横浜のごみ事情はどうなっているの?
ココがキニナル!
横浜ってごみの分別項目が多いと感じるけれど、横浜市のごみ処理の状況はどうなっているんですか?(負の連鎖さんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
横浜はごみ減量計画で、全国的にも突出した成功を収めています。
ライター:松崎 辰彦
横浜のごみ収集は無料
しかし、当然のことながら、ついついごみの分別を怠りがちな人も少なくないはずである。そうした人に対しても、横浜市は重ねて協力を呼びかける。
「あまりにごみ袋の中が分別できておらず、混合の度合いが目に余るようでしたら、『決められたルールに従って出してください』と記したシールを貼って、収集せずにそのまま置いていきます。場合によっては袋を開封して誰のごみかを確認し、指導・勧告・命令を行い、それでも改善されない場合は2000円の過料を徴収することになります」
「収集できません」シール
ここで気になるのは、横浜がいまだにごみの無料回収を維持していること。お隣の藤沢市などは特定のごみ袋を買ってそれを使用しなくてはならないとするごみの有料回収に踏み切っているのに、横浜はあくまでごみの回収には費用を徴収せずに頑張っている。
藤沢市で使用しているごみ袋(有料)
「ごみ収集の有料化も、将来的な選択肢の一つではあり得ます。しかし、市民・事業者の方々のご協力あって、今回はこれだけ大きな成果を出すことができました。したがって、現時点では、市民・事業者と行政の協働を基盤に、さらにごみ減量を進めるということであり、有料化は将来的な検討課題の一つと考えております」
横浜市民なら、今後もごみ収集の無料を維持してもらいたいところであろう。
「これから、集積場所まで出向くことが難しい高齢者への対応など、課題は多く残されています。そして市民・事業者の方々には、今後もごみの分別や発生抑制に、ご理解とご協力をお願いします」
佐藤さんの声を聞きつつ、資源循環局を後にした。
G30から次の段階へ
横浜のごみ分別は〈プラスチック製容器包装〉〈燃やすごみ〉〈燃えないごみ〉〈スプレー缶〉〈乾電池〉〈缶・びん・ペットボトル〉〈小さな金属類〉〈古紙(段ボール・新聞・紙パック・雑誌その他)〉〈古布〉〈粗大ごみ〉に分かれる。
こうした区分(10分別15品目)でごみを分別する(横浜市資源循環局HPから)
こうした細かい分別を、生活の中で日々根気よく守るのは決してたやすいことではないが、多くの横浜市民はこうした区分を遵守して、ごみ処理の効率化に協力している。平成22年の今年、G30も終了し、次の段階に入ることになった。
それに関連して、横浜市は3Rを強調し、さらに一層の市民の理解を求めている。リデュース(Reduce ごみそのものを減らす)リユース(Reuse 何回も繰り返し使う)リサイクル(Recycle 分別して再び資源として活用する)の3Rである。
さる10月3日には『「G30」の次のステージへ!
『“ヨコハマR(リデュース)ひろば”キックオフミーティング』と題するイベントが開催された。
イベントを知らせるチラシ(横浜市資源循環局HPから)
何回も繰り返し使えるリユース食器の展示が行われた |
基調講演『始めよう! 横浜らしく、かっこいい“リデュース”』を行った筑波大学大学院の西尾チヅル教授はいう。
「ごみの抑制はどの大都市も成功していないと言われています。そうしたなかで、横浜がごみ収集を有料化せずにここまでやったのは大変な成功といっていいと思います」
横浜は、こうして考えると、ごみ対策に関しては全国的にも大変優秀といっていい結果を残したのである。
結論:横浜はごみ減量計画で、全国的にも突出した成功を収めている
取材を終えて これからもごみ減量に努めよう
住民の出入りも多く、郷土意識が持ちにくいと思われる横浜で、ごみ抑制に関してこれだけの成功が収められたのは、環境意識の高まりや、持続可能な地球を子供たちに残そうとする良識ある人々が増えたということだろう。
当初は「よそもの」だった人々も、10年20年と歳月を重ねるうちに、横浜の良さを肌身に感じ、この環境を後代に伝えたいと考えるのではないだろうか。
10月3日のイベントは、会場に集まった聴衆の平均年齢が、やや高めなのが気になった。現在、横浜市はホームページやメールマガジンなど、若年層に向けたメディアでごみの減量や資源のリサイクルを訴えている。こうした努力を今後ともぜひ続けてほしいし、若者もこうした取り組みに関心を抱いてほしいものである。
―終わり―
しらいしさん
2015年06月13日 18時17分
分別なんて…実際未来の子孫の為とでも考えないと面倒くさくてやっていけませんけど。面倒だから収集後に業者に分別させるなら施設も人員も要るので有料化も必要でしょう…でもそうしたからといって、いまでも何かと理由を付けて分別しない人は有料化して燃える・燃えないの分別だけになったとしてもしないでしょうね。結局はごみを出す個々の問題になってくるんで、もっとPR活動をして欲しいですが、財政難だから…。焼却施設は国内でも有数の施設と聞いたことがあります。それまで分別しないで済んでいたのはそのおかげで、分別してからは焼却施設は減らせているようですよ。稼働や収集に掛かるコストやCO2排出にどれだけ効果があったかは知りませんが。
どこかの名無し市民さん
2015年05月14日 17時15分
横浜市在住の者だが、横浜市のごみの分別ルールにはもううんざり。そんなに細かく分別しても、本当に全部の資源をちゃんと余すこと無く再利用に回しているんだろうか?市民たちにこれだけ努力を強要させているんだから、さぞや立派なリサイクル運営をしているんでしょうなぁ?ホント横浜に限らず日本のごみ分別は非効率的すぎる。他国のゴミ分別方法の方がまだ合理的だと思いますね。市民は燃えるゴミか不燃ごみかだけ分別して、あとは回収業者が処理場に運んで行って細かく分別する形。そうすれば、こっちとしては、ゴミを分別する煩わしさから解放されるし、ゴミ収集車を何度も走らせる為の諸々のコストも削減できると思うんですがね?ホント今の状態は「無駄に手間かけさせて無駄な事してる」って感じだと思う。
katomanさん
2013年05月20日 20時27分
ゴミの分別をさせるのは、その行政が持っているゴミ焼却施設の能力によるものが大きいと聞いたことがあります。だとすると、横浜のそれはかなり劣っているとみなされるのでしょうかね。。。分別にはかなり無理を生じさせることに間違いありません。藤沢市の可燃、不燃ごみを有料ゴミ袋でもいいから、まとめて出したいというニーズはある意味ユーザー目線でもあると思います。