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漁師町なのに、トマトケチャップの発祥地。はま旅Vol.101「新子安」編

ココがキニナル!

横浜市内全駅全下車の「はま旅」第101回は、海に野菜、山に入江の意外性がおもしろい、新子安のぶらり旅。海と山が融合した、ご当地ならではの料理を求めて。

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ライター:河野 哲弥

山側なのに、入江(つづき)

この謎は、境内にあった案内看板によって、あっさりと氷解した。
実はこの神社、武蔵国の一之宮である氷川神社(埼玉県大宮市)を勧請(かんじょう:分霊をほかの神社にうつすこと)したため、この名前が付いたとのこと。由緒は古く、西暦1561年からこの地に根ざし、地元の漁師らの信仰を集めていたようだ。
 


鳥居ほか、至る所に漁業関係者の名前が確認できる


また、現在のように埋め立て地が広がるまでは、この場所から直接海が見えたそうだ。ちなみに、この周辺の地名は「入江」となっている。かつては海岸線が、このあたりまで迫っていたのだろうか。

そこで思い出したのは、駅北口に、釣り船の事務所のような建物があったこと。
再び駅前まで戻ってみることにした。
 


あった、ここだ。「だてまき丸」と書いてある
 

お話を伺った、宮地さんご夫妻


宮地さんによれば、以前の子安浜は、複雑に入り組んだ地形だったと聞いているそうだ。あまり古いことは分からないが、「入江」という地名と、やはり関係があるのではないかと話す。

そんな「だてまき丸」は、関東では珍しい、マゴチを中心に扱う釣り船なのだとか。エビなどの生きたエサにしか食いつかないため、エサの管理に手間がかかり、ほかの釣り船はやりたがらないらしい。
 


本物がいなかったので、魚拓にて


まるで見た目はアンコウといったところだが、コリコリとした白身で、フグのような味がする高級魚だという。宮地さんご夫婦は毎朝3時ごろには起きていて、朝の6時半には、釣り船を出港。午後2時半ごろに戻ってくるそうだ。料金は大人9000円、すいていれば予約なしでもOKとのこと。



外はカリカリなのに、中はフンワリ

ケチャップに白身魚・・・「だてまき丸」を後にすると、頭の中は、とある料理のイメージでいっぱいになっていた。後は、実際にあるかどうかを、確認していくのみである。
 


何軒か探した結果、どうやらこの店に、お目当てのものがあるようだ
 

白身魚の甘酢あんかけ1100円 (ケチャップ使用確認済み)
 

タラのホホ肉を使用しているらしい


衣がカリカリに揚がっていて、口にすると「ガシュッ」という音がするほどの、カリフワの逸品。
ケチャップ発祥の地と漁師町のベストミックス、新子安を象徴する味は、あまりに完璧で、肩の痛みを完全に忘れてしまった。

今回の「はま旅」、最初はあまりの意外さに驚くばかりだったが、ケチャップを追っているうちに、温かな人情に触れることができた。今まで新子安というと、国道やインターのような「道」に関する印象が強かったが、思っていたよりも「人」の街であった。しかしそれもまた、新子安の意外さの1つと、いえるのかもしれない。


■今回のはま旅「新子安」周辺

(Googleマップより)
・「トマトケチャップ発祥の地 碑」
・「coffee yamaguchi」神奈川区子安通3-289
・「TAX子安店」神奈川区子安通3-308
・「横浜一之宮神社」神奈川区入江1-13-16
・「だてまき丸船つき場」神奈川区恵比須町1(※訪れたのは地図上の事務所)
・「聲香園(しんこうえん)」神奈川区子安通3-294-2


―終わり―
 

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  • 現在トマトケチャップ発祥の地碑の建っている所は(旧清水屋跡地は道路の反対側、京急線と15号線の間更にもう少し東京寄り)大分離れているけど、その辺の事情が分かれば良いですね。

  • このあたりは、和菓子「桃太郎」の「いちご餅」が美味しい。いちごの季節しか食べられないので、そろそろ今シーズンもさよならです。

  • 小学生当時、住んでいた子安通り三丁目から子安小学校へ向かう道のりは遠かった。学区制に縛られ、約30分ほどかけて集団登校していた頃を思い出す。駅前の大衆酒場の諸星さんやyamaguchiさんは老舗、中華の大雅や子安亭はあるのだろうか。浅野高校の学生やビクターに勤務する人たちの流れで朝の新子安駅は混雑していたが、今はひっそりとしていたね。

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