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横浜市中央卸売市場本場にできたという事業所内保育園「こまつな保育園」はどんなところ?

ココがキニナル!

横浜市中央卸売市場本場に保育園ができたらしいけど、いったいなぜ市場に保育園?(はまれぽ編集部のキニナル)

はまれぽ調査結果!

市場を活性化し、若い人に長く働いてほしいと、「伝説のチーズケーキ」を販売する「つま正」の社長が尽力。保護者も「ありがたい」と感謝

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ライター:はまれぽ編集部

規模拡大も視野



「こまつな保育園」は横浜市中央卸売市場センタービル2階の、診療所跡地を利用。同5階には室内遊技場も整備した。

横浜市中央卸売市場を管理するのは市経済局だが、待機児童ゼロを進めるという市全体の政策から、全面的に支援する格好となった。
 


診療所跡地に作られた「こまつな保育園」
 

9月1日に開園した「こまつな保育園」は9月10日現在、横浜市中央卸売市場の従業員枠で2人、地域枠で1人の計3人の子どもが通園している。同月内にもまた数人増えるが、枠に余裕は残る見込み。

保育園の床面積は52平方メートルで厚生労働省による敷地面積に対する定員を設けた児童福祉施設の基準によって、現在は9人が限界だが、小山社長は将来的に拡大を視野に入れている。

また、2歳児が卒園した後は、同じ神奈川区の「幸ヶ谷(こうがや)幼稚園」と連携して、3歳以上も受け入れる仕組みも進めている。
 


幼保連携の取り組みも検討
 

ただ、問題も山積している。差し当たっては資金面だ。現在、入園者3人に対し、職員は常勤保育士2人と調理師1人。人件費や施設の維持管理費なども含めると、市などからさまざまな補助金があったとしても赤字であることに違いはない。

小山社長は「正直に言うと、そう(赤字)。軌道に乗るか不安もあるが、誰かがやらなければならない問題。出資者も意思に賛同してくれているし、当面は自分が穴埋めすればいいと思っている。市場で働く人だけでなく、横浜全体を活気づけるため、若い世代が長く働ける環境を整えていきたい」と決意は固い。

「こまつな保育園」の立ち上げから携わってきた開設準備室の大久保正美(おおくぼ・まさみ)さんも「市場は男社会で朝が早いというイメージが強く残っている。女性にも安心して就労の機会が提供できれば、市場の活性化につながる」と期待を込めている。



保護者や現場はどう思っている?



実際に子どもを預けている保護者は、どう感じているか。

市場内で働く20代の女性は「今までは別の保育所に預けてから職場に来ていた。職場の中(の保育所)に預けられることで、子どもと一緒にいられる時間が増えた。仕事に行く前も終わった後も時間が有効に使えるし、すごく感謝している」と話していた。
 


保護者からも感謝の声
 

現場で働く保育士は「(小山)社長は、自分から動いて、働きやすい環境を整えてくれる。私たちも、その気持ちに応えたい」と話す。
 


職員も「働きやすい環境」という
 

一方で「子どもの安全安心に関わることなので、書類関係の事務仕事がすべてが無駄とは言わないが、子どもに寄り添うなど、もっと大切にしたいことがある。行政には、手続き面を含めて改善をお願いしたい」とも話していた。



取材を終えて



「全国初」の取り組みはとかく注目されがちだが、前例がない分、全ての方針が手さぐりとなる。

今回の事業所内保育園には、職場環境改善という私企業としての取り組みだけでなく、待機児童解消という行政上の問題も同時にのしかかる。

この試みが成功に近づくよう、今後も動向を報告していければと思う。


―終わり―
 

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  • 特に預け先に困る0~2歳児。赤字だけれど続けてくれるなんて貴重ですね。

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