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横浜のマニアックな飲食店街がある「アカデミービル」の正体は?

ココがキニナル!

横浜駅西口から少し歩いた場所にある「アカデミービル」がキニナります。予備校が入っているからアカデミービルという名前だったら短絡的すぎて笑えます。いつから予備校があるのかもキニナります。(はみパンさん)

はまれぽ調査結果!

アカデミービルは約40年前に建てられ、教育関係のテナントが多く入居していた。2018年に取り壊し予定。

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ライター:山崎 島

アカデミックなビルの地下飲食街(つづき)

外観からなんか色気が漂うスペインバル「primero(プリメロ)」。


わわ


一歩入るとガラッと雰囲気が変わる


まるで外国の路地裏のお店に来たよう。きっとここも隠れ家だな!!

お店のあれこれについて聞いたのは社長の八木さん。お写真はNGだったがナイスガイでしたよ。

八木さんはもともと都内の飲食を経営する会社で修行をされ、2012(平成24)年に独立。その1店舗目として同ビルに店を構えた。「ここ、立地が最悪でしょ。だからここにしたんです」と八木さん。

「“知らなければ来られない”場所が良かったんです。歩いていてふらっと入る場所って家賃が高いから。お客さんも安定しない中、そういう場所でお店をやるのって、すごく難しいんです。立地が良くない場所でも、いいお店ならちょっと歩いてでもお客さんは来てくれるわけだし。それに家賃を抑えられれば、その分原材費に充ててお客様に還元できますし。¬横浜にしたのは、特に何も決めてなかったんですけど、難しい物件を探していたら、たまたま横浜になりました」と目から鱗。

都内でカフェバー文化を作った会社など、3社で学んだ飲食業のノウハウを生かし、この独特の影があるお店を作り上げられた。


伝説的なフラメンコダンサーのレアなポスター


横浜にスペイン料理が少ない上に、現地のレシピで作る料理が、口コミや雑誌の取材などで評判が広がった「primero」。現在は蒲田に2号店もあるそうで、ぐんぐん大きくなっていくんですね。

もう別れた彼女と飼い始めたチワワをこよなく愛す八木さんが、自信をもっておすすめするメニュー3品ご紹介。


まずは立派なアカエビを丸々使った「海老のアヒージョ(850円)」


お行儀よく並んだエビがかわいい。こちらは頭からしっぽまでばりばりいただける。エビの味噌の出汁が効いた濃厚なオリーブオイルに、エビ自身を浸して食べる贅沢さよ。


こっれは絶品


ふっくらのパンもおいしい。

それからカウンターにあるセクシーな豚の足から切り出したハモン・セラーノとチョリソーの盛り合わせM(800円)。


こちらが


このように


ほ、本当の生ハムってこういう味なんだ・・・とショックだった。私が今まで食べていた、あの生ぬるい何かは何だったんだろう。この一皿があるだけで、どんなお酒もおいしくなるな、と思った。

続いていただいたのは崩れんばかりのアサリがもりもりの、バスク風アサリご飯(1680円)。


ダイレクトな名前


アサリの旨味と塩加減が絶妙なこのごはん。おつまみと締めの二役をこなすであろう、できすぎな一品。仕事以外で遊びに来てたらへべれけになること間違いなし。

「スペイン料理は塩が命なんですよね」との通り、絶妙な塩加減。スペイン料理を食べたのはじめてで「素晴らしい初経験」でした。

スペイン語で一つ目という意味の「primero」。雰囲気のある空間で、リーズナブルで本格的なスペイン料理を堪能できる。同店も2年後に向けて移転先を探し中だそうで、編集部・山岸は切実に編集部付近をすすめていた。

その後、お隣のフォーク喫茶「元気です」にも少しお邪魔した。


ステージのある店内


こちらは、昼は喫茶店、夜はフォークソングを愛する人が集う場所になる。ご店主の島田さんにお話を聞くと「4年前にオープンしました。やはりフォークが好きなお客さんが来て、オープンマイクの時はステージで演奏したり、ほかのお客さんとセッションしたりしています。フォーク以外にもいろんな音楽のイベントを催したりしています」とのこと。


