みなとみらいの新しい地下道って開通しないの?
ココがキニナル!
みなとみらいの新しい地下道って、いつ開通するんですか?使われないのなら税金の無駄遣いをしているんじゃないんですか?(青い金斗雲さんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
建設費を抑えるためMM21開発の一体として整備されたもので、現時点では無駄とは言えない。開通は周辺の商業開発等とあわせて時期を伺っている。
ライター:ワカバヤシヒロアキ
問題の地下道は?
(続き)
―建設にはどれだけのお金が掛かっているのですか?
地下道単体での工事費を把握しておりませんが、これまでに完成している臨港道路全体として約500億円を費やしています。
―開通の目処が立たないのに、それだけの税金を投入するのは無駄ではないですか?
この地区は埋立地です。ですので、街を作る際に道路整備も一帯として整備してきました。もし、交通需要が高まってからあの地下道を掘るとなれば、街が熟成した上で工事することになるため、必要な時間とお金は計り知れないものとなります。計画に従って一帯整備を行ってきたことなので、無駄ではないと思います。
―整備を一帯で行うのは一般的手法ですか?
いま、首都高湾岸線の下に国道357号を建設しています。これも首都高を作る際に、下に道路を通すことを視野に入れて桁を建設しています。埋立地と種類は違いますが、道路や鉄道を一帯整備することは日本でも数多く例があります。
JR根岸駅の横を通る首都高湾岸線、下には国道357号が建設中だ
ということで、問題の地下道は無計画に作られたわけではなかった。埋立地の整備計画の一帯として建設されている。
あの場所の交通量が推計していた40,000台になれば、今の倍以上。そこまでに達する日が来るのかはわからないが、後になって地下道を新設するのはほぼ不可能なのだろう。
港湾局が管轄する他の道路は?
みなとみらいの地下道に関する疑問は解消したが、折角なので他の道路に関する進捗も尋ねてみた。
話に挙がったのは南本牧埠頭につながる道路。現在、着工を始めているという。
茶色の実線部分に道路を建設中
これも臨港道路計画の一部だが、南本牧埠頭のためだけに道路を新設する必要があるのか疑問だ。
ただ、話によると、災害などにより橋が通行不可能となった場合、南本牧が孤島になることを防ぐ意味があるそうで、埠頭に橋を2本掛けることは一般的なようだ。
海の向こうが南本牧、新設される橋の面影はまだ無い
また、建設中の道路が完成すれば首都高へ乗り入れる形となるため今までよりスムーズな物流が可能となる。
逆に建設の目処が立たないのは、山下埠頭付近の臨港道路。
黒い部分が建設未定のまま
物流交通の主となるのが上図のオレンジで示した矢印となるため、2004年にベイブリッジ下部部分に国道357号が開通したことで、交通需要がある程度満たされているそうだ。そのため、必要性という意味で、山下埠頭付近の臨港道路は未着手の状態が続いており、未だに目処は立たないらしい。
臨港道路の計画が大規模なものであるため、一つ一つの需要や必要性を見極めながら計画を遂行していると千葉課長は話す。道路は、需要の高まりと金銭面、必要性を考え、ゴーサインを出すのが非常に難しいそうだ。
まとめ
今回、調査の対象とした地下道は、みなとみらいの開発と一帯で作られたものだった。開通させないのは道路維持費を無駄にしないためであり、周辺開発とのバランスで最後の整備を待つ状態である。
しかし、考えようによっては開通を控えているのは行き届いたコスト管理だと捉えることもできる。それより問題なのは、開通させ年々維持費を重ねていながら、全く需要が無い道路だ。
今後は、市内に数ある道路や橋などの中から必要性が疑われるものをピックアップし、調査を進めたいと思う。読者の皆さんも思い当たるものがあれば是非、編集部までご連絡いただきたい。
― 終わり ―
ushinさん
2012年09月21日 15時42分
「黒い部分」大さん橋の根本を抜けて、氷川丸の沖合をかすめる海底トンネル。おそらく沈埋函工法になるんだろうが、なかなかの工事に成るだろう。今後の大震災にも耐えないとイケないし。でも出来たらいいですね。公共事業=道路と聞くと、すぐに利権だとか無駄遣いと言っておけば「オレ正しい」・・・みたいなアホ議論がよくありますが、田舎の高速道路はさておき(あれだってクルマしか頼れない急ぎの移動はあるだろうに)都会の街なかの通過貨物をバイパスさせるなど、必要な公共事業は確実にある。
Nicksさん
2012年06月09日 00時46分
横浜都心を抜ける際は渋滞が多く時間がかかりますから、通過車両にはバイパスがあると便利です。関内やMM内部の車両圧を緩和する意味でも大事ですし、国際競争力を落としつつある横浜港の再生にとっても大型コンテナが一般道と分離して走行できる港湾道路は必要でしょう。そもそも横浜市は都市計画道路整備が大都市では最も遅れてきましたから、市内のネットワーク化の遅れや一体感の不足が問われてきた背景があると思います。市内都心部から市域周辺に延びる放射型道路の整備も遅れていますし、環状型道路も環状3号線や4号線が全線開通せず、環状2号線を除くと中心部を迂回して南北を結ぶ幹線道路が無い状態です。無駄と揶揄される農村部の公共事業と同列比較できないものですから、横浜市内で生まれ育った人達には、都市計画策定から何十年たっても事業化や着工されないことや完成できない事に疑問を持つことのほうが多いかもしれませんね。