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「神隠」というバス停、その由来は?

ココがキニナル!

都筑インターの近く、県道13号線沿いに 「神隠」と言うバス停が、あります。ちょっと寂しい処です。名前の由来が、気になります。(kinako02さんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

「神隠」は当時の地名から付けられたもの。由来は、隠れて暮らすのに適した土地である事を『神様が隠してくれたのだ』と感謝したという説が有力!

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ライター:橘 アリー

バス停に『熊手』が!?
 


バス通りの様子
 

しっかりと風雨がしのげる造りになっている、バスの待合所


バス停がある場所は、投稿の通り、ひっそりとした雰囲気のちょっと寂しい所。
特に夜などは、一人で道路にぽつんと佇んでバスを待つのは、本当に心細いであろうから、この待合所の存在が、心から頼もしく思える。

そんな事を思いながら中に入ってみると、そこには、何と熊手が!?

熊手と言っても農具としてのものでは無くて、酉の市なんかで売っている商売繁盛の飾り物で、言わば縁起物である。
 


飾られているのは、けっこう大きな熊手


バスを待っている人は、「神隠」の名前の由来はご存知無く、「ちょっと面白い名前だと思う」と言っていた。
そして、熊手も面白いと思っているようだが、見慣れているようで特に違和感は無い様子だった。
「神隠」に縁起物の熊手?これはちょっと不釣合いではないか、と思いバス亭裏のお宅に聞いてみた。

すると、熊手の持ち主は、バス停裏にお住まいの長谷川俊雄さんだった。
長谷川さんは、新吉田西部町内会会長もしており、バス停の待合所を無償で作り無償で提供しているそうだ。
 


長谷川俊雄さん


待合所のお陰で、バスを待つ人は、雨風から守られている。
熊手は縁起物だから飾られているようだが、熊手の放つ賑わいには、防犯効果もあるような気がする。

長谷川さんは、「神隠」の由来については伝承で、『昔、この地域に住んでいたお姫様がさらわれたことがあるから神隠の名前が付いた』『昔、通り沿いに薬師堂があったので、そこから、神様の薬師堂から、かみやくし→かみかくし(神隠)となっていった』という説などを聞いた事があるそうだが確証はないと言っておられた。



地名の陰に歴史あり!?



以前、「大豆戸」の読み方の取材でもお世話になった「港北地名を調べる会」は現在は「港北地名と文化の会」と改名している。
その代表の渡辺忠治さんに、お話しを伺った。
 


渡辺忠治さんは、地域の文化についてとても精力的に活動されている


渡辺さんによると、地名とは、その昔そこに住んでいる人々が付けていたもので、自然環境から付けられたものが全体の8割位、その次は、人々の暮らしから付けられたものだという。稀なケースとしては歴史から付けられた歴史的地名と言うものがあるそうだ。

会の調査によると、「神隠」の名前の由来は以下の説が有力のようだ。

島原の乱の後、島原の領主寺沢兵庫頭が責任を取らされて藩が改易となり、その家臣の永井左門が浪人となり、寛永15年に今の新吉田にやって来て百姓となった。
この地域は丘陵の山林地帯であったので、事情により他から移って来た人がひそかに暮らすのに適した土地であり、そのことを移って来た人達は『神様が隠してくれている』と感謝し暮らしていた事から、「神隠」と言う地名がついた。
 


島原から移り住んで来た事が記されている、永井家先祖書


文書も残っていることから、どうやら「神隠」は、この歴史的地名説が有力のようである。

ちなみに「神隠」の地名は、昭和37年の地名改革まで使われていた。



取材を終えて



最近の市町村の合併で、その地域独特の珍しい地名が次々と姿を消して行く。
それは時代の流れで止める事が出来ないのかも知れないが、そこに存在した歴史は何らかの形で残して行って欲しいものだ。

今回の取材、『名前の由来が、神様がひっそりと隠してくれた事への感謝の気持ち』『現在は無償で待合所が提供されバスを待つ人の安全が守られている』など、何かこの土地の温かさを感じた。


― 終わり ―
 

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  • 千と千尋の神隠しを彷彿してました。古い地名は必ず意味があるとか。古い地名は大事にしたいものです。区画整理や市町村合併を否定しませんが、こうして古い地名の名残も大切かと。

  • 気になっていました。調査ありがとうございます。

  • 消えゆく地名ということで思い出したのが踊場。昔はバス停と自治会の名前に細々と残っているだけだったものが、地下鉄開業で駅名に昇格、さらに快速運転開始に伴う踊場行き列車の設定で、このきわめてダンサブルな二文字が横浜中心部の地下で頻繁に目撃されることに。

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