「横浜の未来の鍵を握る年」の実現に向けて横浜市が編成した2016年度当初予算の概要は?
ココがキニナル!
横浜市が2016年度予算概要を発表! その詳細は?(はまれぽ編集部のキニナル)
はまれぽ調査結果!
6年連続のプラス編成で、一般予算に前年度比1兆5143億円を計上。歳出の中心は施設整備と扶助費で「横浜の未来の鍵を握る年」の予算
ライター:はまれぽ編集部
人・まち・経済
「横浜の未来の鍵を握る年」の予算とは、いったいどのようなものか。注力する新規事業や予算編成の基本的な考えも含め、市財政局財政部財政課の本多修(ほんだ・おさむ)財政調査担当課長に聞いた。
注目の事業は? 予算の意図は?
本多担当課長は「歳入に関しては、高止まり。これ以上急激に増えることは考えにくい」と話す。そのうえで未来を見据えつつ、現状の市民サービスを低下させないために財政規律を維持するとしている。具体的な成果として、市の借金である市債は前述のように前年度に比べて減らした。
加えて事務効率の見直しなどを行った結果、一般会計の借入残高も前年度に比べて398億円の縮減。「4か年計画」が終了する2017年度までには市の「中期財政ビジョン」が始まった2003(平成15)年度に3兆9617億円あった借り入れを約7500億円減の3兆2000億円以下にするとしている。
2016年度は3兆2026億円の見込み(同)
こうした緊縮予算の中でも力を入れるのが子育て支援。
2013(平成25)年度に実現した「待機児童ゼロ」の継続に向けて受け入れ枠を2543人分拡大するための予算として保育所を整備するなどの目的で49億3200万円を計上。
再び「待機児童ゼロ」へ
このほか、2016年度中に市内の全中学校で段階的に実施する「横浜型配達弁当(ハマ弁)」実施の予算に4億8200万円、現在は小学3年までの通院費を助成する小児医療費助成について、2017年4月から対象を拡大するためなどの予算に91億4100万円を割いた。
施設面では「世界中の人や企業を惹きつけるまち」を軸に、山下ふ頭の再開発や横浜駅周辺での国際ビジネス拠点の形成といった都心臨海部の再生・機能強化を行う。
にぎわいあるまちづくりを目指す(同)
また、都市インフラの強化にも取り組む。
2016年度は「横浜環状北線」の開通や南本牧ふ頭連絡臨港道路の供用開始、相鉄線の星川駅―天王町連続立体交差事業の下り線の高架化が実現するなど、流通を含む経済や市民生活を支える基盤が大きく変化する。
「横浜環状北線(=きたせん)」もいよいよ完成(2013<平成25>年撮影)
このほか2019年に日産スタジアムで行われるラグビーワールドカップ決勝戦や、その翌年に控えた東京オリンピック・パラリンピックに向けた取り組みも行っていく。
あの興奮を横浜で!
本多担当課長は「市長も言うように、これまでの成果を成長につなげ、横浜を『横浜らしく』発展させ続けるためのチャレンジを終結した予算」とした。
市民はどう思う?
では、市民は自分たちの税金の使いみちについてどう思っているのか聞いてみた。
70代男性は「額が多すぎてピンと来ないが、いまさら道路や港を作るくらいなら、生活を支援してくれるお金に回してほしい」と切実な訴え。
また、出産を控えた30代女性は「周りでも保育園に預けられるかは話題になっている。受け入れ枠拡大はいいニュースだし、もっと増やしてもほしい」と話していた。
2500人以上の枠拡大は子育て世代には心強い
取材を終えて
2016年度は横浜が『横浜らしく』発展するための鍵を握る年だという。
今の市民の実生活に即しつつ、今までの横浜を背負ってくれた世代と将来の横浜を背負っていく世代が笑顔で暮らせるまちづくりのため、行政の手腕が問われている。
また、小児医療費助成の拡大については、後日詳細をレポートする。
―終わり―
Nicksさん
2016年02月08日 02時51分
歳入が増えるだけ歳出が増えるのも如何なものだろうか。たしかに「生活を支援してくれるお金に回してほしい」という市民受けしやすい政策に視点がいきがちだが、扶助費が膨らむと過去に国政で批判がでたバラマキとも揶揄されかねないだけに、本当に必要な事、必要なモノに向けた政策が求められると思います。他の自治体では保育園増設や小児医療無料化が進んだ結果、保育園入園が就業目的になったり、軽微な症状でもとりあえず来院する人が増加し、医療費が増大し医療機関が混雑して緊急診療が必要な人が逆に不便になるといったニュースもあった。いまの横浜市では震災対策として道路や区画を拡げるといった根幹的な政策はあまり聞かないし、保育園増設で就労可能になった主婦の就業機会拡大や社会進出支援の受け皿になる企業誘致が大きく進んだ話もあまり聞かない。マクロ経済やインフラ整備にも重視した予算編成と成果が求められると思います。
八景のカズさん
2016年02月05日 12時34分
選挙の年齢別投票率が高齢者が圧倒的に多いため、税の使われ方も高齢者向けに優遇されている。若者、現役世代がもっと選挙に参加して投票率を上げないと、育児やインフラ関係に予算が回らない。無効票でも投票率がカウントされるから、気に入った候補者がいない場合、白紙投票したって良い。