市営バスに隠れボタン? 低すぎる謎の位置にあるボタンの正体は?
ココがキニナル!
市営バスのこの停車ボタンは誰が押すために設置したのか?低すぎて今まで気づきませんでしたが、キニナル?(はまっこ045さんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
座席下に設置された降車ボタンは車イス利用者専用だった。2015年版の新“ノンステップバス”を大解剖!
ライター:カメイアコ
ついに、ボタンの秘密が明らかに!(つづき)
誰が乗っても快適なバスであるために
政府は、2025年度までにノンステップバスを各バス会社に7割普及させることを推進している。一方で市営バスは現時点で約93%の普及率となっており、ノンステップバスが市内中を走っているという。「バリアフリー対策は早い段階から取り入れるべきだと考えていました」と須藤車両係長。
横浜市はバスの利用者も多く、市民から「もっとこうしてほしい」というバスに対する要望もある。体の不自由な方も安心して乗れるバス作りを目指してきたのだ。
荒木さんは、「バスはマイホームを建てるのと同じ。各々のバス会社で独自のカラーを出していますので、比べてみると面白いと思います」と話す。横浜市営バスにも横浜らしい要素を取り入れているという。
横浜市営バスオリジナルのパンフレットケース
ベイブリッジやマリンタワーが描かれたオリジナルのシート
バス車両予算内でメーカーと調整しながら、オリジナル要素を取り入れたバスを使用している。また、ノンステップバスは、色覚障がいを持つ方も見えやすいように、明度差をつける決まりになっていて、暖色、寒色をうまく使い分けている。
シートは青
手すりはオレンジ
床は黒
天井は薄いグレー
バスの中ってまじまじと観察したことがなかったので、「そうなんだ~」と新しい発見がたくさんだ。
旧型05版と新型15版の大きな改善点とは
新車体の15版は10年前の05版と比べて、改善された点があるという。大きな違いは2つ、車イスを固定するバンドとスロープ板の着脱が、より簡易になった点だ。
今まで車イス利用の方が乗車するとき、着脱式のスロープ板を使用していた。しかし、わざわざ持ち運びしなくても良くなるように、折り畳み式のスロープ板を導入した。
ステップにあるフックを持ち
引き上げると裏側はスロープ板に
ものの数秒でご案内へ!
さらに、車イス用の固定ベルトが車体に備え付けになった。ちょうど車のシートベルトみたいなもので、先端にフックが付いた固定ベルトを引っ張りだし、車イスに直接引っ掛け固定する。
車イス用の固定ベルトが備え付けに!
車イスに直接引っ掛けるので従来より短時間でご案内から固定までができる
これまでは専用ベルトを乗務員が持ってきて、床の金具に引っかけていたが、変更後は簡単に、スムーズに固定できるようになった。
従来のやり方。床の金具に専用ベルトを引っかけ、車イスを固定する
ただ、電動車イスなど比較的大きな車イスも普及してきたので、従来のやり方でも対応できるように2パターンの固定方法で準備している。
この2点の改善によって、乗務員の負担が減るだけでなく、車イス利用者がもっと気軽に、気兼ねなくバスに乗れるようになった。車イスの乗り降りがスムーズであれば、ほかの利用客も「何かお手伝いしたいけど、どうすればいいのだろう」というもどかしい時間を過ごすこともなくなる。
15版は、優先席にも違いが!
あれ、横並びの席がない
「旧型のノンステップバスは、横向きの優先席の下に燃料タンクを積んでいました。しかし、横向きの座席は足が通路側に出てしまい、通路が狭くなってしまうデメリットがありました。そのため、新しいモデルからは座席を縦に3席設置することが定められました」
これまで座席の下にあった燃料タンクは、左前付近のボックスになっている
車イスがあっても、かなりゆとりを感じられる
燃料タンクが前方に積まれたので、着座数は多少減ってしまったが、車内が広く取られるようになったため乗車定員は増えたとのこと。
ベビーカーも畳まず乗せてOK(混雑時以外・車イス優先)
横浜市営バスはこれまでもベビーカーが利用できるように、独自に決まりを定めて運行してきたという。「オリジナルのステッカーを作って、ベビーカーをそのまま乗せられるようにしていました。バスのベビーカー利用はあまり一般的ではない時から行っていたので、メディアにも取り上げていただきましたし、私たちの取り組みに注目して、ほかのバス事業者にも広がっていきました」
こちらが当時のオリジナルステッカー
“はまりん”も思わずピース
「車イス利用のお客様やベビーカー利用のお客様にも気兼ねなくもっと利用してもらいたい」と須藤車両係長は呼びかけた。
車イスもベビーカーも当然バスに乗れるものだと考えていたが、実は全国的に見ると“当たり前”ではないということが分かった。もし、車イスやベビーカーでの乗車を躊躇している人がいるのなら、思い切って飛び乗ってみてはどうだろう。思った以上に快適に過ごせるのではないだろうか。
取材を終えて
バスって驚くほど緻密に設計されているんだなぁと驚いた取材だった。知られざるバスの機能、小学生だったら自由研究の題材にしただろうなと思うほど面白いものだった。
―終わり―
濱俊彦さん
2016年07月18日 12時02分
車イスの乗り降りへの対応は、次期バージョンのバスではさらに進化していただきたいです。現行バージョンは、以前から比べれば良くなったとはいえ、車イスの方が乗る時も降りる時も運転士さんがいちいちバスから降りてあれこれ設置しなければならないので、運転士さんへの負荷が大きそうです。あれだけおおごとだと、お乗りになる車イスの方も気が引けてしまうのでは、と毎回思ってしまいます。乗り降りに時間を要すれば運転士さんにはさらに定時運行へのプレッシャーもかかるわけで、ノンステップだけでなく乗り降りのサポートもある程度機械化できるようになるとイイですね。
ホトリコさん
2016年07月17日 12時18分
運転手のマナーは人それぞれ?で良いのか?ってくらいに幅があります。歩行者側になれば、保土ヶ谷橋交差点の一般ドライバーどもの「イケイケ」殺人的な凶悪運転には毎日ヒヤヒヤですよ。
よこはまいちばんさん
2016年07月15日 09時59分
設置当初から知って(見えて)いました。今回の本文掲載写真にはありませんでしたがボタン直近に「車イス専用」とかのシールが貼られていたような・・・。使用頻度は低くとも、必要とされる方にとっては使い勝手が大きく左右される点については今後も各社と情報を共有してキチンと対応を望みます。加えて利用者にとってダケでなく、乗務員さんの負担が少しでも軽減出来るように!自分は関係者ではありませんが、違法駐停車が常の環境で、ワンマンでの車内外対応は見ていて過酷ですよね!