横浜市内18区の区名の由来Ⅳ【昭和61年・平成6年編】
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横浜市内18区の区名の由来を教えてください(KZさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
「区名の由来」最終回は、1986(昭和61)年にできた栄区・泉区、1994(平成6)年にできた都筑区・青葉区の由来をご紹介!
ライター:田中 大輔
都筑区は過去最大の番狂わせ!?
都筑区は、センター北・南駅周辺に代表される商業・サービス業が発達を見せる場所がある一方で、ホウレンソウや小松菜などの農業も盛ん。
また、鶴見川沿いには市内屈指の工業地帯を構えるなど、いくつもの顔を持っている区だ。
都筑総合庁舎。今回は広報相談係に協力してもらった
区民の平均年齢は39.75歳と市内で最も若く、子育て世代が多いそうだ。
平成23年度の人口増加率は市内トップだそうで、今なお成長を続けている区と言える。
都筑まもるくんがいるのも都筑区だ
区名の公募は、区誕生前年に行われ、1万6864通、3067種類の候補が寄せられたそうだ。
公募数の多い区が必ずしも選ばれるわけではないが、都筑区は公募区名の中でも一番の番狂わせが起きた区でもある。
最終的に採用された“都筑区”は実は8位で、1位は“光区”。以下、“港京区”、“陽光区”と続くトップ3なのだ。以下、“北区”、“若葉区”、“平成区”、“富士見区”と続き、ようやく“都筑区”が登場する。
上位にはきれいな言葉や縁起のよい言葉から創作された、いわゆる瑞祥(ずいしょう)地名が多く並んだが、かつて当地が属していた都筑郡という歴史的に由緒ある名前を残そう、という思いから現在の区名が選ばれたのだそうだ。
区の中心とも言える横浜市営地下鉄「センター南駅」
ちなみに、ひらがなで書くと“つづき”区だが、ローマ字表記は“Tsuzuki”で統一されている。
なぜ“du”じゃないのかという問い合わせもあったそうだが、「ドゥ」と読まれないように、字面よりも音を優先しているのだそうだ。
最多の応募総数の1位から付けられた青葉区
最後に登場するのは青葉区。
市内最多230ヶ所の公園数を誇る、街と自然の調和が自慢の区だ。
取材に応じてくれた広報相談係の正田さん(右)と草野さん
また、2005(平成17)年には男性の平均寿命が全国1位になったこともあり、お年寄りにも住みやすい街が作られていることが垣間見える。
区名の募集には、公募で区名を決められた8区の中で最多となる1万8995件の応募があったそうだ。
初めて公募が行われた1969(昭和44)年誕生の4区のときは、最多の旭区でも801通。それが前半で紹介した栄区・泉区になると7000、8000となり、都筑区・青葉区では1万をはるかに超える応募数となっているのだから驚きだ。
小説「田園の憂鬱」の著者・佐藤春夫氏縁の鉄町には、石碑が建てられている
ここまでの記事を読んでもらえば分かるが、最多得票の候補が区名になるケースというのはむしろ少ない。しかし、青葉区の場合は最多の応募があった“青葉区”がスムーズに区名として採用されている。
2位以下は上から順に、“田園区”、“北区”、“若葉区”、“緑北区”、“光区”、“新緑区”、“桜区”など、やはり瑞祥地名が多く見られている。
特に“光区”は、都筑区の公募で1位、泉区でも11位、栄区で8位と人気が高い。
この市ケ尾横穴古墳群や稲荷前古墳群など、市ケ尾には古墳が多い
青葉区の名前には、「木々に囲まれた美しい街のイメージ」や「若い芽がいきいきと育つように」との願いが込められているそうだ。
取材を終えて
昭和以降の横浜市の歴史を象徴するもののひとつである、18区の区名。
歴史的な謂われのある名前だったり、市民からの応募で決められた名前だったり、その由来はさまざまだ。
公募で決められた区名も単なる人気投票ではなく、その背景にはそれぞれのストーリーがあり改めて調べてみると興味深い内容だった。
区名はそれぞれの区の顔。
その背景には、その区に暮らす人たちのさまざまな思いが込められていたのだ。
―終わり―
XXXG-01Wさん
2013年08月28日 09時14分
面白かったです。栄区住民ですが、「全然栄えていない」のが悲しいな。はっきり言って大船の属国なんだから「大船区」で良かったんじゃないの?
都筑のふくちゃんさん
2013年08月27日 12時44分
横浜北部4区(頭文字をとってtakmiと言ったり「横浜丘の手」と言ったりする、4区合わせて100万都市)が再編成され新区名の都筑区・青葉区が誕生して、来年が成人(20年)となります。レポートしていただきありがとうございました。私は1000年以上続いてきた「都筑」地名は、昭和14年に行政地名としては消滅し、都筑橋や都筑団地などしか残らず絶滅しかかっているホタルのように思いました。それからは聞くも涙、語るも涙の経緯があり、最後は8位からついに「都筑」が復活しました。都筑区で子どもたちに歴史の話をするときには、万葉集に初めて「都筑郡」という地名が出てくることや、町田市を含め鶴見川流域が「都筑郡」だったことを説明して、流域と歴史・文化が重なっていることを説明しています。http://www.city-yokohama-tsuzuki.net/station/repo/313/index.html
nobaxさん
2013年08月27日 11時31分
「栄」は名古屋や千葉に商業地区や風俗で有名なところがあったりして、あまり評判は良くなかったです。今も栄えていないし。旧村名や地区名は採用されない事になっていたので、「本郷」や「上郷」はもともと選定外だったのです。「栄」は事前に決まっていて、単なるガス抜きで市民投票が行われたのではといウワサが絶えなかったですね。