横浜で唯一のワイナリーが新山下に! 「ハマワイン」に込められた思いとは?
ココがキニナル!
横浜で、しかも中区でワイナリー、つまりワインを作ってる醸造所が出来た?「横濱ワイナリー」レポートお願いします!(くらんす@呼び捨て希望!さんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
ワインを通して食糧問題や地産地消について考えてもらいたい、と始まったワイナリー。国産の巨峰やデラウェアを使ったワインが楽しめる!
ライター:はまれぽ編集部
「ハマワイン」醸造現場を見学!
つい1週間ほど前に仕込んだという、ワイン醸造の現場を見せていただくことができた。
ボランティアの方が作業に協力
ワインづくりの大まかな流れは、ブドウの果実を潰したものをタンクに入れて発酵させる、というシンプルなもの。横濱ワイナリーのワインは添加物も使用していない。
ぎっしり詰まってます!
仕込み後、1ヶ月程度でワインが完成する。しかし、発酵が終わるまでは毎日タンクをかき混ぜる必要がある。果肉がぎっしりと詰まったタンクは、相当力を込めなければ攪拌(かくはん)できず、非常に重労働なのだ。
ワインをかき混ぜる専用の器具
横濱ワイナリーは基本的に町田さんが一人で運営しており、作業についてはボランティアの方たちの協力を得てワインづくりを行っている。これも、実際に醸造に参加することで、自分たちが口にしているもののルーツを知ってほしいという思いが現れているそうだ。
手作りの醸造所だが、取材中もワインを買いに来る人が来店するなど、非常に忙しい様子。
わざわざ車でワインを買いに来たという男性に話をうかがうと、「この店のことはネットで知って、こんなところにワイナリーができたのかと興味を持ちました。車なので試飲はできないですが、飲むのが楽しみ」と話してくださった。
「友達にも教えたい」と話す男性
「ハマワイン」?「横浜ワイン」?
横濱ワイナリーのワインは「ハマワイン」という名前。これについて、町田さんは「横浜産のブドウで造ったわけではないので、『横浜ワイン』は名乗れない」と話す。
横浜市内でもブドウは栽培されているが、品種は藤沢市で開発された「藤稔(ふじみのり)」が中心。同種を使ったワインはあまり例がない。それでも町田さんは「いずれ横浜産のブドウを使ったワインづくりにも挑戦したい」と思いを語ってくれた。
そのチャレンジが実れば、まさに「横浜ワイン」ということになる。
左から「Minatomirai」「Bashamichi」「Osanbashi」
現在横濱ワイナリーで販売しているのは、デラウェアから作った白ワイン「Minatomirai(みなとみらい)」と、巨峰から作った赤ワイン「Bashamichi(馬車道)」、そして巨峰の白ワイン「Osanbashi(大さん橋)」の3種類。いずれも税込み2700円だ。
町田さんは「どのワインも渋みの元になるタンニンがほぼありません。いわゆるワイン通のような人には物足りないかもしれないですが、後味がすっきりしているので和食などにも合うはず。ワインが苦手な人にも飲んでみてほしい」と話す。
ピンク色が美しい白ワイン「Osanbashi」をいただいてみた。
ロゼのような色味だが、れっきとした白ワイン
口にした瞬間、ぶどうならではの酸味と香りの強烈さに驚いた。いわゆるワインの持つ渋みや甘味は全く感じないが、その代わりに果物らしい酸っぱさが口いっぱいに広がる。そして、飲み込めばその酸味も後を引かずにすっと消え、かすかな香りだけが残る。
通常のワインとはまったく別物、という印象だ。
また、無濾過の「ハマワイン」は熟成が進むと味が変化していく可能性もあるという。まさに、「これから歴史が刻まれていく新しい味」といえそうだ。
酸味の成分などが結合した「酒石(しゅせき)」。変化する味の証だという
手作りのワインだからこそ
遠方から買い求める人もいるハマワイン。市内のマルシェなどでイベント販売することもあるが、基本的には新山下の店舗でしか購入することができない。
ボランティアの手助けがあるものの、基本的に醸造から瓶詰まで町田さん一人で対応しているため、ほかの場所での販売は、当面手が回らない状態のようだ。
取材当日も作業に大忙し
だが、実は今後、飲食店でも「ハマワイン」を楽しめる店舗が登場する予定。詳細は今後ホームページで公開するという。
手作りならではの大変さはあるが、だからこそ地域に密着し、環境や素材にこだわった製品を作ることができている。
さらに、町田さんは「今後は『地産地消リユースびん』での商品販売も行う予定です」と教えてくれた。
一番左がリユース瓶
横浜市資源リサイクル事業協同組合が開発した「横浜リユースびん」は、専用のびんを地域で回収、再利用することで、環境への負荷を軽減しようという取り組み。
通常のびんも資源として回収されているが、びんをそのまま再利用する「リユース」割合は減少している。砕いて溶かし、再び瓶にする過程でどうしてもCO2が排出されるため、「リユース」の重要性が見直されているのだという。
商品化はこれからだが、市内で製造されたものを市内で循環させる・・・。そんな取り組みが進めば、ますます地域に密着したワインとなりそうだ。
取材を終えて
国産にこだわり、原料の農産物から飲んだ後の「循環」まで思いを馳せることができる「ハマワイン」。単純な物珍しさだけではなく、ワインづくりを通して自分たちが口にするもののルーツを知ってほしいという思いを感じることができた。
今後、横浜産のブドウを原材料にするという町田さんの夢が実現すれば、「地産地消ワイン」としてさらに意義深いものになりそうだ。
新山下の小さなワイナリーから、横浜が誇る新たな文化として根付いてほしい。
ー終わりー
取材協力
横濱ワイナリー
http://yokohamawinery.com/
住所/中区新山下町1丁目3−12
電話番号/045-228-9713
定休日/不定休(お問い合わせください)
アルプスさん
2018年03月24日 21時49分
本日行ってBashamichi(馬車道)という名前の巨峰の赤ワインを買ってきました!この記事の最後の写真の右側のワインです。確かに普通のワインのようなタンニンの苦みや渋みのないさっぱりとした味で色は普通の赤ワインより澄んでいる魅力的なルビー色で、店頭でこの色に惹かれて決めました。2017年にできたばかりで若さを感じますのでこれからの成長がとても楽しみにしています。頑張ってください!
ホトリコさん
2018年02月01日 12時19分
保土ヶ谷で作られいたワインについてですが、今井町の県商工のそばにごく小規模のブドウ畑がありまして、ナゼここに?と思っていたのですが、その頃の名残だったのでしょうかね。