昨年の横浜市議海外視察、その後の続報は?
ココがキニナル!
昨年11月に行われた横浜市議の海外視察。帰ってきた議員のレポートなどその続報はどうなっている?(かにゃさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
最終的に16名の議員が参加して行われた海外視察。総費用は、1892万円。報告書はまだ提出されていません。
ライター:吉田 忍
海外視察のルール
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横浜市会会議規則(第117条)
市会において審査、調査その他必要により議員を派遣する場合は、市会の議決でこれを決定する。
ただし、緊急を要する場合又は閉会中にあっては、議長において議員の派遣を決定することができる。
前項の規定により、議員の派遣を決定するに当たっては、派遣の目的、場所、期間その他必要な事項を明らかにしなければならない。
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視察の予算について、昔は訪問先(地域)によって違いがあったが、平成5年の市議会で、ひとりあたり上限120万円(1期目の議員は60万円)と決まり、それ以降の変更はない。
「海外視察を希望する議員は特別な事情がない限り、議員8名以上の視察団として『海外視察願書(ねがいしょ)』を議長に提出する」とされているが、人数については厳密な決まりではなく1名での視察も行われている。
「海外視察願書」は、市議会での議決が必要であるが、平成20年6月5日開催の市会運営委員会でその取り扱いが決定されており、
●議員派遣一覧表(目的、場所、期間、派遣議員)を本会議席上に配付し、議決を行う。
●質疑、討論は行わず、即決の扱いとする。
●意見等があれば、運営委員会で表明することができる。
とされている。
「質疑、討論は行わず、即決の扱いとする」についてはやや疑問。また海外視察願書が否決された前例はないとのこと。
ビジネスクラスの利用については、市議についての決まりはなく「横浜市外国旅行の旅費に関する規則」という、市職員の規則に準じており、市議はビジネス利用が慣例化されている。
目的、成果
横浜市のホームページには「海外視察報告書」が掲載されている。
※参考URL http://www.city.yokohama.lg.jp/shikai/kiroku/kaigai.html
現在(1月8日)見ることができる海外視察報告書
ここには、昨年実施された海外視察報告書はまだ掲載されていない。
伺ってみると、提出期限などは特に決まっていないとのこと。
そこで、過去のものを見てみると、提出日は概ね全て半年後の日付になっている。
また、参加者全員から個々に提出されてはいないようだ。
過去の海外視察による具体的な成果について伺ったところ、「そのような検証や報告はない。しかし、市議会で海外の事例が紹介され、横浜市との比較が述べられるなどの成果は現れている」とのこと。
最後に
この時期に……という意見もあろうが、親善サッカー自体は悪い事ではないと私は思う。
会議に終始するよりも、交流親善にはそのような時間があっても良い。
(犬塚さんに伺ったところ、サッカーの試合では負けたとのこと)
ただ、いくつかの疑問を感じた。
海外視察費用は120万円までと決められているが、みごとに限度額ぎりぎりになっている。
今後の海外視察では、特に必要な場所だけに限定して費用を安く抑えるということも検討していただきたい。
ビジネスクラスの使用についても、財政逼迫の折、エコノミーを検討しても良いのではなかろうか。これは市職員の決まりについても検討していただきたい。
また、議員から提出された「海外視察願書」が、中身をよく検討されることなく安易に議決されているように見える。もちろん、市政のための視察であるとは思うが、「質疑、討論は行わず、即決の扱いとする」というのはいかがなものか。
林市長は財政再建について、「生活者目線で、抜本的な見直し・転換に挑戦する」としている。
海外視察は生活者目線から見るとどう見えるのだろうか……
一部の市議からは、以前より「政務調査費で行くべきだ」という主張が行われていることも付け加えておく。これは公務としての海外視察自体をやめてはどうかという意見である。
*政務調査費
政務調査費とは、地方議会の議員が政策調査研究等の活動のために支給される費用で、横浜市議会議員には、毎月55万円が支給されている。
そして、民間企業などで、出張報告書提出が半年後などということがあるだろうか?
私など半年前の事など詳細を忘れてしまいそうだ。
遅くとも1ヶ月後には報告書が提出されるのが普通ではないだろうかと思う。
はまれぽでは、特に昨年の海外視察に参加された各市議に対してアンケート調査を行う予定。
結果はまたお伝えしたい。
― 終わり―
ましまゆさん
2012年01月16日 16時15分
重複しますが、このご時世、全国の自治体では海外視察は自粛しているにもかかわらず、だらだらと何人も同じ場所の海外に行って、またサッカーをやるという神経が理解できない。市民目線のかけらもない。1900万円も出して調査会社に委託したらもの凄く質の良い報告書が出来上がってきます。海外視察は緊急性のあるものに限るべきです。席はエコノミーで人数は最小限にすべき。これまでの報告書を見ると、視察先の担当者のやりとりや現地の状況のページ数をさいており、現地に行かないと得られない情報は正直無いに等しいですよ。
XXXG-01Wさん
2012年01月13日 09時59分
まず前提として、この時代に議員自身が海外視察を行う意味が理解出来ない。要人との会談、国際会議等々があるなら別だけど。海外視察報告書、何件か読みましたが120万円のアウトプットがこれ???というのが正直な印象です。懸案事項があるなら議員が視察に行くよりシンクタンクやコンサルタントに委託した方がよっぽど有効な税金の使い方だと思いますが?「物見遊山」と言われてもしょうがないでしょうね。
かにゃさん
2012年01月10日 23時34分
採用ありがとうございました。また、取材お疲れ様でした。以前にも他の方から意見が出ておりますが、視察そのものは決して悪いことではなく、市民にとって価値のあるものであれば積極的に行うべきだと思います。しかしながら、視察することに価値があるのかが伝わらない状態では、市民も評価しようがないし、また官費旅行と思われても仕方がないと思います。報告書ひとつ取っても、一般企業において半年後の提出など許されない事です。こういった小さな事から改善していただく事を願います。これは、市民のためのみならず、議員の皆様のためでもあります。市民のために活動しているのですから、それが適切に評価されるようアピールするべきです。