中華街の極セマな裏路地にある隠れ家ショップに潜入取材!
ココがキニナル!
中華街を歩いていたら、裏路地の奥にカフェらしきお店を発見しました。お茶屋の悟空とROUROUという服屋の間の怪しい路地を入ったところです。中が気になるので、ぜひ調べてほしいです(浜ドラゴンさん)
はまれぽ調査結果!
そのお店の正体は、極彩色の異次元空間カフェ「ROUROU Cafe」。同じく中華街の裏路地にある、話題の台湾ちまき専門店「ちまき屋」にも潜入取材!
ライター:菱沼 真理奈
知る人ぞ知る、中華街で注目株の台湾ちまき専門店
次にご紹介するお店は、裏路地の民家で本格派の台湾ちまきを製造・販売する、その名もズバリ「ちまき屋」。
お店の場所は、中華街大通りと関帝廟通りをつなぐ上海路から、さらに1本入った裏路地の奥まった住宅街にある。
大まかな場所はココ(赤字の部分)
中華街大通りの「白楽天」のある交差点を曲がって上海路へ入り
上海路を山下町公園へ向かって(関帝廟通り方面)進み
イタリアンレストラン「TRES(トレス)」(左)の脇の裏路地へ
裏路地の入口にある、この立看板が目印
そのまま奥へ奥へと進んでいくと
一戸建ての民家のドアに矢印の案内が・・・
矢印にしたがって進み
奥の小窓のカウンターで商品を注文・購入できる
小窓の脇の呼び鈴(右)を鳴らすと、窓が開いてお店の方が応対してくれる
こちらの裏路地も、知らなければ絶対に気づかないような極セマの空間。しかも、お店自体もごく普通の一戸建ての民家。
いや~、何ともディープすぎますが・・・実はこの「ちまき屋」さん、たびたび行列のできる中華街でも注目株の人気店なのだ。
裏路地へ吸い込まれるように入っていくお客さん
ではさっそく、その人気の秘密に迫りましょう!
取材に応じてくださったのは、ちまき屋の店長・小林成明(こばやし・なりあき)さんの奥さまで、副店長を務める小林依子(こばやし・よりこ)さん。
とってもフレンドリーな小林依子さん
まずは、台湾ちまき専門店を始めるに至った経緯を依子さんに伺った。
「中華街出身の夫(店長)は台湾人(母)と日本人(父)のハーフで、約20年前まで、お母さんが中華街で『真澄(ますみ)』という台湾家庭料理店をやっていたんです。その看板メニューのひとつが、お母さんが手づくりする台湾の家庭料理“チマキ”でした。そんな先代の味を受け継ぎ、再現したのが当店の台湾ちまきです」
先代の「真澄」はもうないが、その味は今も受け継がれている(ちまき屋パンフレットより)
台湾では家庭ごとにちまきの味付けや中の具材が異なり、各家庭ならではの味を作り出しているという。成明さんにとって、小さいころから親しんでいた真澄のちまきは、まさにお母さまが作り出した家庭の味なのだ。
そして、お母さまが営んでいた真澄が閉店し、その味がなくなるのはもったいないと一念発起した成明さんは、サラリーマンを辞めて独立を決意。2011(平成23)年3月、依子さんとともに自宅近くの商店街「浜マーケット(磯子区)」にちまき屋をオープンさせた。
「真澄」の味を引き継ぐ台湾ちまき(1個470円・税込)
その後、成明さんの同級生が住んでいた中華街の一軒家(現在の店舗)が空いているということで、2012(平成24)年8月、浜マーケットからこちらへお店を移転。
そこには「いつかホームタウンの中華街で店をやりたい」という成明さんの強い思いがあったという。
成明さんの同級生が住んでいた一軒家を借りて店舗に改装
お店のパンフレットには、店長・成明さんの思いが記してある
「移転当初、こんな裏路地の店にお客さんが来るのか心配でした」と依子さんは話すが、その意外なロケーションと、ほかにはない本格台湾ちまきの味が話題となり、テレビなどのメディアでもたびたび紹介されるように。
以来、地元や遠方からもお客さんがどっと押し寄せ、一時期は製造が追いつかず「ちまきは1人1個限定」で販売していたという。
この日も次々とお客さんがご来店
お友達からちまきの噂を聞いて、わざわざ東京から買いに来たというYさん
「まずは1人でも多くの方に味を知っていただくために、申し訳なく個数限定で販売していた時期もありました。ここ最近は、知人のスタッフや私の母に手伝ってもらいながら、少しずつ生産力をアップさせ、ご希望の数だけ購入いただけるようになりました」と依子さん。
店内にずらりと並んだちまき。多い時は1日に500個近く売れるとか
取材中も、次々と訪れるお客さんの応対に大忙しの依子さん
完全手づくりで一つひとつ仕上げられる本格台湾ちまき
一般的にちまきは「蒸す」というイメージがあるが(台湾北部は蒸すタイプが多い)、同店のちまきは台湾南部の「茹でる(ゆでる)」タイプのちまきだ。米の水分量が多いので具材との馴染みがよく、全体的にしっとり・もっちりしているのが特徴だそう。
しっとりとしたモチ米と具材がバランスよく馴染んだ台湾ちまき
基本的なレシピは「真澄のちまき」と変わっていないが、小林さん夫婦が一工夫加えて、日本人や時代にマッチした味に仕上げているという。
醤油味のモチ米の中に、ひとつずつ手間をかけて調理した具材4種(豚の角煮・シイタケ・干しエビ・ピーナッツ)を入れ、笹の葉で正三角柱の形に包んでヒモで結び、1時間ほどゆでて完成。
ひとつずつ仕込み・調理・味付けした4種類の具材
笹の葉2枚を重ねて、三角に折った角にモチ米&具材を入れて包んでいく
完成したちまきはヒモに結んだまま吊り下げておく
ちなみに、ちまきにも表となる「顔」があるんだそう。ちまきに表と裏があるなんて、皆さん知ってましたか?
