ハマ弁、ラグビー、新庁舎・・・横浜市が新年度予算で取り組む事業、どんな内容?
ココがキニナル!
2019年度の横浜市当初予算案、いったいどんな内容?(はまれぽ編集部のキニナル)
はまれぽ調査結果!
ラグビーW杯開催イヤーの2019年度は、ハマ弁改善や新庁舎完成などの動きもありそう。一年でどんな事業が行われるのかチェック!
ライター:はまれぽ編集部
都市の更新も進む
郊外を中心に大きな可能性を秘めた横浜だが、臨海部をはじめとした都心部でも、発展や更新を進めていく必要がある。
「臨海部の賑わい創出」には、128億6900万円が計上されている。これは、重要文化財「帆船日本丸」の長期保存活用に向けた大規模改修や、2020年の五輪開催に向けたホテルシップの実施に向けた基盤整備、そして、みなとみらい21地区での歩行者デッキ整備による回遊性向上などが主な内容。
大規模な改修が今も進む日本丸
みなとみらいの街区開発に合わせ、歩行者デッキ整備も進んでいく
馬車道駅近くに建設が進む新市庁舎整備には、417億8900万円が投じられる。2020年1月の完成に向け、いよいよ内部の整備工事にも入っていくとともに、現在の庁舎からの移転や什器・備品の購入などの準備も必要になるようだ。
新庁舎は高層ビル。完成は間近
一方で、空き家対策では2800万円が計上され、空家化の予防や、不動産の流通・活用の促進など取り組みを進めるため、専門家団体と連携した相談体制の強化や空き家への指導強化に取り組む。
空き家は周囲の環境にも悪影響を及ぼしがち
また、2018年6月に大阪府北部で起こった地震では、老朽化ブロック塀の倒壊で小学生の女の子がなくなる痛ましい事故が起きた。
横浜市の調査では、民有地も含めて市内に複数の老朽化したブロック塀や、建築基準法に適合しない箇所があることが判明。この改善を推進するために、3億8900万円を計上している。これは、特に学校通学路などの安全を確保するため、市内全域でコンクリートブロック塀等の除却・改善工事を支援する補助事業。
これで安全性が少しでも向上してほしい。
危険な塀は、まだあちこちにあるかもしれない
保育・教育分野での社会問題への対応は?
話題にのぼることが多い横浜市の待機児童(保留児童)問題。2019年度も需要予測に合わせて保育所の新設が行われる。
だが、保育所の整備に加えて注目されているのが「人材確保」の問題だ。
保育士の待遇が改善されず、資格を持っていても働かない人が増えている中で、どのような確保策に取り組めるか、各地域の課題になっている。
施設があっても担い手がいなければどうしようもない
横浜市では、保育士の宿舎借り上げ助成や修学資金の貸付などを実施することで、新規保育士や潜在保育士の人手を確保する方針。
また、市が行う保育・幼児教育の方向性を定める「横浜こども指針(仮称)」の策定も進め、保育の量だけではなく質についても維持・向上を図るとしている。
保育支援は、親世代への就労支援でもあり、決して手を抜けない
一方、教育分野では中学校昼食の問題も見逃せない。横浜市は「家庭のライフスタイルに合わせた中学校昼食の充実」に9億8700万円を計上し、各家庭の生活や日々の都合に合わせた「選択制」を充実させる方針だ。
具体的には、現在は予約制が中心の「ハマ弁」について、当日注文制度を全校に展開する。また、ハマ弁の注文に抵抗があるという意見に対しては、広報の強化などによって利用しやすい環境づくりを進めるという。
ハマ弁の無償提供を就学援助等対象者に拡充し、ハマ弁の強化による「中学校昼食の充実」を図る方針だ。
特別メニューなどで認知度を上げてきたハマ弁。当日注文は普及するか?
