マニアックで怪しさ満点、三崎の「ツウ」スポットに突撃!
ココがキニナル!
三崎の「蓮華」。ママが個性的。平日は醤油さしが詰まって醤油が出ない。二階は怪しげなアジア風飲食店/葉山商店という古い建物がどうなってる?海南神社に若者が増えてる?(ポスポスさん、横浜の美食家さん)
はまれぽ調査結果!
蓮花(れんげ)は韓国風、2階の「トムヤムクン」はタイ風のマグロ料理、葉山商店は手打ちそば店。海南神社は、開運や縁結びに来る女性が増加
ライター:やまだ ひさえ
三崎に新しい風 手打ちそばの店
1929(昭和4)年、三崎魚市場が新設されたことで遠洋漁業の基地として繁栄を極めた三崎には、全盛期の面影を残す建物が残っている。
2016(平成28)年6月7日、プレオープンを迎える「手打ち蕎麦 葉山商店」は、そんな歴史的遺産を甦らせた店だ。
昭和初期に建てられた店舗を利用
三崎で代々、船具や漁具を扱っていた葉山商店が店をたたみ、競売にかけられたのを買い取ったのが、シー・エフ・ネッツ代表取締役の倉橋隆行(くらはし・たかゆき)さん。
オーナーの倉橋さん
三崎と三崎の食べ物が好きでよく遊びにきていたという倉橋さんは、2007(平成19)年、好きが高じて三崎に転居。
以来、酒宿「山田商店」、マグロと地魚料理の店「三崎港蔵」など古き良き三崎の佇まいを生かした店舗を展開している。
酒宿「山田商店」
三崎港蔵は葉山商店のお隣
倉橋さんの店づくりのコンセプトは、歴史的価値を残しながら次の100年につなげる街づくり。葉山商店にもその精神が生かされている。
看板はそのまま、店名もそのまま残す
神棚も建具も当時のまま
戦前の商家で店と住居の間に使われた大阪格子戸(おおさかごうしど)が、時代を感じさせる。店先に「手打ち蕎麦 葉山商店」の暖簾をかけるそうだ。
床の間に欄間(らんま)、豪商の佇まいだ
新たな息吹を与えられた同店を任せられたのが、三浦市出身のそば職人、大石悟(おおいし・さとる)さんだ。
そば打ち歴10年の大石さん
「三浦市にはおいしいそば屋がない」という大石さん。
自分の腕を生かした店を持ちたいと考えていた2015(平成27)年春、ラジオ出演していた倉橋さんが、「物件はあるが人材がいない。三崎を盛り上げてくれる人を探している」と話しているのを聞き、この人ならと連絡。
一方の倉橋さんも、大石さんという人材を得たことで葉山商店をそば店にすることを決定。倉橋さんにとって三崎で10軒目の店だ。
プレオープン前だが、大石さんがそばを打ってくれた。
熟練の技がひかる
そば粉は試食をし、その時々で一番おいしいものを仕入れる。
温泉水を使ってこねる
こねるために使うのは、長野県の湯里湖(ゆりこ)温泉の温泉水。pH9.9という高アルカリの温泉水を使うことで、コシ、粘り、味が増す。倉橋さんが見つけ、大石さんが惚れ込んだ温泉水だ。
通りを行く人が思わず立ち止まる
盛り付けにもこだわっている
器は倉橋さんのお店ではお馴染みの、大英博物館で日本人陶芸家として初めて個展を開いた澤田痴陶人(さわだ・ちとうじん)もの。
海藻の一種、アカモク入りのとろろそば
湯里湖温泉の温泉水で打ったそばは、味はもちろんだが、コシがものすごく強い。
噛むたびにそばの風味が広がる。
地産地消に力をいれたいという大石さん。アカモクもだが、野菜や卵など三浦半島で栽培したものや採れたものを使っている。
三浦半島の野菜はレベルが高い、と大石さん
卵も地ものだ
プレオープン後しばらくは、土・日、祝日のみの営業となるが、姉妹店である「蔵」でもそばを食べることができるそうだ。
平日のそばの注文は「蔵」へ
三浦半島最南端 ご利益満載の神社
葉山商店から奥へ目を転じると、こんもりとした緑が見える。最近、若い参拝客が多いとキニナルの投稿にあった、海南神社。
葉山商店から徒歩で2分もかからない
海南神社
海南神社は、982(天元5)年に創建された相州三浦の総鎮守。1世紀以上にわたり三浦の地を見守り、人々に愛されてきた神社だ。
