JR大船工場跡地はどうなる?
ココがキニナル!
JR大船工場跡地の集合住宅部分が解体され更地となりました。ショッピングモールができるとの噂もありますが、実際はどうなんでしょうか?かなり広いのでとっても気になります。(けろこさん)
はまれぽ調査結果!
現時点では土地をどのように利用するかの計画案までが決定しているものの、いつどんな建物が建つのかなどの細かい部分は未定。
ライター:福原 麻実
鎌倉市の予定している「まちづくり」は?
では、鎌倉市はどういった街を想定しているのだろう? 詳しく伺うことにした。
深沢地域整備計画事業では2004(平成16)年にまちづくり基本計画を策定し、2010(平成22年)にできた土地利用計画案に基づいて街づくりを進めてきた。
しかし、地元のまちづくり団体からの陳情が採択されたり、深沢地域がごみ焼却施設用地の建設候補地となったこともあり、2014(平成26)年に都市計画決定の手続きを見合わせることとなった。
その後、ごみ焼却施設用地の候補からは外れたが、陳情が採択されたことや社会情勢が変化したことにより、土地利用計画を修正する必要が出てきたため、計画を練り直し2016(平成28)年10月に修正土地利用計画案が確定した。
また、最近までコンセプトは「ウェルネス(心身ともに健康であり、それらを積極的に増進させようという姿勢で社会生活を送ること)」だったが、住民から「分かりにくい」という意見があったため、新たに7つの構成コンセプトを導き出し、新しいコンセプトを「人とまちのヘルシーエイジング 鎌倉深沢ウェルネススクエア」にしたそうだ。
新たに導き出された深沢地域の街づくりコンセプト
ヘルシーエイジングとは何だろう、と思ったら「人も街も年齢を重ねることをマイナスとせず、活き活きと暮らすことで時の経過とともに深みや味わいが育つ」という意味だという。
そして、そのコンセプトに基づいて作られた修正土地利用計画案が前述のこちら
最初に目に着くのは、土地の真ん中を通り街を東西に結ぶ幅20メートルのシンボル道路だろう。ここが地域の主要道路となる。ここを通り、県道と柏尾川を越えた場所には、藤沢市の村岡地区がある。今回の深沢地域整備事業は、この地区とも連携を図るという。
もう一つ目につくのが都市型住宅。建ぺい率や高さについては2015(平成27)年に開催したまちづくり意見交換会で検討し「建ぺい率20パーセント、中高層(31メートル、10階程度)」とする予定だ。建物1階の床面積を敷地面積の20パーセント以内に抑えるため、建物以外の敷地に充分なスペースが得られることと、中高層ビルは高層ビルより建設コストを抑えられるというメリットがあるそうだ。
しかし、どのような住宅が建つのか、具体的には今後決定していくという。
高層ビルを建てるとコストがかさみ、低層にすると建ぺい率が上がってしまう
このような集合住宅が複数建つことで小中学校の受け入れ人数の問題などは起きないのかと伺うと、児童・生徒数が少なくなっているので計画によってこの地域に住む子どもが増えたとしても受け入れ可能のようだ。
ピンク色の商業施設が建てられる街区は約4.8ヘクタール(48000平方メートル)と広大だが、詳細は前述の通り、未定。
行政施設については、計画案にあるように総合体育館や消防本部が建てられる。現在、体育館が近くにあるような? と思い尋ねると、公共施設再編の一環で、建て替えが必要なこの体育館も深沢地域に集約されるとのことだ。
業務施設は医療や福祉、子育て、健康増進機能をもった施設の導入を予定しているがどの企業が誘致されるかなどは未定である。
公園は市の文化財である「泣塔(宝きょう院塔)」に隣接し、歴史や自然とのふれあいを創出するという。
「泣塔」は1356(文和5)年に造られた墓や供養塔などに使われる仏教建築物の一つ
そして計画案の右端をよく見ると・・・湘南深沢駅も、深沢地域整備事業の区域内にあり、現在エレベーターやエスカレーターのないこの駅はバリアフリー化が図られるようだ。しかし、そもそもモノレールだけで増加する人口の輸送ができるのだろうか? と尋ねると、設置時期は決定していないが、東海道線に新駅開業の話があるらしい。
ここまでお話を伺って、確かに素敵だと思った。実現すれば鎌倉・大船に次ぐ鎌倉市における第三の拠点として機能することも可能かもしれない。
しかし、すべてはこれから。そう思わざるを得ないのが現状である。
現地の様子と、近隣の住民の意見は?
