宮司による横領が問題となった「本牧神社」、その後の動きは?
ココがキニナル!
宮司による寄付金の横領が疑われている「本牧神社」、現在の状況を教えてください。
はまれぽ調査結果!
9月22日、横浜地裁で損害賠償請求訴訟の第1回口頭弁論が開かれました。本牧裕司被告は横領行為を否定し、宮司の身分を主張し続けています。
ライター:河野 哲弥
「利益相反行為があった場合は代表役員を選任できる」って何?
ここで気になったのは、前回の取材で本牧神社側が、「(宮司の身分は)禁固刑が確定されない限り解雇などはできない」と言っていたこと。先ほどの「代表役員の選任ができる」とは少し食い違っている。
そこで今度は「神社本庁」に電話取材をしてみた。対応頂いたのは事件対応の秘書部の方。
名前は出さないでほしいと言っていたので、仮にSさんとしておこう。
神社庁へ今回の事件に関する質問を投げかけてみた
Sさんによれば、神社には通常複数の「責任役員」がいるそうだ。例えるなら一般の会社の取締役みたいなものだろうか。
そしてその中から「代表役員」をひとり選出し、法務局に登録しているとのこと。通例この「代表役員」が宮司を兼ねる。
そして宮司の身分は、宮司本人に執行猶予も含めた禁固刑が下されるか、自分から職を降りない限り失職しないそうだ。
要はみだりに解雇できないということである。
一方、今回原告側が主張している「代表役員の選任」は、宮司を解雇したい場合などに責任役員の名義で神社本庁に具申するあくまで「お伺い」に過ぎないとのこと。何かしらの行為があったからすなわち解雇とはならないらしい。決定は、あくまで本庁の統理職が諸事情を鑑みて行う。
次に、その辺の事情をどこか別の神社に聞いてみることにしよう。
以前、宮前商店街の「提灯祭」を取り上げたことがあったので、そのツテで、神奈川区の「洲崎大神」に連絡してみた。
すると、電話でなら応じられるとのこと。
神社で買ったら神社のモノ、が大原則
お祭りのときの「洲崎大神」の様子
対応頂いたのはかれこれ50年宮司を務めるY氏。
事件のこともご存じで、開口一番「神社が宮司を訴えるなんてありえない」と話していた。
Y氏によれば、そもそも宮司は神社を代表しているので不可分とのこと。つまり、「神社=宮司」というわけだ。
さらに、指輪だろうが祭礼船だろうが、神社の口座で購入したモノは形式上、神社の所有物になる。
本牧裕司個人の私物とは言い切れないので、「横領」とは断定できないんじゃないか、と続けた。
今後、本牧神社と本牧氏の争いはどのような終決に向かうのか
確かに違法性があるかといわれると疑問が残る。現に一般企業でも、投資目的で株券や貴金属を売買することはある。刑事訴訟が進められないのもその辺に原因があるのだろうか。
一方民事であっても、Y宮司の言うように「神社で買ったら神社のモノ」という見方もある。
果たして横領は認められるのだろうか。
次回の口頭弁論の続きは11月14日に行われる。
この複雑に絡み合った諸事情を裁判長がどう裁くか、非常に興味のあるところだ。
引き続きこの事件を追ってみたい。
―終わり―
maopapaさん
2011年10月21日 09時57分
結局の所、神社=宮司という図式がある以上、仕方がないというのが今回のレポートの結果ですか?Y氏の話だけで宮司の在り方を判断していいものか…またY氏も同じことをやっているのではないか…ということが考えられる。要はお馬様の記念館を建てるために氏子から寄付されたお金が、指輪に使われたことは横領に値しないのではないかということを、Y氏が言っていることなんですね。(ちなみに指輪はどこにあるのか所在不明だと聞きました)
gogovfwさん
2011年09月27日 15時32分
氏子ではありませんが、近くに住んでいる者です。25年くらい前に、鎌倉の明月院で住職がギャンブルにのめり込んで借金まみれになった挙句に寺の土地を勝手に処分してしまい解職されたことがありました。寺と神社は違うのかしれませんが、同じ様な処分はされないのでしょうか?