地元にとってはなじみ深い神社だが、なぜ、近年、若い女性の参拝客が増えているのか、宮司の米田郷海(よねだ・さと)さんにお話を聞いてみた。
宮司の米田さん
米田さんによると、近年、海南神社の参拝客の7割が若い女性で、商売をしている人の参拝も多いという。
以前取材した際、京浜急行電鉄株式会社鉄道本部営業企画課の伊藤綾香(いとう・あやか)さんは、「『みさきまぐろきっぷ』」を利用する若い人が増えていると話していた。実際、米田さんもまぐろきっぷ利用者の参拝が増えている言っている。
パワースポットとしても有名な海南神社に参拝にきていることは大いに考えられる。
まず、商売をしている人が多いという理由として考えられるのは、同神社が、全国でも珍しい食の神さまを祀っていることだ。
マグロを携えた食の神さま
また、ご祭神が、藤原資盈(ふじわら・すけみつ)と藤原盈渡姫(ふじわら・みつわたりひめ)という夫婦の二柱というのも、縁結び、幸せな結婚を願う若い女性が注目するには十分な理由だ。
ご祭神は非公開だが、絵馬にその姿が描かれている
さらに、境内にもう一つ縁結びにつながるものがある。
この地を治めた三浦一族の主君にあたる源頼朝手植えと伝えられている雌雄、2本のイチョウの木。樹齢800年といわれる同神社のご神木だ。
雌木
枝から垂れ下がっている乳根(ちちね)に触ると、母乳の出が悪い女性の乳が出るようになったと伝えられている。
雄木。龍の顔に見える
昇り龍に見えることから運気アップにつながると、パワースポットとして人気がある。
落葉するとその姿が鮮明になる
海南神社は、昔から海難から守ってくれると、地元の漁業関係者の信仰を集めてきた社でもある。「海難」を「解難」と置き換えることで、難を解くと考えられ合格祈願のご利益もあるといわれている。
商売繁盛、縁結び、夫婦円満、運気アップ、合格祈願。女性なら興味のあることばかりだ。これが女性の参拝客が増えている理由かもしれないが、海南神社自体は、1000年の昔から変わることなく、三浦の人々を、訪れる人々を見守ってくれている。
昔と変わっていない
取材を終えて
衰退の一途をたどっていると思っていた三崎の街に、新しい風が吹いていた。
地元民ライターの筆者にとっては、それが何より感激だった。
―終わりー
蓮花
住所:三浦市三崎5-2-6 香山第2ビル1階
電話:046-882-0035
営業時間:10:00~19:00
定休日:金曜日
トムヤムクン
住所:三浦市三崎5-2-6 香山第2ビル2階
電話:046-881-0860
営業時間:11:30~21:00
定休日:月曜日
手打ち蕎麦 葉山商店
住所:神奈川県三浦市三崎3-2-22
電話:問い合わせは臨店の「蔵」まで 046-884-8551
営業日:プレオープン後はしばらく土・日を中心に営業
海南神社
住所:三浦市三崎4-12-11
電話:046-881-3038
ポスポスさん
2016年06月07日 11時55分
さっそく蓮華、取材していただきありがとうございます!そうそう、ママこの方です!!そうでしたか、ママは韓国籍だったのですね~。初めてお邪魔したときのインパクトは結構強烈でした!!お通しの盛り合わせ、ホホ肉の塩焼きがやみつきです!!そしてみそ汁も美味しいんです!!また涼しい秋になったらお邪魔しようかな~。
八景のカズさん
2016年06月07日 06時57分
先日まぐろラーメンを食べに行き、その後周囲を散策していると、かなり個性的な店が多いなと思いました。ちょくちょく通って店中制覇しようとしてもかなり日数がかかりそうで、しばらく飽きないですね。ただ難点が!車で向かうとき、まともに国道を通ると所々渋滞にはまり時間が読めない。バスでも渋滞でダイヤ通りに着かない。半島中央を走っている県道や市道を上手く通っていかないと早く着かない。現地の駐車場がちょっと不便で繁華街付近にはまず無いに等しい。よって港近くの駐車場に止めて、少し歩くはめになる。