突撃取材にもかかわらずにこやかに対応してくださった島田さん


店名は吉田拓郎さんの曲名にちなんでいるそうで、音楽好きな方は熱くなれそうなお店だった。

そのほか、店構えから渋い和風居酒屋や、カレーの匂いの発信源「エベレストキッチン」があるが、取材拒否やご店主とのコンタクトが取れず、今回はご紹介することができない。が、どちらも魅力的なお店なので、個人的に行ってみようと思います。


にぎやかな色合い




アカデミックが唸るビル



過去には教育関係のテナントが多く入居していたという同ビル。現在も3校、予備校が入っていた。そしてすでに撤退した団体の名前もある。現在入居している予備校を回って話を聞いてきたが、ここ数年で入居した塾などが多く、ビルの命名の理由など過去については知らないようだった。


今は寂しい入居状況


3階の「東京学力会」で1982(昭和57)年以前から専門学校が存在していたことがわかる


7階に足を踏み入れたとき、雰囲気ががらりと変わった。


なんかエレガントな感じ


ここは一体・・・


この先にあるフロア内の麻雀教室「横浜アカデミーM.J.スクール」で興味深い話を聞くことができた。

こちらの麻雀教室は現在100人ほどの生徒さんを抱え、約20年前からこのビルで運営している。


この日は10名ほどの生徒さんが麻雀に興じていた


講師の板倉さんのお話では


「かつてこのビルには予備校や高校へ行けなかった人たちのための学校など、教育関係の機関がたくさん入っていました。生涯学習の機関も入っており、この教室はその1つの科目でした。2015(平成27)年その財団法人から外れ、今は私ともう1人の講師とで運営しています」とのこと。

こちらはれっきとした「教室」のため、飲酒や喫煙などは一切禁止。イチから麻雀について学ぶことができる。頭の体操にはとても良いみたい。

7階については、約8年前まで結婚式の披露宴会場があったそう。なるほど、エレガンスなあそこはそういうことだったのね。8階にはチャペル、9階には居酒屋やカラオケ店などが入っていたのだとか。閉鎖した理由は不明。ああ私ここで結婚式挙げたかったなあ、全然予定ないけど。


結婚式場の名残と思われる看板


エレベーターひとつとっても、昭和の渋い魅力が詰まる「アカデミービル」。名前の由来も明確ではないが、やはり教育関係の運営者が多く入居していたため名付けられたのでは、とみなさんおっしゃっていた。多くの学生が青春を過ごし、地下ではたくさんの人情が交差したであろう同ビルが取り壊されてしまうまで、力の限り通おうと思います。



取材を終えて



カッコイイビルだった。横浜のこういう趣あるビルをこれからも発見と発信していきたいです。

―終わり―

横浜アカデミービル
住所/横浜市神奈川区鶴屋町3-32

うえちゃん其の2
電話/045-534-6335
営業時間/11:30~23:00
定休日/毎月第4日曜

primero
電話/045-317-6334
営業時間/月17:00~23:00、火~金11:30~15:00、17:00~23:00、土・祝日11:30~23:00
定休日/日曜
 

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  • ここは「横浜アカデミー」という予備校が建てたビルとのことで、なぜか地元の広告会社と揉めてしまい、東京にある元の勤務先広告代理店が扱ってました。横浜の会社は地元企業が嫌いな方もいらっしゃるようで、こういうと反発されるかもしれませんが、事実を変えることは難しいし運営母体が「茅ヶ崎中央病院(関内のふれあいホスピタルと同じ運営団体)」に替わってからはかなり変化している様子。

  • 40年前、このビル内にあった、「横浜アカデミー予備校」に通っていました。確かに大手予備校ではなっかたけれど、個性のある先生方がいました。生徒同士でも仲良くなって、大学生になってもよく会っていたし、成人式後も彼らとお祝いしました。地下にあった「you」という喫茶店にもよく行っていました。

  • 自分は30代後半ですが、中学生の頃このビルの「横浜アカデミー」に通っていました。ビルの名前が短絡的と笑うなかれ。大手予備校ではなかったかもしれませんが、良い先生がたくさんいましたよ。理解できる楽しさを教えていただき、第一志望の高校に合格しました。確かに当時からなにやら趣深い建物ではありましたが、取り壊しですか…。残念です。

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