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石油コンビナートの津波被害対策ってどんなもの?

ココがキニナル!

根岸地区には数多くの石油タンクがあります。大震災で6mの大津波が想定されていますが、横浜では、どのような対策がなされているのでしょうか。(nagatoshiさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

消防法には石油コンビナートの津波による被害対策の規定がありません。しかし、横浜市消防局では現在できる範囲で津波対策は行っています。

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ライター:吉澤 由美子

神奈川県の石油コンビナート等における津波対策



神奈川県では、「神奈川県石油コンビナート等防災計画」の修正素案が発表された。

従来、県の石油コンビナート区域における津波の高さは最大でも1m程度と予測し、津波に関する被害想定はしていなかった。

東日本大震災を受けて、神奈川県は「最大クラスの津波」である「明応型地震」「慶長型地震」「元禄型関東地震と神縄・国府津-松田断層帯の連動地震」について予測を行い、「神奈川県津波浸水予測図(素案)」を作成した。

この津波浸水予測を踏まえ、現行の「神奈川県石油コンビナート等防災計画」では想定していない津波浸水対策について、新たに計画に盛り込んだのが、修正素案。この素案はこの4月に審議・決定され、計画等・規則等の公布が行われる予定だ。



できることからはじまっている対策



消防局は、消防法に基づいて危険物に関する許認可を行っている。現在の消防法に津波に関する規定はないが、今後、津波対策が消防法の中に入ってくる可能性は高く、その場合、津波対策の指導は消防局が行うことになる。
 


横浜市の消防局は、「保土ケ谷区総合庁舎」の上にある


東日本大震災では、波浸水深が3m未満の場合にはタンク本体と配管共にほとんど被害はなかったが、3mを越えるとほとんどの配管で被害が発生、5m以上になるとタンク本体にも被害が及んだ。

このことから、緊急遮断弁をリモートコントロールで作動させ、配管からの漏れを最小限にとどめるという対策が5m以下の津波に対して有効であることがわかった。緊急遮断弁の設置について、容量1万キロリットル以上の屋外貯蔵タンクには、既に義務化されており、横浜市内の全ての対象のタンクには設置済み。今後は、容量1万キロリットル以下のタンクについて国の検討結果を踏まえて横浜市消防局が指導していく。
 


保土ケ谷区が横浜市の中心に位置するため、消防局がここにきたという説も


震災以前からあった防災対策には、漏れた油が拡散しないようにするための防油堤、下から水の壁が吹き出して延焼を防ぐ装置、事業所が持つ自衛消防隊、そしてそれぞれのタンクに取り付けられた消火装置、そして海に流出した際に拡散を防ぐオイルフェンス等がある。

そのほかに、横浜市では特定屋外貯蔵タンクの構造強化も行われている。長周期地震動(スロッシング)対策のため、浮屋根タンクは平成29年3月31日までに、固定屋根に浮き蓋のあるタンクは平成36年3月31日までに補強の工事が行われる予定だ。タンクは12~13年に一度だけ空っぽになる。その時のみ工事を行うことができるため、補強工事期間が長く取られているのだ。

東日本大震災を受けて、各事業所もかなりの危機感を持っている。国の方針が決まれば、積極的にやってもらえるという感触を消防局でも得ているとのこと。



取材を終えて



石油コンビナート等への津波対策は、国や県では方針が定まったという段階で、具体的な対策が見えてくるのはこの夏くらいになりそうだ。

首都圏で大地震が起こる可能性についての報道を思えば、この状況は正直もどかしい。それでも起こりうることを想定し、その上で着実に対策が行われていくならば、時を経るごとに安全性が高まっていくのは確かだ。

東日本大震災では被災者の救助や原発事故時の放水など、実際に活動してきた横浜市消防局。その組織の中にいる畑指令長が「想定外はあってはならない。想定しなくてはダメでしょう」とおっしゃったことは、政治家などの言葉に比べて格段の重みがあった。

対策が完了する前に大地震が起きたら?という問いには、「緊急時には消防や区役所が必ず正確な情報を流します。それに従って落ち着いて行動してください」とのこと。
 


区役所の上にあるほか、近くにいくつか消防局の施設がある


調べてみると横浜市のホームページには災害に備えるための役立つコンテンツが多い。
これらを活用して、今後の災害に備えていこうと思った。


― 終わり―


-東日本大震災を踏まえ、石油コンビナート等について国や県などがまとめた資料-

○総務省消防庁

東日本大震災を踏まえた危険物施設等の地震・津波対策のあり方に係る検討会
議事録
http://www.fdma.go.jp/neuter/about/shingi_kento/jishin_tsunami/index.html

「東日本大震災を踏まえた危険物施設等の地震・津波対策のあり方に係る検討報告書」 平成23 年12 月 消防庁危険物保安室・特殊災害室
http://www.fdma.go.jp/neuter/topics/houdou/2312/231222_1houdou/02/index.pdf


○神奈川県

神奈川県津波浸水予測図(素案)
http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f360944/

神奈川県石油コンビナート等防災計画 修正素案
(平成24年4月に審議・決定/計画・規則等の交付予定)
神奈川県安全防災局危機管理部工業保安課
http://www.pref.kanagawa.jp/uploaded/attachment/391366.pdf


・横浜市の防災関連で役立ちそうなコンテンツ

横浜市では、地震、津波、気象警報・注意報、天気予報、光化学スモッグ情報、土砂災害警戒情報、緊急なお知らせ(区選択可)、河川水位(区選択可)、河川監視カメラ画像という各情報の閲覧が可能で、防災情報をメールで受け取ることができるサービスを行っている。
http://www.bousai-mail.jp/yokohama/

横浜市地震マップ
http://www.city.yokohama.lg.jp/shobo/kikikanri/jisin-map.html

横浜市行政地図情報提供システム「わいわい防災マップ」
災害発生時に予想される危険性や、それに備えるための地図情報
http://wwwm.city.yokohama.lg.jp/index.asp?dtp=6
 

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  • 結局は、自分の身は自分で守るしかないですよね。横浜は湾内にあるから、津波は影響しないともいいますが、それは今までないからです。事前の避難場所と災害時の情報しっかり把握して落ち着いて行動しましょう!

  • 読んでて余計に不安感が増した・・・

  • 調査ありがとうございます。緊急遮断弁ですが、地震で電源喪失した場合でも、正常に遮断するのでしょうか?津波でタンクが浮上、流出する想定対策が出来ていないと思いますが。

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