもありますし、コンサートでは本牧に残っていた『本牧の子守唄』や開港当時、紅茶工場で歌われていた『お茶場節』などの伝承歌も歌います。

──広子さんにとって横浜の印象とは?

広子:横浜の印象は、海のない栃木から出てきた私には、とにかく「海がある」ということです。
船が港を出入りするなんて、それだけでワクワクします。そして横浜は開港の歴史を担った土地で、いろいろなところにいろいろなものが残っている。そういう街に住んでいるのが誇らしいです。先日お会いした林文子市長から「ダ・カーポは横浜の自慢です」といっていただき、感激しました。
 


横浜の夜景を背景に
(画像提供:ダ・カーポ音楽事務所)


まさとし:東京で仕事をして、ベイブリッジを通って横浜に戻るとホッとしますね。やはり帰るところがあるっていうことは大切だと思う。

──『横浜マリー』『赤い靴のマリー』はあのメリーさんを歌ったものだそうですね。
 


伝説の人、メリーさん(写真提供:森日出夫)


広子:これについては、不思議な経験をしました。岡山県のある街でコンサートを開いたときのこと、突然『赤い靴のマリー』が歌いたくなったんです。しばらく歌っていないから、なんて思って。
それで本番で“横浜にはマリーさん(メリーさん)という人がいて、この人はかくかくしかじかの格好で・・・”という説明とともに歌ったところ、ステージが終わってから、楽屋に男性が来て「私は医師ですが、さきほどステージでお話されたマリーさんをこの前診断しました。彼女はいまある施設にいます」といわれて、ビックリ仰天しました。

まさとし:ボクはあの人を高校時代から見ている。ムラサキ夫人とかおギン婆さんとかいわれていました。彼女は横浜の影の部分を背負った人なんです。
 


ホテルニューグランド・県庁前・弁天通り・馬車道も出没スポットだった
(写真提供:森日出夫)


広子:私、五大路子さんと仲がいいんですけど、私がマリーさんの話をしたら、彼女は岡山へマリーさんのお墓参りにいきました。『横浜ローザ』で、彼女はマリーさんを演じています。
 


メリーさんを演じる五代さん
 

メリーさんに扮して町を歩く




みんな何かを背負っている だからダ・カーポの歌を聴く



──まさとしさんは昨年、胸椎腰椎(きょうついようつい)圧迫骨折で半年間休養されました。

広子:留学中の麻理子に応援に帰ってもらったりしましたが、私は一人で不安でした。
 


麻理子さんに応援を頼んでコンサートを行った
(画像提供:ダ・カーポ音楽事務所)


まさとし:最近は、コンサート会場でサイン会などしていると、皆さん、お一人おひとりからいろいろ、人生相談みたいなことをいわれるんですよ。「妻が1年前に亡くなりました」とか「入院先から直接来ました」とか。それに対して頷いて「そうですか、大変ですね」と返事を差し上げるだけでも、違うんです。

長年やってきてわかったんですけど、何かを背負っていない人はいない、必ず悩みがある。だからダ・カーポを求めて来てくださるんですね。テレビやラジオ、CDだけではなくて、コンサートを開いて直接、人前で歌うことは絶対必要なことなんだと感じます。
 


コンサートで歌う二人
(画像提供:ダ・カーポ音楽事務所)


ボクも今回、入院生活を経験して、夫婦で歌うことがどれだけ大事かわかりました。年をとってこれだけ歌い続けていくのは一つの宝じゃないですか。ちょっとやそっとではこれだけ長く続けることはできないですからね。
これからも横浜を拠点に、二人は歌っていきます。

広子:よろしくお願いします。

──ありがとうございました。



取材を終えて



「ダ・カーポ」はまさとしさんを柱とする若者たちの夢集団の名前だった。音楽用語“da capo”は曲の冒頭に戻ることだが、実際にお会いしたお二人は、爽やかで温かいカップルだった。

「女性が外で働くこと」に深く潜入した広子さんのお話は、男性からしても大変、参考になった。家庭のことは妻まかせ、という夫も多いが、妻も外で仕事をしているとき、家事一切の責任がどれほど彼女たちに負担をかけているか、私たち男性も目を逸らさずに考えねばならない。
広子さんはスターであると同時に、紛れもなく一人の“働く女性”であった。そんな広子さんを見守るまさとしさんの笑顔は、夫婦の長い歴史をほのめかすようにやさしく、温かかった。

仕事もプライベートも、いつも一緒の二人。数十年の間に、何の波瀾も葛藤もなかったわけではあるまい。しかし二人は、まさにダ・カーポの名に恥じず、いつも初心に戻って私たちに歌声を届けてくれたのである。
『結婚するって本当ですか』は最後“今でもあなたが好きだから 心をこめて祈ります 幸せを”で結ばれる。常に人びとの幸せを願い、前を歩み続けるお二人が横浜で歌い続けてくれることに感謝し、耳を傾けたい。
 


ダ・カーポ これまでも これからも
(画像提供:ダ・カーポ音楽事務所)




─終わり─


ダ・カーポ
http://business1.plala.or.jp/dacapo/

取材協力
ダ・カーポ音楽事務所

広子さんの出演番組
NHKーFM 音楽遊覧飛行
毎週月曜~木曜 午前9時20分~10時
翌週月曜~木曜 午後5時20分~6時(再)

 

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  • ダ・カーポのお二人って歌のイメージだともっとふわっとしてるのかと思いました。ですがさすがにアーティストだけあって強気の一面もあるんですね。それでも相手を尊重し合って、素敵に年を重ねていらっしゃるのには憧れます。

  •  裸の大将の主題歌を子供の頃に聴いた時から好きです。そして、一度ですがダ・カーポのコンサートに行ったことがあります。妻帯は出来ないと思っている私ですが3人家族の姿を、ご夫婦2人の姿を見ていて「結婚ってよいものなんだな」って思いました。幸せ溢れるコンサートにまた行きたいです。 そして、その時は是非「地球へ・・・」とか「空からこぼれたSTORY」「テームズ河のDANCE」も歌って欲しいですね。

  • 調査いただき、ありがとうございました!横浜のデュオといえば、ダ・カーポさんでTVKから流れる澄み切った歌声が好きで、神奈川新聞やトヨタ神奈川8社のCMソング、そうてつローゼンの歌など横浜では外せないシンガーだと思います。娘さんと3人での活躍を初めて知り、微笑ましくレポートいただき良かったです。

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