さて、まだ更地であるという現地を確認しに、今度は湘南モノレールで湘南深沢駅に移動した。
エレベーター、エスカレーターもない無人駅
深沢地域が整備されたあかつきには、ここも変わるだろう。
駅に隣接する形で、その土地はあった。
広い、としか感想が生まれないくらい広い
東西約700メートル、南北約400メートル。この更地が、事業スタートを待っている。
周辺の方々はさぞ期待しているのでは・・・と思い、近くのお蕎麦屋さんを尋ねた。以前はJRの関係者などが顧客だったので、集客の面で深沢地域整備に期待している様子だった。
モノレールのレールがすぐ前にあるのが印象的だった
競合店ができてしまうかもしれないが、それでも人がいなければどうしようもない、という思いがある。現に人の流れがなくなってお店を畳んだ人もいるようだ。
この地域の商店会では市に陳情などもしているようだが、話が進んでいないという。
厚いファイル。商店会の切実な思いである
また、集客の面だけではなく、駅周辺の道路が整備されることも切望しているそうだ。
駅前にしては狭い印象の道路・・・
さらにロータリーなどの車を一時的に停めるスペースが駅の近くにない。雨の日には送迎のための車が多く、非常に危険だそう。
しかもバスも停まる。ここに車がたくさん来ると道が塞がりかねない
さまざまな事情で時間がかかっているという深沢地域整備。
まだまだこれから、とは言ったものの、まだまだのんびり待つわけにはいかない人がいるのも現状である。利用者の安全確保のため、優先して駅前広場だけでも作っては? とも思うが、難しいのだろうか。
問題山積の更地から「鎌倉市第三の拠点」が生まれるのはいつになるだろう。「はまれぽ」では進捗を今後も追っていく。
取材を終えて
現地取材の際、藤沢市にお住まいの二人のマダムにも、お話を聞かせていただいた。JR大船工場跡地について「更地になったのは最近だが、計画はずっと進んでいない」と話してくださった。
そして、開発によって立ち退きなどの影響を受ける知人がおり、今になって住む場所を変えるのはかわいそうだと、整備事業が進むことを望んでいない、とも。
立場によって、望むか望まないか、その意見は異なるようだが、それでもこの更地をこのままにしておくのはあまりに残念だ。なにより「計画が進んでいない」ことへの苛立ちや不満は時間が経つごとに増していくだろう。
そして、時間がかかるとさらに周辺の状況が変わって、再度計画を立て直すということにもなりかねない。
更地のままより、人の流れのある「まち」になればいいと思う
―終わり―
すしをさん
2016年12月08日 11時28分
ベルマーレに新スタジアム構想があると聞いて、ここに作ればいいじゃんって思ったけど残念ながら大船工場跡地は鎌倉市だからホームタウンじゃないんですね。自分が住んでいた場所がどう変化するか楽しみではあります。
浜っ子五代目さん
2016年12月02日 00時35分
横浜スタジアム12個分あるなら野球場作ってもらいたい!そして、東海道線新駅できればアクセス良く最高〜
Ver.321さん
2016年12月01日 20時13分
莫大な費用を掛けて土壌洗浄処理をしたところで言うのもなんですが、モノレールや周辺道路などの交通事情から考えると無理に開発せず工場とか誘致した方が地域のためになるような気がします。