教育行政におけるもう一つの問題は、ブラック化している教職員の働き方改革。こちらには6億4200万円の予算が割り当てられた。
教員は生徒の指導に加えて保護者への対応、日々の事務作業、そして部活動の指導など、その過剰な業務量が問題視されている。横浜市では教員の事務作業を補助する「職員室業務アシスタント」を新たに356校、これまでの配置と合わせて全小中学校へ配置する。
また、部活動の顧問については郊外の部活動指導員を新たに130人配置し、計180人にすることで、教員の負担軽減を図るととしている。
国外に目を向けて
国際都市としての発展を進めるため、外国に目を向けた施策も目立っている。
海外に開かれた都市の玄関を整備するのが、139億3900万円が計上される「ふ頭機能の再編・強化の推進」。
コンテナ取扱やロジスティクス機能を持った「新本牧ふ頭」の新設に向けた工事や、既存の南本牧ふ頭のコンテナターミナル整備(2019年度末供用開始)、本牧ふ頭の機能強化や大黒ふ頭の岸壁改良など、各玄関口を一斉に強化する。
大黒ふ頭では、観光施設「スカイウォーク」の再開も予定
横浜に来る船は、輸出入だけが目的ではない。
2019年秋に供用開始する新港ふ頭客船ターミナルの整備や、大さん橋・大黒ふ頭の各客船ターミナルなどの受け入れ強化により、市内経済の活性化も進んでいく。「クルーズ客船の寄港促進と受入機能の強化」には52億8100万円が計上された。
新港ふ頭では新たな桟橋も設置され、整備が進んでいる
また、2018年末に大きな話題になった改正出入国管理法に関連して、「外国人材の受入環境の整備」に5400万円を計上。外国人の労働者受け入れに向けて、多言語での相談対応や日本語学習支援などをに取り組む方針だ。
「高すぎる人件費」どうなった?
批判を浴びることも多かったが・・・
かつては「全国でもっとも高い」とまで言われた横浜市職員の給与。税金を納める市民からの不満の声は大きかった。
実は、市ではこれまで「特殊勤務手当」や「住居手当」などの諸手当の引下げを行ってきたそうだ。各種手当を引き下げることで、平均給与月額は「20政令指定都市中14位(2017年実績・一般行政職)」になっているという。ちなみに、2018年10月に市人事委員会が勧告した職員一人当たりの年間平均給与は、629万円だ。
もちろん、それでも職員の給与が高いという意見はあるだろう。同時に、職員には情報漏洩や不祥事などに対して、非常に厳しい視線が注がれ続けているのも事実。
その責任と待遇のバランスについては、その働きぶりを見て判断していくしかないだろう。
取材を終えて
一年間の使えるお金をきっちり決めて、市民の代表である市議会(市会)の承認をへて事業に取り組む・・・。一般の企業や家庭とはお金を使う過程が異なる行政だが、その内容は我々の生活に直結するものであるだけに、多くの人が興味を持つことがとても大切だ。
1年間でどのような事業が行われたのか、しっかり振り返っていくことも忘れてはいけない。
はまれぽが昨年取り上げた、「2018年度の注目事業」がこちら。
1年間でどのような進捗があっただろうか?
2019年度の横浜市がどのように発展していくのか。
はまれぽでは今後の取り組みについても調査を続けていくので、皆さんのキニナル事業があれば、コメントやキニナル投稿に声を寄せていただきたい。
ー終わりー
Nicksさん
2019年02月26日 00時12分
横浜は日本の六大都市の一つで日本の経済成長を担うべき都市であり、日本の貿易拡大を担うべき都市であり、日本のいかなる都市にも先駆けて先取的取り組みを積極的に行う立ち位置を意識した市政であってほしいと思う。ハマ弁が利用しにくいのであれば横浜の民間事業者の活力や提案を先取的に検討するのもいいし、教育施設内に食堂を設置したり教育施設用コンビニに取り組んでもいいと思う。前例踏襲に終始しない取り組みがいいと思う。それからMM21や関内の渋滞を回避するバイパスとしての臨港幹線道路、桜木町遊歩道など以前からの計画を折り込んでいるのか分かり難いと思った。また相鉄東急・相鉄JR直通線開通にともなう羽沢新駅開業効果を高めるための都市計画道路や駅周辺の整備なども盛り込まれているかわかりにくいと思った。上瀬谷エリア返還や花博への交通整備として環状3号線の整備をどうするのかといった部分ももっと折り込むべきかと思った。