左の写真が表、右の写真が裏だそう・・・う~ん微妙
ボリュームたっぷりで大満足! リピート必須のクセになる美味しさ
ではさっそく筆者もちまきを購入して、自宅でじっくり賞味させていただきました。
食べ方(温め方)は簡単。食べる前に鍋に入れて茹でるだけでOK!
購入時に温め方の説明書がもらえる
まず、鍋にちまきが隠れるぐらいのお湯を入れて沸騰させ、そこにちまきを投入して8~13分ゆでる。長くゆでると角煮の脂がとろけて、よりいっそう美味しくなるそう。
沸騰したお湯の中にドボンと入れて、しばし待つこと十数分
ゆで上がったちまきはお湯から取り出して、そのままザルなどの上に2~3分置いて水分を飛ばす。
湯上り後、ホッと一息&休憩中のちまきちゃん
表面の水気が飛んだら、ヒモをほどいて笹の葉を端から外して、いただきま~す!!
笹の葉を外すと、しっとりツヤツヤの湯上り美人が姿を現す
期待を込めてガブリと食すると、もっちりとしたモチ米の醤油味に、干しエビやシイタケの風味、角煮のコク、ゆでピーナッツの食感が見事にマッチ。具材の一つひとつが存在感を放ちつつも、モチ米と絶妙なバランスで馴染み、口の中で混然一体となって優しいハーモニーを奏でます~。
中には大ぶりの具材がゴロゴロ
1個約220グラム(普通のおにぎりの約1.5倍)と、ボリュームも食べ応えもたっぷりなのに、あっという間に食べ切れてしまうクセになる美味しさ。これはリピート必須ね!!
賞味期限は冷蔵で2日、冷凍で約1ヶ月。冷凍の場合もお湯に入れて18~23分ほどゆでればOKなので、忙しい時の食事や夜食などにもオススメだ。
存在感たっぷりの角煮(左)と、心地よい食感の茹でピーナッツ
そのほか、ちまき屋では真澄の味を受け継いだ「腸詰」「角煮」「豆鼓ソース」と、本場台湾の味を再現した調理メニュー「ビーフン」も販売。
こちらもちまきと同様すべて手づくりのため、製造できる量が限られているので、売り切れの場合はゴメンナサイ・・・
オリジナルブレンドスパイスの腸詰(調理例)/1本550円・税込
そのままでもドンブリ物にしてもイケる角煮(調理例)/1袋550円・税込
野菜・肉・魚介のすべてに合う万能調味料・豆鼓ソース(調理例)/1袋450円・税込
台湾ビーフンにニラとタマネギを入れて仕上げたビーフン/1袋550円・税込
同店のホームページでは全商品の詳しい紹介のほか、店長・成明さんのブログも掲載されているので、ぜひそちらもチェックしてみて。ますます行きたくなっちゃいますよ!
取材を終えて
今回は中華街の裏路地ショップを2店ご紹介したが、街中に無数にのびる狭い路地の奥には、まだまだ未発掘なお店がいっぱい・・・そう、中華街の裏路地は、実に実に奥深いのです。
そんなチャイナタウンの未知の世界と出会うべく、勇気と好奇心を持って裏路地に足を踏み入れ、ちょっとワクワク&ドキドキの探検気分を味わってみてはいかが・・・?
-終わり-
取材協力
ROUROU Cafe HP
http://www.rourou.com/cafe/
ちまき屋HP
chimaki-ya.com
※情報は取材時のものです
神々の雫さん
2015年09月14日 03時18分
隠れ家…イイですねえ。cafeもすてきだけれど、ぼく的にはちまきやさんかな。今度帰省の折に伺いますね。
角さん
2015年04月17日 23時08分
30年以上前の中華街の路地ってどこか異世界みたいな感じがして、それこそ映画に出てくるような丸いサングラスをかけた謎の老人チャンさんがいそうな雰囲気があったので、子供心に怖かったイメージがあります。今は良い意味で変わりましたね。
ミィさん
2015年04月17日 14時19分
子供も頃から色んな楽しみがある中華街が大好きです。慣れ親しんでいたものの、路地裏まで散策するのは勇気が必要です!両方のレポ共に興味深く拝見しました!