わずか4秒に泣いたリベンジなるか? 箱根駅伝、古豪・神奈川大学の練習に密着!
ココがキニナル!
毎年恒例の箱根駅伝。予選会日本人トップの3年生キャプテンと、昨年4秒差でたすきをつなげなかった選手を擁する神奈川大学の意気込みは?(はまれぽ編集部のキニナル)
はまれぽ調査結果!
言葉ではなく走りでチームを引っ張る3年生エースと4秒差でたすきをつなげなかった悔しさのリベンジを秘めて12年ぶりのシード権獲得を目指す
ライター:田中 大輔
「悔しさは残してある」
もう一人、注目選手に話を聞いた。
前回大会で9区を走り、わずか4秒の差でたすきをつなげずに、目の前で繰り上げスタートを許してしまった大野日暉(おおの・はるき)選手(3年生)だ。
昨年の悔しさを胸に、箱根に挑む大野選手
1年前を「一人では抱えきれない部分もあったと思う」と振り返る大野選手は、「仲間たちに助けられてここまで来られた」と続け、「その恩返しとして走りたい」と話す。
もう引きずってはいないと言うが、悔しさが消えたわけではない。大野選手は「悔しさが残っている」ではなく「悔しさは残してある」という言葉を選び、「それがあったから、今年がある」と前を向いている。
周囲からはリベンジの声も上がるが、「個人としてそういう思いもあるにはあるが、それよりもみんなでシード権を取りたいという気持ちの方が強い」そうで、アップダウンが激しい5区で出場して区間5位以内に入ることを個人目標として挙げた。
課題だったスタミナを強化できたと話す大野選手
チーム全体については、「みんな、11月、12月で記録も出てきて、確実に力が付いてきている。勢いがある」と話し、大野選手自身も「上位勢がとんでもなく強いと感じることがなくなってきた。向こうがミスをすれば僕たちが上に上がる」と手応えを話してくれた。
本当の「戦える」
自信を深めているのは選手たちだけではない。チームを率いる大後監督も「シード権を狙えるポテンシャルはある」と言い切る。
ライバルとして、大東文化大、法政大、創価大、帝京大、中央学院大といった名前を挙げ、「この辺りには絶対に負けてはいけない。遅れを取れば、シード権は遠のいてしまう」と言う。
これまでも大後監督は「戦力は整った」と言い続け、自身でも「シード権、シード権と念仏のように唱えてきた」と話す。それでも、「今年の“戦える”は今までのものとは違います」と断言する。
監督として18年間、チームを見続けてきた大後監督
監督という立場上、頑張ってきた選手たちを思えば、今年はダメそうですとは口が裂けても言えなかったと胸中を明かした上で、「これまでは目標を果たせる実感がなくても、戦えると言わざるを得なかった。でも、今年は実感があっての“戦える”です」と力を込める。
その根拠のひとつとして挙げたのが、冒頭の29分05秒22という1万メートルの平均タイム。この数字は、出場校の中で9番目のタイム。つまり、シード権内のタイムだ。
もちろん1万メートルのタイムだけで決まるわけではないが、「自信の客観的な裏付けにはなる」と監督は話し、「勝負事だからいろいろな要素があるが、戦力としては整ったということ」と続ける。
穏やかな表情の裏に、熱い決意を感じさせる
これだけ心の内をぶちまけてまで「戦える」と繰り返す大後監督だが、あくまでも照準はシード権獲得に合わせている。
「絶対に、優勝するぞ! とは言わない。そういうことを言っていると、そもそも自分たちの力を出せずに終わる」とリアリスティックに考えていて、「なにかアクシデントでもない限りは上位に行くことはないんだということを肝に銘じて、最後の2週間を調整させないといけない」と語ってくれた。
取材を終えて
強化策を講じて6年目。大後監督は、ようやくその具体的な成果を感じているそうで、「今年も勝負だけど、今年よりも来年、来年よりも再来年とだんだん良くなっていくビジョンが見えてきた」と話す。
監督は、第93回箱根駅伝を「かつての神大の復活の礎になるようなレースにしたい」と位置付けている。
古豪、復活へ
幕開けの号砲は1月2日午前7時。
神大復活の序章は、どんなストーリーになるか。優勝争いとは違う場所で、プラウドブルーの戦いが始まる。
―終わり―
陽気なヘンリーさん
2017年01月29日 11時55分
見事 有言実行出来ましたね!ここ12年でシード確実と言われたのも四回くらいあったと思います。長く神大ファンを続けていてほんと良かったです!二区で青学を振り切った時は夢をみているようでした。復路もよくやった!今シーズン 三大駅伝トップスリーに絡む活躍を期待したいと思います!
マッサンさん
2017年01月02日 17時34分
復路は混戦模様だと思うよ。意外な学校がシード権獲得とみるが…。果たして??
黒犬べーやんさん
2017年01月02日 16時18分
はまれぽで記事を読んだ直後だったので、花の2区を走った鈴木健吾選手の大活躍には感動しました。区間賞、おめでとうございます。箱根の山登りの大野選手も大健闘でしたし、往路6位なので明日もレース展開がとても気になります。神大チームの皆さん、期待してますからね!