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かつてみなとみらいで計画されていた幻の「F1」構想とは?

ココがキニナル!

横浜青年会議所が主体となってMM21にて計画されていた1987F1日本グランプリ、鈴鹿に土壇場で逆転されました。1986年に配布されていたパンフレットを再度拝見したいところです(絢瀬 絵里さん)

はまれぽ調査結果!

1985年から本格的に始動したF1グランプリ誘致計画。横浜決定直前にホンダが鈴鹿誘致へ大きな動きを見せ、横浜はF1グランプリ開催を惜しくも逃した

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ライター:はまれぽ編集部

F1グランプリはなぜ開催されなかったのか?

(つづき)

 

 発展をとげ、夜景の似合う街に

 
確かに、現在のみなとみらいには「パシフィコ横浜」や「ヨコハマグランドインターコンチネンタルホテル」などの大型会議施設や宿泊施設が整っている。もし、ここにMM21開発とあわせてF1サーキット場が竣工され、世界的な人気を誇るF1グランプリの誘致が成功していたとしたら、横浜市の認知度も世界的に上がり、さらなる発展が望めただろう。

横浜JCは翌1984(昭和59)年、当時の理事長である宝田良一(たからだ・りょういち)さんと副理事長である山本洋一(やまもと・よういち)さんら、横浜JCメンバーの3人がメインとなり、F1誘致を現実のものにするため、本格的に始動する。

 

 1986(昭和61)年に「F-1アンケート実施」とある

 
1985(昭和60)年にはF1グランプリ誘致を第3回経済人会議で正式に提唱。また、この後に横浜市民向けにも発表を行った。翌年に「横浜どんたく祭」にてF1誘致に関する市民アンケートを開催。この2年間の内に、横浜産業貿易センターにて計画模型の展示、ポスターなどで誘致の周知を行なった。徐々に市民にも認知され、F1グランプリ誘致は現実的なものへと近づいていた。

 

 こちらが当時配られていたパンフレット

 
F1誘致が現実味を帯びてきた一方で、大規模なイベントによる治安の悪化を懸念した神奈川県警や横浜商工会議所の一部と折り合いがつかなかった。

その穴を埋めるため、1986(昭和61)年、当時のF1最大スポンサーであるフィリップモリスのマーケティングマネージャーと話し合い、横浜シティグランプリのイメージビデオを作って根気強く各所への説明を行った。

 

 開催時を想定した組織図(約30名)も作成(経済人会議資料より)

 
「誘致に向けての地固めは着々と行っていて、もうメディアも市民も“ほとんど横浜で決定”と思うところまで来ていたんですが・・・」

しかし同年、まさかの大逆転で鈴鹿がF1グランプリ誘致を獲得したのだ。

 

 鈴鹿のホームストレート(画像はフリー素材より)

 
「最初、鈴鹿は横浜に比べると誘致に乗り気ではなかったんです。ところが、ホンダ創業者の本田宗一郎(ほんだ・そういちろう)氏がホンダの最終顧問にいる間、まさに“本田氏の目が黒いうちに”錦を飾りたいと、直前にホンダが全社を挙げて動き出しました。また当時大人気だったF1ドライバー、アイルトン・セナもホンダエンジンに深い興味を示していたため、大逆転で鈴鹿になってしまったんです」

なんと、本当に直前でのどんでん返し。横浜市民としてはみなとみらい市街を走るF1が見てみたかった。もしかするとみなとみらいがモナコのようになっていたのかもしれない。

 

 美しいみなとみらい地区。ここに横浜JCの努力がある

 
「残念ながら、F1グランプリは誘致できませんでした。しかし、もともとF1グランプリ誘致は多々ある手段の内のひとつにしか過ぎません。赤レンガ倉庫の商業利用など、JCが横浜を良くするためにできること、進めるべきことをひとつずつ行っていったんです」と、加藤さんは話してくれた。

 

 1985(昭和60)年、埋め立てが進むみなとみらい。(横浜市史資料室広報課写真資料より)

F1グランプリ誘致という大きな夢をあと一歩のところまで近づいた、横浜JC。誘致は惜しくも逃したが、現在のレジャースポットとなった赤レンガ倉庫や横浜開港祭も、F1誘致のような横浜への愛と若き情熱が積み上がって作られたと考えると感慨深い。



取材を終えて


 
最後に、殿内理事長は「横浜JCは、今後も先輩方が築いたJCメンバーとしてのスピリットを引き継ぎ、直接まちづくりに関わる運動展開を進めていくべきと考えています。行政・企業・NPO団体などと連携し、互いのメリットを生かして大きな力を発揮していきたい」と話してくれた。

 

 参加し、体験する楽しみにあふれた開港祭になりそうだ


6月1日からは加山雄三さんが『THE KING ALL STARS』として出演する「横浜開港祭」が開かれ、さらにバーチャルタウンとして横浜各所の魅力を届ける「横浜スマイル区」など、横浜の歴史や面白さを再発見できるイベントを打ち出していく横浜JC。これからの活動も楽しみだ。

 
―終わり―
 
 
一般社団法人横浜青年会議所
公式サイト/http://www.yokohama-jc.or.jp/
Facebook/http://www.facebook.com/yokohama.jc/
 

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  • 事実誤認の部分があります。'86にいきなり鈴鹿が開催権を掻っ攫ったような言い方してますが・・・・。実際鈴鹿は乗り気じゃなかったわけではなくバイクの8時間耐久で10万人以上のキャパを捌くノウハウもあったし1983年ころから相次ぐコース改修や設備の増改築をFIAの指摘を受けて何度も行っていましたよ。1984年あたりからは改修のロードマップも明らかになってカウントダウン状態であることを当時のオートスポーツ誌が記事にしています。ちなみにFIA関係者はヨーロッパF2廃止の原因をホンダに転嫁していたこともあり、鈴鹿での開催に最後まで難色を示していました。日本で開催したいが東京に近い富士は廃止問題や設備の老朽化等でそれどころではなかったところへ横浜が名乗りを上げてという流れ。F1ではなかったがF2やF3で別府や熱海が計画案として浮上したりしました。

  • コースが凡庸。寿町を駆け抜けるとか野毛山のヒルクライムがあれば面白い。

  • できれば山下公園の前の通りをホームストレッチにして欲しかったなぁ…。

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